Mangaism

アニメ、漫画の感想や考察を書いてます

「海賊版サイト」批判で利用者のモラルに訴えるのは無意味だ。

この記事は

海賊版サイトについての私見。

コーヒーブレイク!!

今年に入ってから2日に1度の更新頻度で運営している当ブログ。
日曜に「ちはやふる‐結び‐」の感想を上げる予定で、すると2日更新の無い日が続くことになります。

「別に問題無い。寧ろ更新するな」と正論を主張する天使の僕。
「それはいけません。ちゃんと更新すべきです」と訴える悪魔の僕。
2人の僕が僕の頭の中でせめぎ合っています。

妥協案として「僕の好きな可愛いキャラ一覧」を書こうかと本気で思案しました。
が、多分やりはじめるとメッチャ時間がかかる。
最近僕の中の日本語が崩壊気味で、1つの記事書き上げるのに4時間とか5時間も掛かってるのに、同じ位掛かっちゃう懸念がある。
小休止を目指してるのに、それじゃ意味が無い。

という訳でやっと本題。
簡単に書けそうな海賊版サイトへの批判を書いてみようかなと。
下手こくとまた炎上案件になりそうなんだけれど、まぁ、大丈夫でしょう。
(よく炎上してた)1年前と比べてアクセス数もはてブ数も少なくなってるし。(もう炎上はいや。)
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(この画像はネットから拝借してます。)
先に僕の結論から書くと、「利用者を逮捕するような法律を作れ」ということですね。

良い記事あった

最近海賊版サイトの話題が多く、メディアも積極的に発信してますが、どれもこれもイマイチ感を拭えないものが多かったのです。
が、はじめて良い記事に巡り合えました。
kai-you.net
リンク先の記事を纏めつつ、持論を書いていきます。

漫画村は違法なのか

結論から言えば、「漫画村」が違法とされる可能性は低くない。


「漫画村」はそもそも日本の著作権法は適用されない(上、仮に日本の法律に照らしたとしてもその運営方法自体に違法性は見当たらない)と運営は主張している。


「海外にサーバーがあるからといって日本の著作権法が適用されないというわけではないんです。裁判例上、サービスが日本語で日本向けに提供されていたり、日本法人がサービスを提供していた事案で、日本の著作権法が適用されたケースが存在します。漫画村も、日本の著作権法が適用される可能性は十分あります」(永井幸輔氏)
海外にサーバーを置いていても、実質運営されているのが日本であると判断された場合、日本の法律で罪に問われることがある。


「漫画村が違法であればそもそも有料化する以前に違法」である。ただ、有料化した場合、前述の「準拠法」の観点からは、日本法が適用される可能性がより高くなることはありそうだ。
なぜなら、日本のユーザーから収益を得るのであれば、実質日本で運営されているサービスだと判断しやすくなるし、「悪質性が高い」との見方は避けられないと考えられるからだ。

違法であることは間違いない。
但し、記事で解説されていますが、運営者を逮捕するにはハードルが高く、警察が本腰を入れない限り難しいようです。
現時点では、やったもん勝ちな側面が大きいのかな。

本当に盗人猛々しいですよね。
漫画家・編集者が血涙を流して作った著作物を横取りし、広告収入を得ている。
そればかりか、有料化に踏み切っている。
怒りを通り越して、呆れます。

利用者は逮捕されないのか

有料化した漫画村で違法ダウンロードを行うユーザーがいたとしても、“現時点で”罪に問われることはない。ただし、今後についてはその限りではない。


違法と知りながらダウンロードすると著作権侵害になるのは、日本では録音と録画、つまり音楽と映像のみに限られている。
そのため、「漫画村」有料版において、ユーザーが漫画をダウンロードしても現時点では罪に問われることはない。

残念ながらされません。
だから、法律を変えないとならない。
けれど、それは現実的では無さそうです。

今、多くの漫画家がSNSで声を上げていますが、その論法は法律に頼っていません。
誰しも法に頼る無意味さを理解しているのでしょう。

このまま漫画村のような海賊版サイトが横行すれば、出版業界が大打撃を受けます。
現在も間違いなくダメージはある筈です。

全国出版協会によると、2017年の紙のコミックス単行本は前年度比約13%減と大幅な減少。
電子コミックは前年度比約17.2%増だが、伸び率は縮小傾向にあると発表されている

が、それが本当に海賊版サイトの影響なのか判別するのは容易では無いようです。

「僕自身、『漫画村』は許せないと思っている。ただ、売り上げへの影響を議論するのは非常に難しい。音楽の場合も、音楽市場全体の売り上げの低迷に違法ダウンロードがどう影響したか、直接的な因果関係は最後までわからないままでした。単曲売りが一般的になった結果、市場が下がった可能性も否定はしきれません」(坂井氏)

数字的な根拠を示すのは難しい。

故に、利用者のモラルに訴えかけている。
感情に呼びかけています。

海賊版サイトの影響で売上が減る⇒漫画家の収入が減る⇒創作するモチベが減り、生活すらままならなくなる⇒筆を折る

好きな漫画が読めなくなりますよというごく当たり前のことを声高に叫んでいる。


でも、これは意味が無いと僕は思う。
そもそも海賊版サイトを利用する人間は、漫画家がどうなろうと知ったこっちゃないと考えてる節があるからだ。

海賊版サイトもそう。
無くなったら無くなったでいい。
漫画村が無くなれば、別の海賊版サイトだってある。
それすらなくなったら、どうせ暇つぶしの1つ。
他の遊びを探せばいい。

それくらいの考えなのでしょう。

罪の意識なんてこれっぽっちも持ち合わせちゃいないし、自分達の暇が潰せれば他人なんてどうだっていい。
そういう人間が多いと僕は思う。
少なくともSNS上で漫画村擁護に回っているユーザーには、こういった考えが透けて見える。

ここまではいかなくとも、記事内に書かれてるような人は多いでしょう。

例えば自由に使えるお金の少ない未成年に対して、業界の存在が危ぶまれている点をもってモラルに訴えかけても、どれほどの効果があるのだろうか。


誰にも咎められることなくいつでもどこでもアクセスできる無限の図書館が広がっていたとして、例えそれが作者や出版社の血涙の上に成り立っていたとしても、利用してしまう人は決して少なくないだろう。

モラルに訴えるのは無意味です。

海賊版以上の公式なサービスを

同時に永井弁護士は、もう一つの解を提唱している。
「アメリカの法学者であるローレンス・レッシグは、規制手段として『法』『規範』『アーキテクチャ』『市場』を挙げています。『法』『モラル』『テクノロジー』が前三者に該当するとすれば、もう一つ「市場」による解があり得る。例えば、お金を出して正規版を使いたいと思わせる利便性の高いサービスを生み出すのが、もう一つの手段です」(永井弁護士)


「作家や複数の出版社が協力して、海賊版を置き去りにできるようなサービスが生まれることを願ってやみません」(永井弁護士)

最初から最後まで無料で読める海賊版サイトを置き去りにするようなサービスってなんですかねぇ?
非常に現実味に欠ける提言です。
どの記事も最終的にはこういった漫画家や出版社に丸投げ的なことを書いて締め括るのはどうかと思う。

解決策的アイディアも見かけたことがあります。
例えば、広告を出すとか。
雑誌のように、コミックスにも広告を載せれば良いんじゃないかというアイディア。
やはり現実味に欠けると思うのです。

広告費を出すだけの価値がある作品ならば、若しかしたら、スポンサーがつくかもしれない。
「ONE PIECE」とか「進撃の巨人」とか初版で100万オーバーしてる作品には群がるかもですね。

けれど、実売数千とか数万部の作品に広告を出してくれるような企業があるでしょうか?
無いでしょ。
で、元を辿れば、どんな作品も「1巻目は数万部からの出発」なんです。
「DEATH NOTE」とか1巻からとんでもない発行部数を誇る作品もありますが、それは稀。
殆どの作品が1巻を出せなくなる。

例えこの問題をクリアしても、作品数という問題があります。
年々増え続ける作品数。
数万とも言われる膨大な数のタイトル、それぞれに広告主が付く…。
考えられないなぁ。

出版点数が減り、コミックス化できる作品も限られる。
先細りしかしない暗黒な未来しか視えません。

「海賊版を置き去りにできるようなサービス」は、夢のまた夢だと思うの。

結局は法に頼るしかない

どんなに難しかろうと、国に動いてもらわないと始まらないのかなと。
法律を改正し、「利用者を逮捕出来る」ようにならないとダメでしょう。

海賊版サイトの運営者を逮捕するのは当然として。
でも、これはイタチゴッコ。
簡単に模倣できるシステム故に、海賊版が無くなる事は恐らく無い。

ならば、利用者を無くさなきゃ。

モラルに訴えるような人を信じるやり方は無意味。
逮捕・罰金という厳罰を以て、根絶やしにする方向性に傾かないとこの問題はいつまでも続く気がします。

流石に逮捕される可能性があり、現実に逮捕者が出れば、サイトの利用を控える人も減るでしょう。
ゼロにするのは難しいかもだけれど、今より減らす事は高い確率で出来ると思う。
そうすれば、サイト管理者の広告収入だって減るので、海賊版サイト自体を減らせる…かもしれない。
流石にそこまで見込むのは甘々かもですけれど、抑止力にはなるんじゃないかな。

無理だろうが何だろうが法整備を進めないと終わらない根深い問題ですよね。

終わりに

はい。
5000文字超えました(笑
半分以上はコピペなので、1時間程度で書き終われましたけれど。

うん。
コーヒーブレイクとしては丁度良かったかもです。

言いたい事言えたので満足ですしね。


最後に捕捉。
こういう意見も。
www.huffingtonpost.jp
現役の漫画家さんの1意見なので、納得出来る部分もあるのですが…。
ううううむ。

マンガのビニールを外して、コミックス売り場に人を戻してほしいです。
あと、出版点数も減らして、きちんとセレクトしてほしい。

ここに特に同意できかねるかな。

新刊書店でシュリンクを外したら、立ち読み客が増えるだけです。
彼らは基本的に買いません。
ブックオフを見てれば分かると思うのだけれど…。

過去、僕の近所でも一時期シュリンクを取っていた書店がありましたが、すぐに元に戻してました。
売上的にプラスにはならなかったのでしょう。

出版点数を減らせというのも、漫画家さんの発言としてはダメでしょう。
漫画家はコミックスの売上で生計を立てている人が殆どです。
雑誌連載だけでは食っていけないのが現状。
コミックスを減らせば、漫画家だって減る。
それで良いって考えなのかもですが、漫画好きとしては歓迎できない考え。
「セレクトする」って簡単に言っても基準が不明ですしね。
(現時点でも連載会議という「セレクト」は行われてる訳ですし)

言いたかないけど、自身が「出版社に依存しないスタイルの漫画家」だから言える発言なのかなと。
誰しもが「著作権を自分で管理し、ネット上で発表する」スタイルを取れる訳じゃない。

本が売れなくなった原因を海賊版サイトに全てなすりつけるのは、確かに違うかもしれません。
その辺の原因の解析と解決へのアプローチは、出版社が取り組まなければならない課題とは僕も思う。
けれど、海賊版サイトが本が売れない原因の1つであることは間違いない。
「本が売れない問題」の中に「海賊版サイトの問題」は包括されていて、出版社がその問題の一端に切り込むのは悪手でも何でも無いと感じます。


僕自身自分の考えが正しいなんてこれっぽっちも思ってないし、出版業界のことだって知らない。
法律に詳しい訳でも無い。
ただの1人の漫画好きとしては、海賊版サイトの問題は看過できないし、言っちゃえば潰して欲しいとすら考えている。

でも、潰すだけでは無意味なので、利用者をドンドン逮捕出来るようにしてもらいたいですね。
件の漫画村は有料化するんでしょ?
クレジット情報から個人を特定するなんて容易なんでしょうから、有料会員を全員捕まえてくれないかな。
捜査的にも、利用してる証拠だってあるんだから、「ただアクセスしてる人間を探して逮捕する」よりかは遥かに楽でしょうし。

ホント、早く法整備をして欲しいです。