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【ネタバレ注意】「アベンジャーズ/エンドゲーム」 感想

この記事は

「アベンジャーズ/エンドゲーム」の感想です。
ネタバレしてます。

ネタバレ注意

この感想ではネタバレを書いています。
内容に触れないで感想を書く技術が僕には残念ながら備わっていないので、こうなりました。
ごめんなさい。
監督もネタバレしないように注意を呼び掛けてましたし、それは公開後も守るものかなと見終わって改めて感じましたので、鑑賞してない方はどうか好奇心を抑えてください。

ご自身の目で作品を見る前にネタバレに触れてしまうと、絶対に後悔します。
なので、ここから先は、鑑賞者のみ閲覧くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

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©MARVEL
前置きはこれくらいにしましょう。
感想です。

「終わるための映画」

「終わるための映画」。
ケヴィン・ファイギ社長は、この作品を目指して10年の歳月を費やしてきたと述べていました。
全ての物事には、始まりがあり、ならば終わりもある。
最高の終わりを目指して作ってきた…と。

まさに…でしたね。
MCU10年の総決算でした。
そして、紛れもなくアベンジャーズ・オリジナルメンバー6人のラストに相応しい大作でした。

超濃厚シナリオ

3時間にも及ぶこの映画。
最初上映時間を聞いたときは、素直に「長っ」って口に出してました。

2時間でも長く感じることのある長編映画で、3時間というのは、一つ間違えるととたんに駄作の要因に挙げられてしまう恐れのある冒険。
いくら22作品のラストを飾るとはいえ、長すぎやしないかと思いました。
しかし、ルッソ兄弟は「トイレタイムは一切無いと」自信満々。
その根拠はどこにあるのだろうかと訝しみもしましたが、僕がやっぱり間違ってました。

結論から言うと体感的には冒頭からエンディングまで1時間くらいの感覚。
本当にあっという間に感じたのです。

あまりにも。
あまりにもシナリオが濃すぎました。

冒頭は、とてつもない静けさから入りました。
先の戦いに参加していなかったホークアイ。
彼が静かな「余生」を家族とともに過ごしているシーンから。
長閑で誰もが羨む休日を過ごす彼ら一家に、しかし、唐突に別れが訪れて…。

続いては、宇宙のシーン。
食料は尽き、空気も残り少なく、周りにはただただ空虚な黒が支配する宇宙。
漂流しているトニーは、最期を悟りペッパーに遺言を残していて…。

ここまでは本当に静かな幕開けでした。
もしこの映画に中弛みという言葉を用いたいのならば、誰しもがここまでを選ばざるを得ないはずです。
始まってたったの10分ほどでしょうか。
この映画に於いては、「中」ではない序盤の中の序盤でしか、通用しない言葉ですね。
静かに息を引きとろうとするトニーの眼前が光り輝いた瞬間から、濃厚な展開が始まります。


トニー生還からあっという間にサノスの居場所を割り出したスティーブ達は、やる気のあるメンツで宇宙へ。
ワープ1回で目的の星に辿り着くと、そこには弱体化したサノスが。
見る影もないサノスは、ストーンを破壊した後遺症でダメージを受けており、もはやスーパーヴィランの面影もなく。
どうなるんだこれと思った瞬間に、ソーがあっさりとサノスの首を刎ねて5年後。

最早呆然ですよ。
誰が予想できただろう、このジェットコースター展開。
サノスの首を刎ねたソーの悲しそうな背中のショットから画面が暗転した瞬間、エンドロールが流れるんじゃないかとマジで思っちゃいましたw

全く読めないシナリオ。
呆気に取られる暇もなく、どんどんとシナリオは展開していきます。
スコットが量子の世界から帰還。
とんでもない発想でタイムトラベルの理論が持ち上がると、トニーがその理論を完成させ、生き残った戦士が集結。
長きにわたって立場を分けていたトニーとスティーブが和解すると、一行は3つのメンバーに分かれて過去の世界へ。

この辺が恐らく上映も中盤当たりだったんじゃないかな。
過去の世界の描写は、1つとして見逃せないものになってましたので、飽きなんて覚える暇は一切ありませんでした。
だって、これまでは作品の裏側で細く繋がっていた各作品が、いっきにぶっとい線で繋がったのですから。

6つのストーンを巡る時間旅行は、過去作品を巡る旅でもあるわけで。

「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」の時代に遡り、ジェーンの体に取り込まれたリアリティ・ストーンを回収に。
「アベンジャーズ」の時代では、エンシェント・ワンが持つタイム・ストーンを貸し受けるために向かい、一方でマインド・ストーンを華麗に奪い去る。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でクイルがアホみたいに1人で踊ってる横の洞窟で眠っていたパワー・ストーンを奪取。
「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」時代、SSRに保管されていたスペース・ストーンを秘密裏に入手。

そして、最後がソウル・ストーン。
ナターシャとホークアイが向かいました。

見どころだらけ。
伏線の回収やら、意外な邂逅やら、ヒーローの見せ場やら、もうてんこ盛り。
後でもうちょっと深く触れます。

そうこうして6つのストーンを集めて、現代に戻ると…。
サノス帰還!!!

最盛期のサノスが最大規模の軍を率いて、現代の地球に来襲。
BIG3 VS サノスという熱い戦いを経て、物語はクライマックスへ。

塵になったはずのサムからの通信がキャプテンに入った瞬間に鳥肌。
ドクター・ストレンジの空間転移魔法が現れて、ブラックパンサーが、スパイダーマンが、スターロードが!!
「キター」と自然にセリフにして、しかも、ちょっと声が漏れてしまいましたよ。
大興奮のクライマックス。

スティーブの「アベンジャーズ!アッセンブル!!」の号令でテンションが振り切れました。
この一瞬の為に、今まで見て来たんだよなと!!
僅か6人で始まったアベンジャーズが数えきれないほどの規模となって、地球最大の脅威に立ち向かう。
今度こそ一枚岩になって、狼煙を上げるわけですよ。

燃えるに決まってるじゃないか!!

サノスとの決着、しっかりと余韻を感じられるエピローグと。
最後の最後まで濃厚さを保ちながらの3時間。

10時間くらいの密度をぎゅぎゅっと圧縮し、それでいて駆け足に感じない絶妙な編集。
凄まじいシナリオでとんでもなく濃い時間を堪能させていただきました。

初期メンバーの物語

なんだかんだ結末は賛否分かれると思うの。
覚悟はしてたけれど、何人かのメンバーにとってはまさしく最期になったわけですから。
完全なハッピーエンドを望む人、まぁ、僕も含めるんですけれど、そういう人からすると落ち込む結末ではありました。

けれど、だからといってこの結末を否定したくないわけで。

それはやはりスタッフの愛が込められていたからだと思うのですよね。


だってさ、エンディングで初期メンバー6人のクレジットをあのような特別な形で魅せられるわけですよ。
フェーズ1から見て来た身としては、グッときますよ。

それにシナリオで6人全員に最高のエンディングを残してくれたわけです。
バナーはもう1人の自分・ハルクとの和解を。
ソーは母との別れを。
ナターシャは自分を変えてくれた家族・アベンジャーズの未来を守るという意思を。
ホークアイは最愛のファミリーの元へ帰ることを。
それぞれが果たした。

そして、スティーブ。
改めて若き日の最愛の女性を目にし、かつて彼女と交わしたダンスの約束を果たそうと思うことの何が悪いのか。
自分の人生を歩む選択を否定することを僕らにはできませんよね。

トニーは若き父の言葉に感銘を受けたのでしょう。
ペッパーと最愛の娘、そして愛弟子のピーターを救うために愛に殉じた。


悲しいさ。
それは紛れもない事実で、どうしようもない。
でもね、彼らの物語はこれ以上ないって言えちゃうほどに愛に満ちた終わりだった。
これを受け止められなきゃ、ファン失格…は言いすぎだとしても、僕としては受け入れざるを得ないラストでした。

「終わるための映画」という言葉通りの最後に相応しい集大成の映画。
最高でした。

終わりに

濃厚にして、大興奮。
ここまで血沸き肉躍った映画はいつぶりだろうか。
本当に燃えました。

そして、笑いました。
こんなにシリアスな展開なのに、全編にわたって笑いを挟んでくるマーベルの姿勢が大好きだ。

最後は言葉を失いました。
辛い。けど、前を向かなきゃ。
6人の偉大なアベンジャーの雄姿を魂に刻みつけました。