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「よつばと!」 第14巻感想 よつばと小春子

この記事は

「よつばと!」14巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

きったぞ、きたぞ、よつばちゃん。
きぃーん きんきん きんきんきーん。
てけてけ てってんてーん。

感想だよ。
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小春子登場

とーちゃん、妹いたのか!!
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初出?
ちょっと覚えてなかったので、余計にビックリしたぞい。

東京に住んでる妹・小春子に車を貰いに行くお話がメインになっていました。
ということで、小春子が非常に輝いてみえたのです。

名言来た!!

先ずは、彼女の名言を取り上げてみましょう。
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分かる!!
美味しいものを前にすると、全力全開よーそろーしちゃいますよね!!
毎食フルスロットル!!
胃袋は限られている。
美味しいものを詰め込むべきだ!!

お陰で10キロ太ったぞい。
うぅ、ダイエットしなきゃ_ノ乙(、ン、)_
サラダチキンフライもぐもぐ
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この台詞は、なにも彼女の食い意地の汚さを表している訳ではありません。
掬いとるべきなのはよつばとのランチにどれだけ本気で真剣に臨んでいたかです。

なによりも自分がマジになるべきだ。
僕が他人に何かを勧める時の基本的なスタンスです。

心の底から良いと思ったものしか勧めません。
それは食事に関しても同じです。

こう見えて(?)僕は、食にうるさい人間です。
かなり面倒くさい奴です。
一緒に旅行した友人から、食事に拘り過ぎて面倒くさいと指摘された事があります。
すげぇ嫌そうな顔されました。

いや、だって、折角の旅行なんですよ。
少しでも美味しいもの、美味しそうな店を選びたいじゃないですか!!
胃袋は限られてるんだから!!
少なくとも、自分が不味いと感じた店には連れて行きたくはありません。

人に勧めるからには、胸を張って美味しいだろと言える店じゃないと嫌です。
若しくは、十分なリサーチをして、美味しそうな店をチョイスする努力をします。

小春子は、今回のホテルのレストランバイキングに初めて訪れたと告白してます。
「自分が舌鼓を打った訳ではない」ことを明言しつつも、その前に「よつばの為に考え抜いた」とも言っています。
東京ならではの美味しいものをよつばに味あわせてあげたい。
それはもう真剣に考え抜いたのでしょう。

その本気さが熱さが、この台詞の裏には隠れているんです。

とーちゃん(お兄ちゃん)に対してクレープやわたあめを買い食いした件を咎めたのも、同じ想いからですね。
胃袋は限られているんです。
特に幼児は顕著だし、よつばくらいの年齢だと少しでも腹が膨れれば食事に興味を失う場合だってある。
「美味しいものでお腹を満たした満面の笑みを見たい」。
そういった願望が遠のいてしまう可能性があります。
そりゃ怒りますよね。

勿論小春子は、自分の気持ちだけを押し付ける子じゃないです。
よつばが満足ならそれで良いという、あくまでも「よつばファースト」な考えを持っています。
日頃食べ慣れてるであろうラーメンを否定しつつつも、よつばがラーメンを食べたいと言えば、「失敗した!!」と悔める。
だから、よつばが「クレープ美味しかった」と先に言ってれば、とーちゃんに苦言を呈さなかったでしょう。

彼女の言動すべてから「よつばを愛している」ことが分かるんです。
特にこの14巻は、その気持ちを際立たせる「事件」がありましたので余計にそう感じるんです。

善い人・悪い人

14巻の前半は、いつもの「よつばと!」でした。
どこまでも優しい世界。

個人的に前半のMVPはあさぎですね。
紐を頭に巻きつけて、垂れ下げるよつば。
とーちゃんは、一体何を表わしてるのか気付いてくれません。
僕も気付いてあげられてません。
あさぎは一目で看破します。
長い髪を垂れ流したプリンセスだと、よつばの思惑に気付くんです。

そこからの機転も僕には真似できないもの。
ゴミ袋を持ち出して何を作ってるのかと思えば、立派なドレス。
スカートがふわーっとしたお姫様ドレス。(プリンセスラインと呼ぶらしい)

よつばの望んだものを即座に与えられちゃう。
あさぎの母性が神がかってる。

あぁ、本当に素晴らしい世界です。
よつばを愛し、みなで育てる優しい世界。
時に厳しくするのも、それは彼女を心から想っているからです。

今回もとーちゃんが「教育的な厳しさ」を見せました。
よつばに「切符の使い方」を教えます。
1回「失敗」してへこたれても、甘やかさずに、最後までやらせます。
これも優しさの裏返しですね。

しかし、そんな優しい世界に異物が混じり込みました。
よつばが「偽物の切符」を間違えて改札機に投入して、まごついてしまった時です。
そう、お前だよ、舌打ちしたオッサン。
ガンまで飛ばしやがって。

心底むかつきました。

いますよね。
この程度でイラっとして舌打ちする余裕の無い心の狭い人間。
ああいう人間にはなりたくないものです。

この場合、無垢な幼児に対してしてるんですよ。
考えられません。
「よつばと!」で悪意しかない人間を初めて見ました。

そう。
この世界にも、こういった人間はいるんです。
誰しもがよつばに優しく接してくれる訳ではない。

だからこそ、よつばに優しく接する人間の「優しさ」が際立つんです。

「出来た」家族に恵まれている

よつばは、とーちゃんと血の繋がりが多分ありません。
であれば、小春子とだって「他人」だし、ばーちゃんとも「他人」。
「家族だから」という理由で優しくする理由は無いんです。
それでも、小春子もばーちゃんもよつばを愛しています。

若しかしたらば、とーちゃんがよつばを紹介した当初は、今と同じ態度を取れていなかったかもしれません。
かもですが、今は違いますよね。
間違いなくよつばを心から想っているんです。
なかなか出来る事ではありません。
「優しくない人間」が描かれた分、余計に人として「出来た人」だなと感心します。


小春子とすれば、ランチの件がまさに愛を表現してますよね。
前述の持論でも窺えるし、なによりも、別れ際の言葉に集約されてます。

「今、プリンセスな気分になれたか?」と。
ちゃんと、よつばが今なにを想っているのかを理解した上で、ランチを選んでたんです。

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この言葉を聞きたくて、頭を捻ったのでしょうね。
愛です。

本当に、よつばは家族に恵まれてます。
とーちゃんを筆頭に、綾瀬家もそうだし、ジャンボもそう。
ばーちゃんも小春子も。
おまけで、やんだを加えてやっても良い。

本気の愛を注いでいるから、よつばも皆に懐く。
優しい世界でとっても癒されます。

終わりに

前にも書きましたが、「よつばと!」って読者の年齢によって感じ方が変わってくる漫画の筆頭だと思うのですね。
おっさんになった今、こうして最新刊を読みましたが「よつばってこんなに可愛かったっけ?」と内心驚きました。

13巻から14巻の発売の間に、甥っ子が生まれたからかな。
心境がまた変わったのかもですね。
甥っ子、マジ天使ですもの。
大天使すぎて、会いたくて仕方ない毎日。

同じように、よつばも可愛く見えて仕方ありませんでした。
あぁ、子供欲しいかも。


その前に僕はダイエットですね!!
スリムにならなきゃ。
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とろけるクレープもぐもぐ