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「劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ」 感想

この記事は

「劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

ここのところ、毎週のように映画館に足を運んでいる気が致します。
今回は「シュタゲ」を鑑賞してきましたので感想を。

完結作品の映画に覚える蛇足感

映画には大雑把に大別すると2種類あると思っています。
TV放送された作品の映画化とそれ以外です。
前者はアニメで言えば、この「シュタゲ」もそうですし、挙げればキリが無い程。
後者は、去年の「おおかみこどもの雨と雪」やジブリ作品などですね。
今公開中の作品では「AURA」もそうでしょうか。
近年は圧倒的に前者の比率が多く、後者は少ない傾向になっているようです。

更に前者・TV放送された作品の映画化もまた、2つに分けることが可能なのかと。
未完結作品の映画化と完結作品の映画化ですね。

前者は「名探偵コナン」、「ドラえもん」、「クレヨンしんちゃん」等々。
今公開されているシリーズものは大抵こちら。

後者は「DRAGON BALL Z」、「花咲くいろは」、そして今作。
特に深夜アニメの映画化が目覚ましい昨今、こちらの比率も高まってきている気が致します。

で、完結した作品の映画化で、誰しもが懸念を抱くのは「何をやるの?」だと思います。
総集編では無く、完全新作(の続編)と銘打たれた場合はこういう思いを抱くのは普通なのではないかなと。
TVシリーズで綺麗に完結していればしている程、思いは強まりますよね。
蛇足感に対する不安と少しの疑念。

正直言いまして僕はこの「シュタゲ」には、そういう思いを強く、強く抱いていました。
TVシリーズがあまりにも綺麗に終わったと感じていたからです。
絶望的な状況を逆転してのハッピーエンド。
その後の2人の明るい未来を予感させるような、心地良い余韻を残しての幕引きに、だからこそ、この続きなんて何をするの?と思ったのですね。
また、暗く絶望的な展開を幸せを迎えた彼らに与えちゃうの?と。

僕の個人的な結論を述べます。
蛇足感は、ある事はありました。
この映画のお話は、特に無くても問題ないと思えたからです。
(但し、レンタルDVD未収録の未放送話を見ていないから、こういう事を言えるのかもです。見ていたら変わる…のかもしれない。)

ですが。
TVシリーズで唯一救われていなかった岡部が救われた事を踏まえると、「素晴らしい真の完結編」と声を大にして言いたくもなるのです。

岡部が救われて究極のハッピーエンドは達成される

TVシリーズで岡部の想いは達成されたわけです。
大切な幼馴染の女の子を救い出し、最愛の女性を守り通した。
誰も死なない世界線に辿り着き、「何も知らない」紅莉栖と"再会"して、新しい始まりを告げるところで幕が引かれたから。

でも、確かに彼の活躍・想いは、岡部だけしか知り得なかったんですよね。
少年岡部が言うように悲しいお話だし、その点に気が付かなかった自分はまだまだダメだな…と。

今回の映画は、岡部まで含めて真の幸せを得て、物語は真のハッピーエンドを迎えるという事が描かれていたのですね。
そんな物語を岡部が愛する紅莉栖の視線で描いている事が心憎い。
紅莉栖視点だから余計に、岡部が救われて欲しいと思ってしまう。

なにより岡部がこれまたいい奴なんですよ。
自己犠牲が必ずしも素晴らしいとは僕は思わないのですが、それでも人としては素晴らしいと感じてしまう。
こういう岡部自身の良さも相まって、彼が救われる物語を強く強く希望してしまう。

だからかな。
存在自体が無くなり、皆の記憶から消え去った岡部が、ラボメンの中で蘇った時の感動は、度し難いものがありました。
「ただ単に思い出しただけ」なんていうとあれですが、これが本当に感動的。

「科学者として絶対に出来ない・やってはならない」という紅莉栖の心の中の最後の葛藤を粉々にぶっ壊すだけのエネルギーが秘められていて。
意を決し、過去に旅立つ紅莉栖の姿が素晴らしく格好良くも見える。

岡部を救う手段がキスというのも、これまでの物語を踏まえれば納得出来てしまう。
変に大立ち回りされるより、ずっとずっと良い解決策に思える。

ラストシーン。
終わり方は、どこかTVシリーズ最終回ラストシーンを彷彿とさせるものでした。
ただTVの時と違うのは、2人の距離が縮まった事ですね。
過去描かれてきたどの世界線の2人よりも、ずっと強い絆で結ばれたと思える程、映画のラストでの2人はラブラブになった。
そう思うんです。

終わりに

TVシリーズは、繰り返しますが「その後の2人の明るい未来を予感させる」描き方で終わりました。
先程は「だから、続きはやれないのでは?」と続けましたが、見方を変えれば「続きがいくらでも作れる」終わり方でもあった訳です。
そんな「続き」を描いた映画。
「どんな想像よりも明るい未来」を描き切ってくれたなと感じます。

あくまでも想像の余地を残して終わって欲しかったと考えれば、この映画は「究極の蛇足」でしょうし、そうじゃなければ「究極の完結編」なのかなと。

多少の蛇足感を覚えたものの、それを吹っ飛ばすほどの感動が確かにあった作品。
この映画、面白かったです。