Mangaism

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「七つの大罪 天空の囚われ人」バトル漫画の映画はスケールちっちゃくなる問題に対する斬新なアプローチ

この記事は

「劇場版 七つの大罪」の感想です。
ネタバレあります。

マニアックな映画だった

ファンと一括りにしても、中を覗いてみれば、いくつかのグループに分けられる事に気づくはずです。
オタクとかマニアとか言われるほど精通し、好きを極めてるグループ。
漫画やアニメは見てるけれど、普通に好きだねってグループ。
「マガジン」で毎週読んでる程度だよってグループ。
更に細分化出来ますが、それは今は不要なので横に置いておくと、好きの度合いによって、いくつかの段階に分ける事が出来ます。

じゃあ、この映画は、どの層に希求しているのか?
いや、言葉の選択が間違ってますね。
作り手としては、多くの人に見てもらいたいに決まっているので、あくまでも、僕自身がどう感じたか…ですね。
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僕としては、この映画は、「七つの大罪」オタクに見て欲しい映画だと感じました。
物凄いマニアックな「秘密の設定」が話の中心にドカンと座っていたと感じたからです。

バトル漫画の映画はスケールちっちゃくなる問題に対する斬新なアプローチ

ギャグアニメかよ。
偽らざる心からのツッコミ。

いや、だって見て下さいよ。
このメインビジュアル。
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構図としては王道ですよね。
主人公側のメインキャラ達が中央に配置されて、彼らを包むように不穏な雰囲気を醸し出す敵キャラが大きく背後に描かれる。
表情は不敵。嗜虐的な笑みを浮かべている。

このキャラの配置、大きさの対比からは、敵であるベルリオンの強大さが窺えるんです。
大きな手で、主人公達はおろか、舞台である天空の島(天空宮)をも掌握しようとしている構図からは、ボスに相応しい貫禄が出ていますね。
まさに王道の構図。
スクリーン狭しと迫力の大決戦が行われる予感がヒシヒシと感じられます。

まぁ、とんでもない小物だったんですけれどね。

ベルリオンが弱すぎるのか、七つの大罪が強すぎるのか。
敵キャラの定番決め台詞である「遊びは終わりだ」を主人公に言われちゃう敵ボス。
遊ぶのを止めてちょっと本気を出したメリオダスに瞬殺されるベルリオンは、文字通り遊ばれていたようです。

ちょっと詳細を見てみましょう。


勢い込んで天翼人全滅を目論んで乗り込んできた<黒の六騎士>。
凶悪な魔神の集団を統率するベルリオンは<十戒>に次ぐ実力者だという。
その猛威を奮う…間もなくメリオダスに阻止されるベルリオン。
部下達も、七つの大罪の前に手も足も出ずに次々と敗れ去っていく。
ベルリオンもまた簡単に追いつめられるも、戦いに割って入ったモブキャラ(ゾリア)を倒して「どうだ、見たか」とドヤ顔を披露。
しかし、彼はモブキャラにバッサリと腕を斬られていた。
片腕を失い、あからさまに動揺を見せるベルリオンは、不意打ちでメリオダスを足止めすると背中を見せて逃走する。

当初の計画では、天翼人の魂を使って「単純なパワーでは<十戒>をも凌ぐ」と言われるほどの凶悪な魔神の封印を解くつもりだったベルリオン。
しかし、天翼人の魂を1つも集められなかった彼は、倒された仲間の魂を使って凶悪な魔神を蘇らせます。

強力な味方を得て哄笑を上げるベルリオン。
そこにメリオダスが戻ってきます。(その前にバンと戦いますが、割愛)
手を抜いたメリオダスに余裕であしらわれる全力のベルリオン。
簡単に斃されると、「犬死にしてたまるか」と自分の魂をも魔神に送ります。


見せ場無し(笑
そもそもが特典コミックスの段階から小物臭びんびん漂わせてましたからねw
<十戒>リーダーだった当時のメリオダスにちびってましたので、当然の帰結なのかもしれません。


なんちゅうか、非常に斬新だなと。
バトル漫画を映画にすると、どうしたってスケール感を出しづらいんですよね。
これは何度も何度もブログに書いてきましたけれど、コミックス相当で5巻とか10巻とか使って1つのシリーズが描かれる中、映画では100分そこら。
原作と比べればどうしてもスケール感が小さくなっちゃいます。
なかなか満足感を得づらいんですよね。

この問題を「敵をめっちゃ弱くする」という今まであったようでなかった(ような)斬新な手法で解決を図った今作。
敵のあまりの雑魚っぷりに大笑いしちゃいましたけれど、冷静になるとこれはこれでアリですね。
典型的な「俺TUEEEEもの」として成立してますし、この映画の「真の主人公」はソラーダ。
ソラーダが独り立ちするまでをメインとしているので、「脇役」のメリオダスら大罪が無双してても問題ないという。

見てる時はツッコんでみてましたが、振り返ると面白い演出。
バトル漫画を原作とした映画に共通する問題を解決するアプローチとしては、とても面白い試みだと思いました。

今明かされる、驚愕の新事実

さて、ベルリオンはあっさりと倒された。
では、彼が復活させた魔神はどうなったのか。

結論からいえば、こっちも主人公側になんの危機感を与える事も出来ずに、滅せられました(笑

確かにパワーは凄かった。
七つの大罪6人がかりでも足止めが精一杯。
ベルリオンの魂を飲んでパワーアップすると、それすら蹴散らして猛進撃します。

最早止める術は無いんだろうか?
今にも魔神の凶行が始まろうかと言った、その瞬間。
救世主が現れます。
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ホークママ

ホークママが口から放ったエネルギー波一発で栽培マンに自爆されたヤムチャのようになる魔神。
最早虫の息。
放っておいても死にそうです。

そこへ「今だ!!」とばかりに畳みかけるソラーダ。
魔神を封印する剣を振って、動きそうもない魔神の動きをさらに封じます。
そこへ「これで終わりだ!!」と勢い込んで、渾身の必殺技を放つ6人の七つの大罪。
メリオダスは6人の仲間の必殺技を集約するとフルカウンターで「七つの大罪合技」を叩きこみます。

イジメか。


取り敢えず、ホークママの無敵っぷりに笑っちゃいましたwww
もう全部ホークママ1匹に任せればいいんじゃないかなw


天翼人達が伝説に祭り上げていたオシロ様は実はホークママだった。
衝撃の事実が判明した映画でしたw

まとめ

ホークママの秘密は「七つの大罪」オタク必見ですね。
てか、普通のファンには「ふ~ん」で終わる秘密ですのでw

バトル漫画原作の映画のスケール感については、このジャンルの映画を多く見てるマニアならば、「これは新しい!!」と膝を打つ事でしょう。

2つの意味でマニアックな映画だと感じました。