「きららファンタジア」が「メンテ地獄」らしいけれど、元プログラマから一言言わせてほしい。
この記事は
「きららファンタジア」についての記事を読んだ。
ので、その感想などを。
はじめに
「まんがタイムきらら」の人気漫画のキャラクター達が一堂に会するという夢のようなゲーム「きららファンタジア」。
その夢が開始早々つまづいているらしいというニュースを拝見しました。
同作は11日7時ごろにサービスが開始されましたが、間もなく「メンテナンス中」の表示で遊べない状態に。
公式サイトでは「配信を楽しみにされていた皆様にご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」という謝罪文と共に、復旧までのスケジュールと、補てん内容の詳細についての情報が掲載されています。
掲載内容によると、「サーバ負荷問題箇所修正対応」「サーバ増設」「サーバ負荷検証」「アプリ動作正常確認テスト」の対応を経て、サービス開始の可否を判断。
判断結果は公式Twitter(@kirarafantasia)で発表される予定です。
サービス開始直後から、サーバーの過負荷によってゲームが出来ずに、以来この記事を書いている13日午後11時現在までメンテが続いているらしいです。
これに対して批判が相次いでいる…らしいのですが、ちょっと待って欲しい。
「若しかして」を考えて欲しいと、元プログラマの端くれだった者としては叫ばずにはいられないのです。
プログラムは魔法じゃない
当たり前のことを言います。
この世に魔法なんて無いんだよ。
当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、プログラマとかSEの世界にいると、魔法使いの存在を疑わずにはいられない事象に多く突き当たることがあります。
顧客のオッサンが言うんですよ。
「ここ、こういう風に直して欲しいんだけど」
「こういった機能欲しいんだよね」
「予算はこのままで。あ、納期も一緒ね」
いけしゃあしゃあと「お客様は神様です」を地で行くかのように言い放つお客様。
まるで魔法でささっと出来るんでしょうと言うかの如く、簡単にこのような言葉を吐くんです。
ふざけるなと。
その「魔法のような機能」を実現する裏では、何十、何百という人間が、夜も帰れずに、多くは「タダ働き」の上でどうにかこうにか成り立たせているんです。
デスマーチという言葉を聞いたことがある人も、最近は少なくないんじゃないでしょうか。
「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」という作品もありますし、同作は2018年1月からアニメもスタートしますので、より多くの人の耳に入る単語になりそうです。
デスマーチとは (デスマーチとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
デスマーチとは、ソフトウェア開発のプロジェクトにおける一つの形態である。
デスマ等と略されて呼ばれることもある。
元来は、戦時における、健康を省みない捕虜を連れての「死の行軍」を指す言葉であったが、ソフトウェア開発における過酷な状況下をこれに例えて、デスマーチと呼称するようになった。
僕の会社ではファイヤージョブなんて言い方もされていました。
リアルを曝け出すようであまり気が進みませんが、僕は、かつて「ソフトウエア興業」という会社に籍を置いていました。
wikipediaから、会社沿革をありのままに転記しましょう。
2011年6月24日 関連会社「ソフトウエア興業設備」(2016年12月に法人格消滅)を介し、取引先の建設会社に社員寮建設費を水増しして発注するなどの手口で約3億7900万円の所得を隠し、約1億1300万円を脱税したとして、丸山三郎社長、原子誠一取締役、鈴木一夫元常務など4人が逮捕され、東京都千代田区の本社などが東京地検特捜部の捜索をうけた。
2012年3月13日 法人税法違反罪に問われた丸山三郎元社長に懲役2年、執行猶予3年、罰金3千万円(求刑懲役2年、罰金3500万円)の判決が下った。
最終的に、平成21年3月期までの3年間に計約2億3500万円を脱税したとされている
簡単に言いますと、社長以下経営陣が脱税で逮捕されて倒産しました(笑
業界では、知らぬ人はいないと言われていたほどの古株の大会社でしてね。
ネット上では「IT会社ブラック四天王」の名をほしいままにしていたほどですwww
参考:ITブラック四天王の一角,ソフトウエア興業が倒産 - カレーなる辛口Javaな転職日記
富士ソフトABC「ソフトウエア興業がやられてしまったか…」
トランスコスモス「ククク……奴は我ら四天王の中でも一番の小物」
東京コンピュータサービス「倒産するなどITブラック四天王の面汚しめが」
TAQ「これからは奴に変わって、この私、TAQを加えた我ら新・暗黒四天王が裏IT業界を支配する時代が来るのだ。フワーハッハッハッ!」
※TAQとは、ソフトウエア興業が社長を変えて名前を変えただけの会社。当然潰れたw
ここで腹抱えて笑ったwww
いや~、酷い会社だった。
同期の半分は、3か月以内にクビ切られるわ。
ボーナス出ないわ、給料遅配するわ。
揚句に、社員全員呼び出されたと思ったら、「ボーナスの代わりに5万円ほどの手当やるから有り難く想え」的な上から目線(まぁ、上からなのは当然と言えば当然なのですが)な集会を開く始末。
そんな裏で、社長は女遊びに、脱税とやりたい放題。
くそじじいが。
おおっと。
つい熱が入ってしまいました。
閑話休題。
何が言いたいかと言いますと、プログラムが正常に動いてる裏では、多くの人が必至こいて頑張っているんだぞということですね。
簡単じゃないんですよ。
プログラムを修正するのは。
ゲームと僕らの世界では、畑が異なるので、当然僕が知ってる常識が通用するとは思っていません。
けれど、親戚みたいな世界。
大変さは、同じでしょう。
顧客の言う納期に間に合わせるように必死になって働いていることでしょう。
そりゃ、確かにβテストまでの段階でクリア出来てるのが理想でしょうし、ユーザーとしては、そこに多いな不満があるのでしょう。
遊べるとワクワクしていた気持ちに水を差された気持ちは、僕にだって理解出来ます。
けれど、それで脊髄反射で批判する前にちょっと思い出して欲しい。
僕らが楽しんでいるゲームの裏では、多くのプログラマさん達の汗と努力と血の滲むような頑張りがあることを。
どの世界だって、そうした偉い人たちに支えられている。
そんな当たり前のことを思い出して欲しいと思います。
終わりに
僕はポケGO以外にゲームをするつもりはないので、「きららファンタジア」もやらないと思います。
けれど、企画としては、夢のような企画ですよね。
僕の世代だと「ファミコンジャンプ」を想起させるような夢に溢れた企画。
是非「けいおん!」とか「ごちうさ」とかも参戦して欲しいな。