「ワンパンマン」の魅力を3つに厳選して挙げてみる
この記事は
「ワンパンマン」の記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。
はじめに
「ワンパンマン」を読みました。
いっきに既刊5巻を購入して、読み漁りました。
購入動機としては、5巻のカバーに描かれていたこの子↓ですね。
かわいい。
とても可愛いです。
村田先生の描く女の子は相変わらず可愛さ爆発ですね。
「アイシールド21」の頃から素晴らしい子達を描いて下さってます。
今回もこの子の活躍を読みたくて読みたくて買ってみたのですが、本編に一切出て来ないでやんの…。
ちっくしょーーーーーーー、モブだったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
モブなのにレベル高すぎいいいいいいいいいいいいいいいい。
でも、良いんです。
凄く満足してますので。
今回はこの漫画の個人的に良かった事を3つ書いていきます。
魅力1つ目
「キン肉マン」、「とっても!ラッキーマン」、「TIGER & BUNNY」、「γ-ガンマ-」。
オリジナルというと、アメコミの「ジャスティス・リーグ」や「アベンジャーズ」になるのかな?
デザインに共通性の見られない様々なヒーローが1つの作品内に共存し、悪と戦うと言った趣旨の物語は、古今東西多くあります。
「ワンパンマン」も同様の構造を取りつつも、テイスト的には既存作で言えば「ラッキーマン」に近いかもしれませんね。
ギャグ調で味付けされていて、しかし、きっちりと燃えるところは燃える展開を用意してくれていて、凄く読みやすく・面白い。
もうね、バトル漫画の常識を悉く覆している点が斬新と言えるのかもしれません。
それを可能としているのが主人公のサイタマ。
先ずは強さ。
これまでも多くの「最強系主人公」は出てきましたが、サイタマは頭1つや2つも図抜けていますね。
本当に最強。
この5巻までならば、彼の足元にも及ぶ者すら出て来てない。
強くなり過ぎた彼は、どんな戦いでもワンパン1発で敵を鎮められる程。
故に「パワーインフレなにそれ?」状態(笑
常に敵がサイタマ以下なので、インフレの起こりようもありません。
そんで性格。
ヒーロー活動は趣味と言い張っているのに、知名度が無いと落ち込んで見せたり。
ファンクラブ位あっても良いんじゃないのと嘆いてみせる。
かと思ったら、「テメエら(民衆)の評価の為にやってるんじゃない」と吐露。
正義感の強い彼の事。
自分達で何もせずに「ただ守られているだけ」の人間が嫌いなのかもですよね。
ただ怯えて隠れ、逃げているだけのくせに、守ってくれた相手(ヒーロー)に向かって「被害が出た」と勝手な文句を言う。
そういう人間が嫌いなのかもしれませんね。
「海人族編」にて、危険を犯し体を張ってヒーロー行為をする同胞の為に泥を被ったのも、同じ理屈から来ていそうです。
だから、あくまでも趣味で、自分がやりたいからやっていると言える。
ヒーローのランクにも興味が無い。
また、圧倒的な強さを身に付けたからこその悩みも持っていて。
別にそこ(ヒーローの悩みや葛藤)に焦点を当てる物語じゃないので、さらっとギャグとして処理されてますけれどもw
言うなれば、非常に人間臭いヒーローであります。
「オレが皆を守る」的な正義感は掲げておらず、悪を倒したいから倒しているだけっていうか。
バトル漫画の主人公…特にヒーロー像としては異色な存在です。
主人公がこんな感じだから、バトル描写と出てくるキャラに特徴が出ます。
この物語の軸は、いうまでもなく、ヒーローと悪のバトルです。
とはいっても、主人公の活躍を魅せるバトルではありません。
前述のようにサイタマが作中最強に位置づけられているから。
彼が出て来るとパンチ1発で終わるので、バトルの肝は「サイタマが戦い始めるまで」をどう描くかにあります。
様々なヒーローが敵と戦い、敵の魅力を最大限に引き出した上で、戦いを盛り上げる。
盛り上がった所で、サイタマが出て来て、止めを刺す。
圧倒的なまでの一撃で。
「海人族編」はこの流れで出来ていたから非常に盛り上がったー!!!!!!
最後のカタルシスが半端無かったですし、途中の物語も読んでいて最高に楽しかったです。
深海王の敵としての魅力も遺憾なく描かれていましたしね。
とまあ、一番良いトコをサイタマがかっさらっていくので、「漁夫の利」というのも強ち間違ってはいないんですよね。
最終的に敵に止めを刺す"だけ"という特殊な主人公像だから、バトルの過程を担う他のヒーローが大事になってきます。
(この"だけ"を出来るのがサイタマしかいないという意味で、主人公としての面目は十分保っています)
悪く言えば噛ませ犬の彼らは、だけれど、この漫画に於いてはある意味主人公なのかもしれません。
主人公が強すぎる故の「構造的欠陥」をギャグ風味と共に補っている要素ですね。
少し脱線して、お気に入りキャラについても書かせて頂きます。
無免ライダー。
マウンテンバイクとかにすれば今より多少早く現場に駆けつけられるだろうに、何故かママチャリ(ジャスティス号)に乗り続けているヒーロー。
彼は熱いヒーローですね。
自分がたいして強くない事を理解していて、目の前の敵に絶対に勝てない事も分かっている。
大衆から期待もされていない事も。
それでも敵に向かっていく。
ニート君が言ってました。
「命張るだけなら誰でも出来る」
「時間稼ぎなんて容易」
誰でも出来るなら、お前は何故しなかったんだと。
誰にでも出来る事じゃない事をやれるから、ヒーローなんです。
僕、こういうキャラ大好きなんですよね。
「タイバニ」の力を失った後の虎徹を彷彿とさせるキャラですよ。
過去にも書きましたけれど、力を持っているからヒーローになれる訳では無いんですよ。
力が無くても、敵わないと知っていても、誰かを守る為に身体を張れる人。
そういう人をヒーローと呼ぶんだと思っていて、無免ライダーはそういうヒーローですね。
彼の命懸けの「時間稼ぎ」は、サイタマの魂を揺さぶった。
屈指の名シーンを演出した「主人公」でしたね。
他にも敵わないと見るやシェルターに避難しちゃうヒーローとか普通に出て来て、いちいち人間臭い。
ボコボコにされたヒーローが得意気に「寿命を待つしかないですね」と開き直っていたシーンには吹き出しました。
「サラリーマンヒーロー」が活躍する作品ならではのヒーロー像と言えるのかもしれません。
パンチ一撃で決着する単純(良い意味で)かつ爽快感あるバトル。
人間臭いヒーロー達の生き様。
そういうのを求める層にはピッタリとフィットする作品かなと。
細かい設定で埋め尽くされた漫画に読み疲れた人には、こういうスカッとした漫画が心地よく感じれると思います。
これが魅力の1つ。
魅力2つ目
コミックスにする際連載版に加筆修正を加えるというのは、よくあるお話です。
「ワンパンマン」に於いても、1巻の村田先生のコメントでその点に触れられておりました。
web連載版から修正が加えられているみたいです。
でも、僕は最近この作品を読み始めた身。
切欠が「週刊少年ジャンプ」への出張読切でしたから、どこをどう修正しているのかは分かりませんでした。
公開されている回をまだ全部に目を通せてませんし。
ただ1点。
たまたま読んだ回で大きな違いに気づけました。
そこが本当に本当に凄くて、漫画でこんなに感動したのいつ以来だろうという位の衝撃を味わったのです。
web連載の利点を始めて思い知りました。
webコミック。
電子書籍を含めても良いのですが、これらデジタルコンテンツの利点と言えば、先ず挙げられるのがカラー化でしょうか。
白黒の原稿に、第三者機関が中心となってデジタル彩色して「オールカラー版」として公開しているものです。
「北斗の拳」、「DRAGON BALL」等一部作品では、書籍化しているものもありますが、まだまだデジタルコンテンツ中心のサービスと言えるのかもしれません。
これについてはちょっと書きたい事がありますので、後日別記事としてあげる予定です。
これ以外には、例えば「持ち運びが楽」とか「場所を取らない」とか有り体な利点しか思いつきませんでしたし、なにより漫画の内容に関しての利点なんて想像だにしてなかった。
けれど、そんな僕の小さく・狭い常識がぶっ壊れたんですよね。
御託は置いといて、紹介。
15撃目「趣味と仕事」。
音速のソニックがサイタマの周囲を高速で動き回っているシーンが、web連載版とコミックスでは全然違います。
コミックスでは、2コマで表現されていました。
大コマ2コマ(それぞれ1ページ全体を使った特大のコマ)で速さと迫力を表現。
充分にソニックの素早い動きを感じ取れました。
これがweb版になると、迫力が10倍増し。
20ページ相当を使っているのですよね。
しかもカット割りがマジで感動します。
デジタルコンテンツならではの操作性を遺憾なく発揮しているカット割り。
webコミックって、クリック一つで次のページへと進むではないですか。
まるで流れるように漫画を読み進められるので、やりようによっては、パラパラ漫画。
つまりはアニメーションのような「動く表現」を容易にしてくれます。
紙に描いたパラパラ漫画のように「パラパラ捲るのに失敗して、動きがイマイチ把握できない」なんてことも無い。
やっちゃいけないことと分かりつつ、ちょっと該当ページをgifアニメーションにしてみました。
ごめんなさい。
gifアニメーションにするとこんな感じ。
原画だけで構成されたアニメですよね、完全に。
これに動画を入れれば、立派なアニメーションとして成立するくらいのコマ割り。
ページ制限の無い(と思うけれど、実際は不明)web版ならではの贅沢な演出です。
これは紙媒体に印刷しても同様の迫力・感動を得られないかもしれません。
デジタル版ならではの演出に思えるんです。
是非是非大きな画面で堪能して欲しいので、15撃目を読んでみてください。
いつまで公開されているか分かりませんが、リンクを張っておきます。
となりのヤングジャンプ 「ワンパンマン」
こういうのを見てしまうと、コミックスだけ読んで満足してるようだと勿体ないと感じてきますね。
逆にコミックスならではの良さというのもきっとあると思います。
内容に関しては上述のように比較が出来ない為言及しようがないんですが、カバーに遊び心が入っています。
3巻が最も分かりやすいと思うんですが、
この巻の表紙カバー、
上に向けてずらしてみて下さい。
表紙のソニックがカバー下の絵とつながる仕様になっております!
と村田先生談。
至る所に村田先生の美麗なイラストが描かれていて、サービス精神に溢れた作りになってます。
コミックス派も、web連載版は見た方が良いと言えそうです。
まとめ
ONE先生オリジナルの「ワンパンマン」(リンク)を読む
村田先生リメイク版(「となりのヤングジャンプ」連載版)をコミックスとweb両方で楽しむ
これが、この作品の最高の楽しみ方なのかもしれませんね。
遅ればせながら、僕もこの漫画をとことん楽しんでいきます。