アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

原作信者から見たアニメ「りゅうおうのおしごと!」

この記事は

アニメ「りゅうおうのおしごと!」の記事です。

はじめに

最初に結論から言うと、僕はアニメ「りゅうおうのおしごと!」を毎週楽しく視聴しています。
本当に楽しい。
歳とうつのせいか、物忘れが激しく原作の内容を子細まで覚えてないから…というのもあるのかもしれませんが、毎回新鮮な気持ちで視聴出来ています。

だけれど、やはり原作派の方には不満を持たれている方もいるようで。
色々とカットされているので、不満があるのでしょうね。
ちょっとそこら辺の持論を書ければと思います。
少しだけ原作のネタバレに触れるので、嫌な方はこの先に進まないでください。
(極力内容への言及は避けてますが、「少々のネタバレも禁じたい」方はご遠慮願います)
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原作2巻の話

先ずは、「原作派の不満な点」を挙げてみます。
これを俎上に挙げない限り、話が進まないからです。


原作2巻では、天衣の「弟子の座」を懸けて、八一と月光会長が勝負をします。
盲目ながら「めちゃめちゃ強い」(頭悪い表現)会長に八一が挑みます。
ここが2巻のクライマックスになっています。
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ただ、アニメ5話を視聴した方はご存知かと思いますが、この流れはオミットされています。
「原作準拠」を旨とする原作信者の一部には、ココがウケが悪いポイントの1つですね。

今回はこの点について、持論を述べていきます。

ストーリー構成の違い

よくアニメ化された際に、原作準拠では無かった時の理由として「メディアが異なるから」と言われる事があります。
これは一体どういう意味なのか。
正答は分かりませんが、色々と推測は出来ます。

例えば、表現規制のボーダーラインの違いが想像出来ます。
原作2巻では、八一は天衣を連れて、新世界に懸け将棋をしに行きます。
これが修行となっている訳ですが、アニメ化に於いて、懸けの部分はカットされていました。
倫理的なのか(小学生に賭け事はNGという意味で)、別の事情なのかまでは不明ですが、TVアニメでは無しという判断なのかなと。
他にもいくつか想像出来るのですが、最も個人的に分かり易いと考えるのが「ストーリー構成が違う」ことですね。

僕は、小説・ライトノベルというのは、1巻ごとに起承転結がきっちりと存在しているモノという認識を持っています。
物語の導入があり(起)、事件が起こって(承)、解決して(転)、まとめ(結)がある。
もっと端的に言えば、毎巻見せ場となるクライマックスが用意されているということです。

原作「りゅうおうのおしごと!」は、まさにそういう小説です。
毎巻ちゃんと起承転結が描かれていて、相応のクライマックスが用意されています。
1つの巻の中で、1つのお話が完結しているのです。


これは、漫画とは異なる部分です。
基本的に連載を持っていて、「続き」が明確な漫画では、必ず毎巻大きな事件が起こるという訳ではありません。
起承転結で言えば、承だけという"繋ぎ"の巻もあります。
複数巻に跨る大局観を持っているとでもいうのかな。
1巻という小さな単位ではなく、もっと大きな括りで物語構成を練っている。

しかし小説は書き下ろしが多く、基本的には「1巻完結」スタイルです。
続刊が不透明だから、シリーズものでも1巻完結を旨としている事が多く、自然起承転結がしっかりと存在しているのかなと。

当然ながら例外はあります。
物語が長編になれば1つのお話が巻を跨ぐこともありますし、中には起承転結を放り出している作品もあったりします。
前者はライトノベルで言えば「Re:ゼロから始める異世界生活」など。
後者は僕にとっては「つまらない小説」なので、タイトルは控えます。
例外はありますが、基本的には1巻という小さな単位で物語が構成されているのかなと。

漫画と小説というメディアを見ても、かように「シリーズ構成」の違いはあり、TVアニメは、漫画に近いメディアであると考えています。


TVアニメ…特に深夜アニメの場合は、先ず大枠が決まります。
1クールなのか2クールなのかという全体の話数です。
「りゅうおうのおしごと!」は1クールですね。
12話なのかな。

この12話という単位の中で構成が練られている筈なのです。
「全12話通して1つの大きなお話」という考え方ですね。

原作のシリーズ構成

少し原作のお話に入ります。
5巻のあとがきに書かれてますが、「りゅうおうのおしごと!」は、当初全5巻を想定されていたそうです。

「5巻で終わりにしようと思います」
『りゅうおうのおしごと!』1巻が発売した数日後、担当編集の方と中部地方の書店さんをまわりながら、私はそう提案していました。
編集さんは「わかりました」と言いました。
「もっと続けましょう」という言葉は出ませんでし た。
出版の世界では『初速』という言葉が非常に重要になります。
『出版直後にどれだけ売れたか』というような意味です。
なぜそれが重視されるかというと、その期間を過ぎるとパッタリと売れなくなるからです。
『りゅうおうのおしごと!』の初速は、よい数字ではありませんでした。


―「りゅうおうのおしごと!」第5巻あとがきより抜粋

ということで、5巻で一旦綺麗に話が纏まっています。
そこで、ざっと各巻の要所をネタバレにならない範囲で掻い摘んで取り出すと、以下のような感じです。

巻数 大きな出来事
1 あいとの出会い
2 天衣登場
3 桂香の話
4 八一"ラストバトル"前哨
5 八一"ラストバトル"

余談ですが…
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桂香さんの話は超絶熱いです。
アニメでは大きくカットされそうなので、原作でじっくり堪能して欲しいな。

先程も言いましたが、各巻しっかりと見所があります。
八一の…です。
主人公なのですから、彼の良いトコ…「竜王としての強さ」が存分に描かれています。
いるのですが、ここでは横に置いておきます。
あくまでも僕にとっての5巻までの重要な出来事は、表のような感じなのです。

TVアニメのシリーズ構成(妄想)

さて、アニメの話に戻ります。
原作が5巻で切りの良い終わり方を見せているので、5巻までの内容をアニメ化するのではないかという予想が立てられました。
1巻当たり最低3話使うと良い感じに纏まりそうです。
ですが、そうすると15話必要になります。
12話という大枠が決まっているので、これでは無理ですね。
そこで、話を切り詰めないといけません。
「3話分」原作からカットする必要があります。

ここで重要になるのが「12話で1つの話」という大局観ですね。
12話全体で…原作5巻までを「起承転結で纏める」。

物語の導入(起)。
あいが内弟子となり、天衣が2番弟子となることで、メインキャラが出揃う。
2巻までの内容がここに当たりそうです。

事件が起こる(承)。
桂香の話と八一の話ですね。
原作3巻と4巻辺りです。

事件を解決する(転)
八一の話のクライマックス。
「りゅうおうのおしごと!」全体のクライマックスです。
原作5巻が相当します。

まとめ(結)。
エピローグですね。
当然原作5巻に描かれています。


こうやって、起承転結を考えて、話数を配分する。
どう配分しているのかは、最後まで見ないと分かりませんが、導入部分で5話使った計算でしょうか。
このように想像すると、起の部分で「八一の活躍」が無くてもお話としては成り立っていることにもなります。
2巻のクライマックスがカットされたのにも頷けます。
八一の活躍は最後にちゃんと用意されているからですね。

12話という大きな流れの中で、2巻のクライマックス部分は無くても問題は無かった。
だから、カットされたのではないかというのが僕の持論です。

終わりに

ここまではしっかりと原作の本歌取りをして、違和感なく再構成されているので楽しめています。
もし、この物語で少しでも引き込まれましたら、原作にも手を出してみて下さい。
アニメでは時間の関係上描けなかった熱いドラマが毎巻待っていますので。

感想戦

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アニメだけ見てると、八一がロリコンキングにしか見えません。
うん。
間違ってないです。
彼は正真正銘のロリコンキングです。
「小学生は最高だ!」と心から思っています。

4巻前半までは、その流れでOKです。
寧ろ、そこを弄られている様を見るのが面白い。
4巻の鵠(←読み方が分からない人へ。調べちゃダメです。ネタバレになるので)と八一のやりとりは何度読んでも爆笑ものです。
僕にとっての最大のクライマックスなので、是非カットせずにアニメ化して欲しいですねw