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「りゅうおうのおしごと!」第11巻 感想 桂香さんの不穏なモノローグについての考察

この記事は

「りゅうおうのおしごと!」第11巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

僕としたことが、「メロンブックス横浜店」の店頭で実物を見るまで発売の事を失念しておりました。
あんなに楽しみにしてたのに。
速攻でKindle版をポチって、店では「俺妹あやせif」を買って、ラノベ三昧の1日でした。

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©白鳥士郎/しらび
ということで、先ずは「りゅうおうのおしごと!」第11巻の感想を書きます。

負けヒロインと思い込んでてすいませんした~

八一は口で否定してるだけのガチのロリ王だと信じていたのです。
だから、正ヒロインはあいで、対抗に天衣がいて、姉弟子・銀子は報われないヒロインで終わるものだと思い込んでおりました。
前巻の引きで、銀子を救うには、彼女の恋愛が報われるしかないんだろうと思ってはいても、そうなるようには到底考えられなかったんです。

それが、まさかね。
最高じゃないですか八一。
まさか実家に連れていくとは。
まさかまさか八一からプロポーズするとは。

邪な僕としては、八一が銀子を連れ出したあたりで、早く銀子の唇を封じてしまえとか思いながら読んでいたので、ガチでそういう展開になって歓喜しました。
最高かよ。
ガチ感動して、泣きそうになっちゃったよ。


もう、この告白までの流れがさ、銀子に報われて欲しいと願わずにはいられないものでしたから。
まさか銀子が余命宣告を受けてたとか想像すらしてなかったですもの。

八一と銀子の出会いをそれぞれの視点から克明にして、銀子の過酷な半生が綴られていましたが…。
こんなん読まされちゃ、銀子に幸せになって欲しいよ。

だからこそ、彼女の愛が実ったことに最高な気分になったのですけれど、桂香さんのモノローグが不穏すぎる。
2人に打ち明けねばならない残酷な現実って何?
恐ろしい考えって何???

ちょっと考えて。
そんで勝手に結論付けました。
多分桂香さんの杞憂に終わるんだろうな…と。

八一が内弟子に迎えられた真意

ヒゲおやじの夢の為ということで纏められていた八一が内弟子になった理由。
これは多分間違っている。

銀子が内弟子に迎えられた真意が、彼女に「折れない心」を植え付けるためであり、それが明石医師の真意であった。
当然ながら鋼介は、それを知った上で、その「医療方針」に賛同して内弟子として迎えたのでしょう。

あくまでも銀子の病気を完治させるための治療の一環としてであって、決して彼女の将棋の才能を認めたからではない。
この方針は決してぶれることなく、八一の内弟子の件にも絡んでいたのであれば?


年齢が近く、一般的には「女子は男子には敵わない」とされている将棋界。
八一に銀子を負かせ続けさせることで、銀子の「折れない心」を形成させるという目的があったのであれば…。

鋼介は決して八一の才能に惚れこんだわけでも無いし、彼を本来の意味で弟子とした訳でも無い。
あくまでも銀子の為に招いたのであれば。

そうであれば、鋼介が月光会長に八一を預けようとした真意も少しばかり意味が変わってきます。
内弟子として迎えて、鋼介は本当の意味で知ることとなったんじゃないかな。
八一の天性の素質に。
明石先生と恐らく鋼介も含めて、これが「誤算」なのでしょう。
思ってた以上に八一が強すぎた。
銀子と棋力に差がありすぎて、立ち向かう気さえ起きない程圧倒的なまでの差が2人の間にあったことが誤算だったんじゃないかな。


ただ単に銀子を負けさせてくれればいいと考えて取った弟子が、棋界の宝に成りうるほどの才能を持っていた。
1人の棋士として成長した姿を見たいという欲と銀子の為という本来の目的の間で葛藤した挙句、前者を選んで、月光会長に育ててもらおうと目論んだ。

会長がどこまで事の真相を知ってるかは不明ですけれど、あの会長の事だから、見えない目で本来見えない部分まで見通していても不思議じゃありません。
鋼介の過ちを諫める為に断ったのかもしれません。
分かりませんけれど。


この件以降、「正式に」弟子として八一を見ることとなって、それ故に、銀子に折れない心を持たせる為の「相手」が失われてしまった。
鋼介の計画は途絶えた…。
そんな矢先に「銀子を倒せる才能を持った幼女」が目の届く範囲に現れたのならば、鋼介はどうするでしょう。
考えるまでもなく、「銀子恢復計画」に組み込もうと目論むんじゃなかろうか。

それが、あいであって、だから鋼介は八一に内弟子にするよう命じた。


桂香は、「八一が内弟子になった本当の理由」を知っているのでしょう。
ヒゲおやじを問い詰めたのか、推測から確信を持ったのかは不明ですけれど。
知りつつ2人には黙っていて、言っても大丈夫なタイミング(それが彼女の中で、銀子が八一に追いついた時なのでしょう)で「懺悔」しようとしている。
そんな中、ヒゲおやじの新たな企てに気づいた…というのがことの真相なんじゃなかろうかと「推理」してみました。

いや、なんの物証も無いんですけれどね。
もしですよ、もしこんな感じなのだとしたら、桂香さんの考える「最悪」は杞憂に終わるんだと思うの。

折れない心

銀子ちゃん、折れない心持ちましたもの。
流石の桂香さんも、八一が彼氏になって、あの名人がテレビを通して銀子を激励するとは予想できなかったでしょうし。
ここは桂香さんの「誤算」に違いありません。
まぁ、八一が告ることは予想できてたかもですが、後者は無理でしょう。

それに、「棋士で無くなった人生」を考えられるようになったのは、大きなプラスです。
「棋士でいられない」=「死」
という極端な考え(八一曰く棋士には当たり前の考え方みたいですが)から解き放たれたのは大きいです。
八一母ちゃんのGJですね。
これもまた桂香さんの「誤算」ですね。

「誤算」というのは間違った語句の使い方で、正しくは「嬉しい誤算」。
桂香さんにとっては間違いなくプラスの意味での計算違いですからね。


銀子は大丈夫。
八一の彼女として、八一を支え、また、八一に支えられて、この先も頑張っていけるはずです。

今後の予想

最後に今後の予想を1つ。

あいと天衣は八一の下から離れるんじゃないかなと。
勿論師弟の関係も絶って、対立することになるんじゃないかな。

13巻あたりで「あれから数年後」になって、史上初の「女性プロ棋士」となったあいと天衣。
将棋界は男女の垣根が完全に無くなり、同じ土俵で同じタイトルを争うようになっていて。

史上3人目となる永世竜王となった八一。
あいと天衣は、そんな八一に挑むべく竜王戦を戦っていて…。


どこの打ち切り漫画だよ…。
流石にこんなべたな展開は無いか。

一先ず、銀子を選んだ八一の下にあいの両親から果たし状が届く展開は読みたいかな(笑