Mangaism

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スパイダーマンのMCU離脱に断固反対する

この記事は

脊髄反射的にスパイダーマンのMCU離脱について書きます。

はじめに

この記事には「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」までのMCUシリーズに関するネタバレがあります。
特に「エンドゲーム」に纏わる重大なネタバレを含みますので、ご注意ください。

その報道は僕にとって大きな衝撃だった

衝撃のニュースが世界を駆け巡りました。
絶好調のMUCシリーズからあのスパイダーマンが離脱するかもしれないというのです。
ソニー・ピクチャーズとディズニーの交渉が決裂したとか。
夕方になって、ソニー側からこの報道に関して声明が出ましたがMCUについては直接的には触れていないものの「ケヴィン・ファイギ社長が製作から抜ける」ことは明言。
これは実質的なMCUからの離脱表明に等しいものです。

ご存じの通り、ケヴィン・ファイギ社長はMUCの製作総指揮を執っている人物だからです。
氏なくして、この一大プロジェクトは語れないし、ここまでの成功を収めてはこなかった筈です。
当然リブートしたトム・ホランド版「スパイダーマン」2作にもプロデューサーとして関わっていました。
今後続編として2作品の製作が予定されているようですが、主演監督はそのままに氏だけが「降板」ということになるとか。

冗談じゃありませんよ。
こんなことは許されてはなりません。
これはソニーにとってもディズニーにとっても大きな痛手となるはずです。

アイアンマンを2度も失ってはならない

「IGN Japan」がスパイダーマンがMCUを離脱した場合の放棄せざるを得ないプロットについてまとめていらっしゃいます。
jp.ign.com
主にスパイダーマンの単独映画側からの視点での纏めであり、非常に頷けるものになっています。
もしも本当に離脱となったならば、この記事のように最早別物にせざるを得なくなるはずです。

今現在の「スパイダーマン」は、MCUの、アベンジャーズの主力となるように構築されているからです。
単独映画も同様にその視点に立っており、特に「ファー・フロム・ホーム」は「エンド・ゲーム」直後の時間軸で密接にMCUにリンクしたストーリーになっています。
3作目以降でMCU周りのプロットについて言及できなくなることは、大きな物語的な破綻を意味しています。
どう繕ったところで、この大きな穴は補修できないでしょう。

それに、観客の全てが事情通という訳ではありません。
主演が同じ、監督が同じであれば当然続編として期待を込めて劇場に足を運ぶはずです。
作品の出来が素晴らしいものであっても、「ファー・フロム・ホーム」までとは「全く続いていない続編」を見せられては、反応も宜しい訳がありません。
きっと
「ワ~オ、これはたまげたねぇ。
作品は非常にクールで我々を楽しませてくれたけれど、続編になってない非常にクレイジーな映画だったよ。
トニー(・スターク)を愛してないスパイディを受け入れられるかい。
僕には無理だね。
トニーがハンバーガーなら、スパイディは最早コーラさ。
ほら、ハンバーガーのないコーラなんて考えられるかい。
あり得ないね。
ハンバーガーとコーラが常にセットなように、トニーとスパイディはセットでなければならない。
少なくともトム(・ホランド)のスパイディでは絶対だろ」
と全米が嘆くことでしょう。

同じことは、MCUについても言えます。
「ファー・フロム・ホーム」でアイアンマンの正当な後継者としてピーターを執拗に付け回すよう命じていたニック・フューリーが、スパイダーマンのスの字にも触れなくなることを違和感なくプロットに取り入れることが可能でしょうか。
僕には到底不可能なことに思えます。

スパイダーマンは最早次期アベンジャーズにとっての主力です。
亡きトニーの後を継ぐリーダー候補なのです。

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©MARVEL
勿論「人気面」では、穴埋めはきくかもしれません。
BIG3の中で唯一生き残ったソーは、正式に単独映画4作目の公開が決定。
フェーズ5にはラインナップされるであろう「アベンジャーズ5」にも登場する可能性が高くなりました。

更には、20世紀フォックスの買収が叶ったことで、ディズニーは「X-MEN」、「デッドプール」、「ファンタスティック・フォー」のIPを取得。
マーベルはこれで、「スパイダーマン」を除く全ての自社コミックの映画化権を取り戻したことになります。
既に「ファンタスティック・フォー」のMUC参戦は発表され、「X-MEN」についても計画が進行中とのこと。
フェーズ5以降でミュータントの登場が現実味を帯び、そうなると「アベンジャーズ5」にも彼ら人気キャラクターを出せることになります。

ブラックパンサーやドクター・ストレンジ、キャプテン・マーベルも次回作が控えており、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.3」もジェームズ・ガン監督が復帰され来年には撮影に入ります。
スパイダーマンが抜けても、人気キャラで穴埋めは出来るのでしょう。


でもね、ファン感情的にはどうしてもその未来は見たくありません。
やっぱりアベンジャーズといったら、BIG3なのです。
中でも僕は(どちらかといえば)アイアンマン派。
トニー・スタークが好きなのです。

だからこそ「エンド・ゲーム」で彼を喪ったことは大変ショックを受けましたが、それでも希望は残りました。
彼が見出し、命を賭してまで守ったピーター・パーカーがいたからです。

大きすぎる師であり、父(のような存在)であるトニーの意志を継ぐことは、まだ高校生のピーターには重くのしかかっていましたが、ミステリオとの戦いの中で遂に決断。
ヒーローとしての覚悟を持ちました。
そんな「2代目アイアンマン」であるピーターことスパイダーマンの活躍をこれからのアベンジャーズでも見たいのです。

ファンが幸せになる落としどころに向かうことを信じて

ソニーにとってもディズニーにとっても、今スパイダーマンは重要なキャラクターの1人になっています。
「ファー・フロム・ホーム」は、ソニー史上最高の興行収入を塗り替えたばかりです。
この先ディズニーと袂を分かち、第3弾、4弾と作っても今作ほどは稼げないと思われます。
下手をすると、騒動の反動を受けて「スパイダーマン」映画史上最低を記録する恐れだってあります。
MCUが「スパイダーマン」復活の要因である以上は「ケヴィンがいなくても問題ない」なんて虚勢を張ってる余裕は無いはずです。

ディズニーもMCUの重要なプロットに組み込んだスパイダーマンが抜けると大きな痛手となります。
今後の計画も練りなおす必要があるでしょうし、練り直したところで矛盾を無くせる程スパイダーマンの物語への関与は小さくありません。


僕以外のファンだって、同じ気持ちを持っているはずです。
スパイダーマンはMCUにとって必要不可欠なキャラクターとなりました。
どうか両社がファンの声に耳を傾けてくださり、共に手を取り合ってくれることをただただ祈ります。