Mangaism

アニメ、漫画の感想や考察を書いてます

2018年春アニメを総括した。

この記事は

2018年春アニメの感想です。
備忘録。

はじめに

さて恒例化したい「クール毎のアニメ総括」。
今回も春アニメの総括を始めます。

クライマックスで盛り返したり、終始良かったり。
…途中で視聴を止めてしまったりと色々ありました。
総括を書いていきます。
尚、ネタバレありますのでご了承下さい。

あと注意事項。
「覇穹 封神演義」をこきおろしてます。
良かったぜという方は、気分を害する可能性が高いです。

あまんちゅ!~あどばんす~

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「ARIA」との違いを認識できた気がする

大好きな「ARIA」とは違って何故乗り切れないのか自分でも理解出来なかった本作ですが、なんとなく正体がはっきりとしてきました。
リアル世界観ベースの日常話と天野こずえ先生の得意とする「ちょっと不思議な日常物語」の親和性が低いんだ。
いや、この言い方は違うな。
断定しちゃダメですね。
あくまで僕の肌感覚では、相性が悪いと感じたのです。

少し不思議な世界観だからこそ、有り得そうな不思議な物語。
それは夢のような儚さや空想に溢れている。
特にケットシーとの幻想的な物語は、今作の雰囲気を決定づけているように思うのです。
天野先生が紡ぎ出すネオ・ヴェネチアという少し不思議な世界観で生み出される日常描写が好きだったんでしょう。

しかし今作は伊豆を舞台としたリアルな世界観に於ける日常を取り扱っています。
そこに、僕が好いていた「ちょっと不思議な日常物語」が無くて、物足りなさを覚えていたのかもしれません。
従って2期も全体から見ると少し趣味とは外れていました。

お気に入りのエピソードもあった

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ただ、「ちょっと不思議な日常物語」が存分に描かれていた6話から9話が抜群に良かったです。
特に姉ちゃん先輩にスポットが当たった7話からが好きです。

この子、こんなに可愛かったのかと認識を改めました。
主に夢の中を舞台にしたボーイミーツガールは、オチを含めて非常に天野先生らしい素敵で少し不思議な物語でした。
やはり天野先生にはこういった作風が似合います。

ウマ娘 プリティーダービー

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総括

1クールでキャラを出し過ぎると、どこかで破綻します。
キャラクターの掘り下げが不十分となり、関係性が描けず、故に物語も散漫になる。
アプリゲームのアニメに散見されるこの問題を今作もやはり孕んでいました。
最終回が象徴的ですね。

僕には競走馬についての知識が無いので、モチーフから得られる感動に浸れなかったのですが、これ知ってると全然違ったのでしょう。
きっと野球に例えるならば、王貞治やイチロー、野村克也、山田哲人ら世代を代表する選手の「全盛期」が時を超えて1つの試合に参加してるようなものでしょうか。
知ってる人からすれば、モチーフの関係性や凄さを作品内のウマ娘に投影して、しっかりと楽しめる作りにはなっていたと思います。
どうやら描かれてきたレースも史実を忠実に再現し、この最終回では「実現不可能な夢のレース」だったようですから。

故に、知ってる人にはキャラクターの個性がしっかりと感じ取れたのでしょうが、僕としては充分に楽しめませんでした。
「このウマ娘誰だろう」「姉妹だったんだ…ふ~ん」って感じになってしまった。
もう少しキャラクターを絞って、1人1人の掘り下げを行っていたらまた違ったのでしょうけれど、1クールでは捌き切れないキャラクターを出していたというのが最終回を見た率直な感想です。
ただ、シリーズ全体としてはスピカを中心に回していたので、メインキャラクターの物語(スペとスズカの関係性)はしっかりとしていたと思います。

ダイワスカーレットが可愛い

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最大の不満点は、ダイワスカーレットの出番の少なさですねw
メイン回を作って欲しかったぁ。

致し方ない部分でしょうけれど、スペとスズカ以外のスピカメンバーの掘り下げはもう1つ不足していたので、そこを頑張って欲しかったかな。

こみっくがーるず

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総括


nuruta.hatenablog.com



…過去記事貼って終わりじゃダメかな?
ダメ…ですよね。

春アニメでは文句なく1番でした。
物語全体の軸となっていた「かおすの成長」を表現する中に「同世代の女の子達との日常」が含まれているんですね。
第1話でそれが明言されています。
女子高生なのに「かおすの描く女子高生にリアリティが無い」とダメ出しを食らったかおすが、「リアルの女子高生」に触れていくことで漫画家としての経験値を蓄積していく。
この関係性が非常に見事でした。
かおすに「美少女好き」属性が付与されていた点も、この成長に関与していたとも解釈出来るので、この点もGOOD。

なんだか偉そうな書き方になってしまった…。すみません。
纏めると、「美少女の日常に萌えるだけの毒にも薬にもならない作品」に終わらずに、キャラクターの物語をしっかりと描き切っていた為に、僕の中では1番になりました。

萌え作品としてもGOOD

「美少女の日常に萌えるだけの毒にも薬にもならない作品」、好きなんですよ。
本当に。
でも、最近は食傷気味というか…ちょっと「これだ!!」って作品に出会えてなかったこともあり、最初から避けていた部分もありました。

今作は違った。
キャラ1人1人が個性的でしっかりと立っていたこともあり、彼女達の何気ない日常を覗き見るのが超絶楽しかった。

過去記事でも書きましたが、小夢好き。
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表情豊かで、明るく素直で前向き。
食いしん坊で百合属性も少し持ってる。
こんな子が側に居たら、人生楽しいだろうなって思える素敵な女の子。
是非翼とゴールインを決めて貰いたいところです。

食戟のソーマ 餐ノ皿

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総括

「週刊少年ジャンプ」の人気漫画を原作とした本作も早いものでもう3期。
かなり高いクオリティで作られているので、支持を得て来たのかなと。
分割2クールで作られた3期もそのクオリティは流石の一言で、原作を読んでる僕も先が気になって仕方ない程楽しく視聴していました。
えりな役の種田梨沙さんの降板が非常に残念でしたが、役を引き継がれた金元さんのカバーで大きな違和感なく楽しめました。
4期がもしあるのなら、来年の春以降が良いな。(これ以上の交代は止めて欲しいから)

但し、1つの作品と見做すと頂けない終わり方でした。
非常に中途半端であり、実質「俺たちの戦いはこれからだ」エンド。
もし4期が無かったら、シリーズ全体を通しても残念としか言えない作品になるかもしれません。

3D彼女 リアルガール

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総括

「筒井くんが良く分からない子だった。」という第一印象そのままに最後まで来てしまいました。
印象が覆ることは結局無かったなぁ。
もう少し格好良くて憧れる部分か、若しくは共感出来る部分が欲しかった。
彼に少しもヒーロー的な良さを見られなかったので、彼中心のラブストーリーにも嵌れませんでした。

色葉が今後どうなるのかが気になって、それだけをモチベーションに見続けましたが、2クール目はどうしようかな…。
結構迷ってます。

作品全体の評価は分割2クールの前半だけしか終わってないので取り敢えず保留です。

伊藤…

筒井もそうなんだけれど、伊藤が…。
いくらオタクでも流石に猫耳を常時装備してるのは無い。
ただただ引く。

こういう小さな「有り得なさ」が作品全体の評価にマイナスに響いている感がありました。

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン

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総括

数日前まで2クールだと思い込んでました。
勝手な思い込みから弱冠物足りなさを感じてしまいました(汗
リアルなSHINCをもっと見たかったなぁ。

さておき、ちゃんと振り返れば綺麗に纏まっていたと感じます。
レンとピトとの出会いから死闘、リアルでの出会いというラストまで過不足なく1つのアニメ作品として描き切っていたかなと。
作画、演出、シナリオとどれも高い満足感を得られました。

最高かよ

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エルザがロリロリでした。
これはMじゃなくても尾行しちゃうレベル。
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ピトの正体に纏わる伏線をしっかりと仕込んでいて、視聴者も事前に正体を推測できるようになっていた点も「綺麗に纏まっていた」と感じた要因の1つです。
香蓮って結構目ざといですからね。
レンとしても戦闘に活かしていました。
だから自身の出したファンレターからピトのリアルを見抜いたのは納得だし、しっかりと主人公してて良かった。

多田くんは恋をしない

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ヒロイン勢と恋

報われない恋の連続が、ラストをドラマチックに引き立てていました。
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日向子の秘めた恋。
幼馴染の杉本が好きだけれど、勇気が出ない。
HINAとして一歩勇気を振り絞って手を差し出したけれど、気づいてもらえなかった。
劇中では結局最後まで気付かれず、報われないまま終わってしまいました。
「何故気付かないんだ、杉本!!!!」というモヤモヤがありました。

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ゆいの場合は、文字通り失恋してしまいました。
これまた秘めた恋。
山下を好きだったけれど、告白する前に振られたような形になってしまいました。
そりゃ泣きますよ。
恋の悲しい部分を担っていたヒロイン。

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秘めた恋といえば、アレクには誰も敵わないでしょう。
想い人であるシャルルには生まれた時からの婚約者がいる。
その婚約者は、自分の幼馴染であり、仕える相手。
日本留学を経て、より深く友情を確かめ合った仲。
アレクがテレサを裏切って自分の恋を優先させる事は絶対に無い。
だからこそ、悲恋なのですよね。
絶対に叶わない恋を胸に秘めている彼女は、今作に於ける「報われない恋」の筆頭でした。


この3つの恋全てにテレサが関わってるんですよね。
日向子の恋を知り、ゆいの失恋に立ち会い、アレクの気持ちに気づいた。
彼女達の想いが物語的にテレサの恋に収斂していくような錯覚を覚えました。
言い換えるのならば、テレサの恋が報われる事で、他のヒロインの恋も少しは報われる。
そんな気がしたのです。

一度終わらせた恋が良かった

テレサは国の王女であり、それ故に、彼女1人の気持ちの変化だけを優先させる事は出来ません。
というか、それしちゃうとテレサが日本を離れた決意とか今までの物語全てを否定しかねないことです。
最終回で愛を告白しあったシーンで「両想いだね、じゃあ付き合おうね」ってやってたら、非常に薄っぺらいものになっていたことでしょう。

だから、ここで一度恋に終止符が打たれたことが非常に良かったです。

きっとさ、メッチャ頑張ったんだよ、シャルルが。
テレサの事を自分の気持ちよりも優先して、彼女を幸せにするために。
彼女の地位や名誉を守りつつも国が国として機能するように働きかけた。
それが一体どういう手段なのかは凡俗な僕には想像すら及びませんが、誰よりも率先して動いたのだと思う。
超絶イケメンですね、シャルル。
いつかアレクの想いも掬い取って欲しいな。

総括

そう言う訳で、総括になります。
最終回までの流れと最終回が非常に素晴らしかった。

中盤気持ち的にだれていたのですが、終盤にいっきに盛り返してくれました。
本当に良い奴しかいない優しい世界。
「ガンゲイル・オンライン」と並び、僕的には同率2位ですね。

覇穹 封神演義

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僕史上最低の作品

30年以上アニメを見てきましたが、ぶっちぎりで最低最悪の作品でした。
順を追って理由を書いていきます。

先ずはシリーズ構成ですね。
先ずというか、これが殆ど全て。

昔の僕は原作準拠至上主義を掲げてました。
台詞1つにしても原作の再現を望む程で、展開を変えるなんて言語道断。
忠実に忠実に映像化して欲しいと思っていました。

けれど、いつしか考えが変わり、アニメはアニメと思えるようになったのです。
原作の展開を変えてでも、アニメとしてしっかりと終われていればそれで良しという考え方ですね。
寧ろ原作準拠を守るが故に中途半端な終わり方をした作品は、全体的な評価を落とす理由にするようになりました。


そうすると99年に作られた「仙界伝 封神演義」は僕の評価をガラッと変える可能性の高い作品でもあります。
原作大好きな僕は、当時はこのアニメ版をも気に入ってませんでした。
オリジナル展開が非常に多く導入され、後半は完全に別物となっていたからです。
藤崎先生の要求だったことなどお構いなしに、残念だったと纏めていました。

今の価値観で見れば、評価は一転するかもですね。
もう殆ど記憶にないので断言はできませんけれど。
ラストはオリジナル展開としてしっかりと締めていた…気がするので。


では本題。
今作はどうか。
クソです。原作既読者はおろか原作未読者までをもふるいに落とす意味不明な構成でした。
破綻・矛盾のオンパレード。
挙げればキリがありません。
伏線は引くだけ引いて一切回収をしない。
エピソードを丸々カットしておいて、作中では行われたことにしている。
アバンで先のエピソードを描いているのに、本編でそこを無視する。
本当に酷かった。
原作準拠が~とかオリジナルが~とか言い争うのがバカバカしくなるくらい酷い構成。

例えば、第9話、第12話のアバンで太公望と王天君が会話を交わしてましたが、このシーンの意味を正しく理解した未読者はどれだけいらっしゃるのでしょうか。
何故2人が出逢い、会話をし、どういう意味があったのか。
完璧に理解した未読者がいたら、その人はもうエスパーか何かです。
若しくは超越者か神なのでしょう。

このシーン含め、伏羲や女媧が滅茶苦茶絡んでくるのですが…。
なんの為に女媧編の伏線を張りまくったんでしょうね。

総括

原作は、ざっくりと分ければ3つの章で構成されています。
最初が「趙公明編」。
封神計画の始まりから妲己との最初の戦いまでが作品全体のプロローグであり、そこから仲間集め、四聖戦、魔家四将戦を経て、趙公明との大バトルを繰り広げます。
当然次章への伏線や、更には最終章最大の敵の存在までをも匂わせており、藤崎先生の構成力の高さが窺える章となっています。
鄧蝉玉や最終回に何故か出て来た雷震子はここで登場。

第9話で登場した人形。
これが人形にされた鄧蝉玉。
てっきり出て来ないのかと思ってたら、その後ちゃっかりと台詞付きで登場するという意味不明さ。
もうやだこのアニメ。
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第2章が「仙界大戦編」。
2大仙人界が激突。
強敵・聞仲との死闘が繰り広げられます。
裏で暗躍する王天君の謎が、今作もう1つのキーです。

最終章が「女媧編」。
全てを裏で操っていた歴史の道標との壮大な戦いの歴史。
そこに終止符が打たれる章です。
燃燈道人はこの章の主力(メインキャラクター)として活躍します。

アニメは第2章をメインにしつつ1章から始めていました。
第1章の大事なところを端折り、端折って良い最終章の伏線を張り、伏羲・元始天尊・燃燈道人の「始まりの会談」や原作最終回付近など最終章をつまみ食いしていた。
全く以て意味不明な構成だったことが少しは伝わってくれるでしょうか。

好きなキャラが動いて喋ってればOKという層には良かったのかもですが、それだけでは満足できない僕には最低最悪に映りました。

ヲタクに恋は難しい

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合わなかった

結局最後まで見ましたが、タイトル回収出来て無かったように思います。
最終回で回収したような纏め方でしたが、全然納得出来なかったんですよね。

彼氏彼女と恋人らしく過ごす事よりも自分のオタク趣味を優先しちゃうことをして、ヲタクに恋は難しいということなのでしょうけれど「だから…?」って感じ。
こういうことが原因で2人の仲が険悪になったり、喧嘩したり、別れそうになったり、実際に別れたりとかしたら分かりますよ。
でもそうじゃないじゃないですか。
何事もなく2人はカップルとして付き合い続けてます。

樺倉×小柳は喧嘩してるじゃないかって?
確かにオタク趣味が原因の喧嘩はしょっちゅうでしたね。
この喧嘩、僕には茶番にしか見えなかったんですよ…。
なんつうか、これがこのカップルの愛情表現の1つでしかないというか。


キャラクター自体にも思い入れが出来ませんでしたし、終始僕には合わない作品なんだなと感じました。
ただ1つ、成海の声だけは可愛すぎでした。

終わりに

ダークホース「こみっくがーるず」がまくり上げて、圧倒的な差をつけてゴールしました。
あばばばば