アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

リアル生徒会が作り出す淡い青春譚が素晴らしい「1518!」

この記事は

「1518!」の感想記事です。
ネタバレあります。

はじめに

漫画で癒されよう月間第5弾。
取り敢えずは、最後になるのかな…。
若しかしたら、「ランウェイで笑って」の記事を書くかもですが。

ここ1カ月、傷心を癒す為新しい漫画に手を出してきました。
どれもこれも面白くて、すごーく癒されました。
最後は「1518!」になります。

週刊スピリッツが熱い

「週刊ビッグコミックスピリッツ」。
今一番熱いサッカー漫画「アオアシ」。
クライマックスに突入した「恋は雨上がりのように」。
名作「仮面ライダーW」の正統続編「風都探偵」。
個人的に好きな漫画が多い雑誌です。

久方振りに雑誌を見ていて、見つけたのが今作です。
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相田裕先生が紡ぐ生徒会を舞台としたリアル青春群像劇。

これがメチャンコ面白い。
舞台である生徒会をリアルにした事が作品のテーマとフィットしてるんです。

地味で辛い生徒会というリアル

生徒会を舞台にしていても、そこは青年誌。
巨大な権力を有していたり、成績優秀美少女ばかりだったり、メチャンコ強い生徒会長がいる訳ではない。
勿論会計の探偵も居ない。
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言い方はあれですが、とても地味で、リアルな生徒会執行部の活動が描かれています。
それが良いです。

生徒会活動なんてものは本来地味なモノです。
漫画やアニメ、ラノベで描かれるような華やかで楽しいモノではありません。
誰にも気づかれず、ひっそりと活動する。
進んでやりたいと思えるような類のことではないし、殆どの生徒の記憶に残るようなモノでは無い。

少なくとも僕にとってはそうです。
記憶を掘り返しても、自分達の学校の生徒会がどんなことをやっていたのか出て来ないんです。
自分達の代の誰が生徒会長だったのかも覚えてない。
やらなくても・知らなくても学生生活を送れる存在。

やりたいと積極的に手を伸ばさない限り、殆どの生徒には無関係な団体。
それが生徒会執行部のリアル。

故に、生徒会に関われば、一般の生徒には出来ない経験が出来る。
手を伸ばし、楽しもうと願えば、それは掛け替えのない思い出に変わる筈です。
辛いと考えるのか、それとも、楽しいと思えるのか。
捉え方次第で変わるのだから。

さながら、自分から新しい世界を開拓するに等しい行為に思えます。
人生楽しさは、自分で見つけるものです。
待っていても向こうからやっては来ません。


リアルな生徒会は、決して楽しい場所では無いし、関わろうと行動しなければ、関わりあいにならない世界。
だからこそ、関わろうと行動し、楽しいと捉えれば、世界は広がる。

世界は広がる!!

今作のテーマ

さて、漫画本編の話に入ります。
今作の肝は、4巻の帯に端的に纏められています。
抜粋するとこんな感じ。

もし、スポーツ漫画の主人公が夢を諦めて生徒会に入ったら……?
世界の終わりの「その先」を描いた青春群像劇!

野球に全てを賭けていた少年・烏谷公志朗。
リトルリーグでエースを張っていた彼は、しかし、過度な練習のせいで肘を故障してしまいます。
それは、投手を続けられなくなるくらい大きな怪我で…。

夢を諦めざるを得ない状況に追い込まれたら、人はどう思うのでしょうか。
夢を持てなかった僕には、到底理解できない事です。
分かったつもりにはなれるけれど、心からの理解を示す事は無理。
痛みは、経験した者しか共有できないのだから。

だけれど、そんな痛みを一言で表現する事は僕にもできる。
文字通り「世界の終わり」なのでしょう。

本気であればあるほど、自分の見ていた世界が崩壊する感覚を味わうんじゃないかな。
烏谷公志朗にとっての野球というのは、きっとそれほど掛け替えのないものだったと思えます。

そんな世界の終わりの後、烏谷公志朗は高校に入ると、生徒会長に呼ばれます。
「野球で勝負をしよう!!」と。


切欠は「自分から動いた」からではありません。
会長から手を差し伸べられた。
でも、「生徒会に入って、楽しもう」と決心したのは彼自身です。
生徒会活動を辛いとか苦しいとかマイナス面で捉えずに、楽しもうとプラスに解釈する。
そうしたのは彼自身だし、そう思わせたのは幸(主人公の女の子。可愛い)達生徒会の皆。

一度は終わった世界から、それでも絶望をせずに、一歩外へと歩き出す。
新しい世界に踏み出す。
とても勇気が必要で、強い決心を伴うのだと思う。
故に一歩を踏み出した公志朗を応援してしまう。
頑張れ、頑張れ…と。


フィクションの世界のような楽しい生徒会だったら、公志朗がそこに楽しさを求めてもここまでグッとくることは無かったと思うの。
地味で辛いリアリティのある生徒会だからこそ、それでも楽しもうとする姿勢に心打たれるのかなと。

優しい世界

そこは優しい世界です。
他人を思いやれる世界。

幸も会長も公志朗の家族も。
みんな優しい。
読んでいて、ほっこりします。

優しくて温もりに溢れた漫画。
きっと、読めば優しい気持ちになれます。