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「金田一37歳の事件簿」 第1巻感想 4代目ファントムがはっちゃけすぎてる理由

この記事は

「金田一37歳の事件簿」第1巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

青い鳥文庫で小説版が発売されているのはご存知ですか?
先週の金曜日に第2巻となる「金田一くんの冒険 どくろ坂の呪い」が発売されました。
ウキウキと発売日に購入し、今週火曜には感想記事をアップしようと目論んでいたのですが、まだ読み終わってません…。
今25ページです(汗

これはマズイ。
いつになったら読み終えられるのか…。

そんな訳で、内容こそまだまだ不明ですが、千家が出て来て僕歓喜(笑
ちゃんと小学校からの幼馴染として出て来た~~~。
完全に草太にポジション食われちゃったのかと思ってましたよ。

「37歳」でも千家出て来て欲しい所ですね。
そういうの、アリでしょ。
20年経ってる設定を活かして欲しい。
てな感じで、「金田一37歳の事件簿」1巻の感想です。
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真犯人はっちゃけすぎ

「イブニング」での連載は、パラパラとしか見てません。
読んでる訳では無いので、ちゃんと読んだのはコミックスで初となります。

「37歳」となって物語的に何が変わったのかと言えば、特に変わってないんですよね。
殺人事件が起きて、ハジメが巻き込まれて、事件の謎を解く。
この基本はこの先も変わらずに続いていくでしょう。

故に、新鮮味を求められると少し厳しいかもしれません。
ハジメや特に明智なんて外見殆ど変ってませんからね。
見た目もやってることも「少年」時代と一緒ですから。

これが第1期以来の復活というならば、また違うんでしょうけれど。
第1期の連載が終わって、「探偵学園Q」の連載を中断してまで「吸血鬼伝説殺人事件」で復活。
それからシリーズ連載で暫く続いた後に「20周年記念」、「R」と昨年まで続いてきた。
昔からの読者も今の若い子も「まだやるんだ」的な意見があるかもです。

それは仕方ないかな。
ただ、僕個人としては違う意見を持っていて。
「堂本版金田一」で作品を知ってから20年以上。
ずっと追い続けてきて、まだまだ読み続けていきたい程思い入れが強くて好きな作品だからというのはあるのでしょうけれど。
それを差し引いても面白い。

最大の理由は、ハジメが事件の謎を解きたくなくなっていたこと。
20年前に何があったのか?
高校生時代、未だ語られていない事件で、何かあった事を匂わせてます。
事件の謎を解いて、犯人を逆撫でして、よからぬ事件が起きたのかもしれません。
まりんに「探偵の助手になったら命がいくつあっても足りないかもよ」と警告してますし。
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何故こうも彼は変わってしまったのか。
これが凄い気になるのです。
小学生時代から謎解きに熱心だったハジメがどうしてこうも考えを変えてしまったのか。

そこには誰しもが共感できるほど大きな大きな痛みがあったのでしょう。
それが何なのか気になって仕方ありません。
当分この謎で話を引っ張るのかなと。


謎を引っ張るということは、ネタを小出しで見せるということでもあります。
少しずつ伏線を張って、然るのちに回収されると予想してます。
で、今回ですよ。
今回もその伏線が張られると思っています。

既にいくつかありますしね。
上のカットもそうでしょうし。

なによりも、4代目ファントムが怪しすぎる。
歴代の怪人たちと比べても、言動がはっちゃけすぎです。

何故こんなにはっちゃけているのか?
これが「歌島リゾート殺人事件」編に於ける最大の伏線の前触れなのでしょう。

真犯人がはっちゃけてる理由

4代目ファントムがやべぇヤツって感じる点はいくつかありました。
中でも、「あ、こいつやべぇヤツだ」と感じたのが、7話冒頭でのこと。
2人目の犠牲者である鈴木を運ぶファントムは、この姿を他者に見られた時の言い訳を考えています。

先ず「え?今考えてるの??」って点。
あまりにも行き当たりばったりというか。
急遽の犯行であり、突如閃いたトリックだったとしても、犯行の過程を見られた際の言い訳すら用意してない。
あまりにも軽率です。

ま、まぁ、歴代の怪人たちの中には、当初の計画外の犯行を行った者もいました。
が、人間そういう時こそミスを犯します。
大抵計画外の犯行時のミスを切欠にハジメに見抜かれて、芋づる式で正体まで割り出されてます。

「余計な事はしない」。
怪人が完全犯罪を達成する上で大事な要素です。

それなのに、それなのにですよ。
ただでさえ、迂闊なことをやってるのに、言い訳が面倒になったら目撃者を処分しちゃえとか考えちゃう。

論理展開がはっちゃけすぎてます。
今までにないタイプの怪人ですね。

振り返ってみれば初代ファントムも犯行が露見しそうになった際に、計画外の殺人を行っていて、それを切欠にハジメに論破されちゃいました。
なんか巻末の告知ページで顔出ししてるけれどw
こういうとこだよな~。
真犯人なんだから全身黒タイツを常に履いてなきゃ。
マジ迂闊。
迂闊な初代ファントムに限らず、目撃者を思わずやっちゃったパティーンはいくつもありました。

但し全員に共通してるのは、「思わず」とか「仕方なく」なんですよね。
咄嗟に行っていて、なにも目撃者だから即殺そうという考えは持ってなかった。

けれど、4代目は違いますね。
犯行を見られた事を想定して、見られたら殺そうと予め考えている。
今までにない程武闘派で残忍な性格です。


まぁ、残忍な怪人はこれまでもいましたけれど。
ハジメ自体を襲おうとしたり、実際に襲った怪人がそうですね。
多分一番有名なのが地獄の傀儡師。
ハジメを底なし沼に嵌めて殺そうとした。
影の脅迫者もそうですね。
(こいつについては「犯人たちの事件簿」2巻を参照くださいw)
何れも「謎を解かれない為」とか「全ての犯罪を行う為」に探偵を亡き者にしようとしたので、割と残忍な部類です。
残忍なんですが、彼らなりの動機なり美学なりがあったので、まだ分からんでも無かったのですが。
(無関係の人間を力づくで黙らせてでも復讐を完結させたかったからというのは、その動機が同情を引けば引くほど理解出来ちゃう部分もあるので。良し悪しは別にしてね。)
今のところ4代目については、そう言う描写が無いので、ただただ残忍に見えます。


この残忍な点が、今回の伏線に繋がるのではないでしょうか。

ハジメが謎を解きたくなくなった原因が、どうも「謎を解いた際」に起こった節が見られます。
一番有り得そうなのが、逆上した犯人に、ハジメの大切な人が傷つけられた可能性ですね。
大切な人というか、探偵の助手というか、美雪なんだけれど。
美雪の身に、ハジメが信念を曲げるほど後悔した悪意が降りかかった可能性が先ず挙げられます。

もしそうだった時の伏線として考えられるのが、当時と同じようなシチュエーションに陥ることです。
謎を解いてしまったことで、犯人が逆上して襲い掛かってくる。
「人を殺す事を厭わない」感じの4代目ファントムならば、そういうことをしてもおかしくないように思えます。

てなわけで今回、解決編でまりんが襲われる可能性があるのかなと。
美雪と同じポジションにいますからね。
伏線としては、彼女が最適な位置にいるのは確かです。

まりんが危うい状況にはなるかもと考えると、気が気じゃないですね。
殺されちゃうような展開にはならないで欲しいな。

終わりに

まりんの存在が、とってもワクワクさせてくれますね。
ハジメのことを知らないキャラが「ダメ金が実は凄かった!?」と驚く展開が好きだった身としては、久方ぶりにそういう驚いてくれるポジションにいる子なので。
既にハジメの事を探偵として見てますが、事件の謎を全て解き明かした後に、どういうリアクションを取ってくれるのか楽しみなんです。

「イブニング」連載の方では、解決編に入ってしまい、全くチラ見も出来なくなってしまいました。
(出来ないというか、真犯人の正体とかネタバレ食らいたくないので意識的に見てない)
なので、2巻発売までそのリアクションを見られないので、早く2巻出してください。
10月なんて待てないよ~~。