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「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」感想 それは穂積さんの淡い恋の物語

この記事は

「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」の感想です。
ネタバレあります。

無名に恋する

恥ずかしながら美樹本晴彦さんを初めて知ったのは、「月刊マガジンZ」(講談社刊)で連載されていた「BABY BIRTH」という漫画でした。
可愛い女の子を描かれる作家さんだなというのが第一印象。
そこで名前を記憶して、後に「マクロス」シリーズでキャラデザをされていたということを知るという、普通の人とは異なる出会い方をしました。

それから10年ちょいと。
「お。このアニメの女の子圧倒的な可愛いさだな。苦手そうなジャンルだけれど見てみようかな。」
はい、それが「甲鉄城のカバネリ」でした。

美樹本さんをほぼ知らない僕ですら、氏のタッチの再現度の高さに驚かされました。
(調べてみると、美樹本さんの絵は、線が多いのでアニメでの再現は難しいようですね)

とにかく無名が可愛いよね。
千本木彩花さんの圧倒的な声の可愛さと相乗効果で、凄く可愛かった。
TVアニメ自体も思いのほか爽やかなラストを迎え、気持ちよく終わりました。

あれから3年。
完全新作中編アニメーションとして、帰ってきました。
早速劇場に足を運びましたので感想です。
無名が…いや、言い直しましょう。
穂積ちゃんが好きなら必見です。

作画が見どころ!!

美樹本さんの絵の再現度は、TVシリーズを凌駕していたと思いました。
そこは特別上映とはいえ、劇場版。
作画の気合の入り方が半端なかったです。

そんな極上の作画での見どころは、やはりアクション作画になるんでしょう。
冒頭から圧巻されます。
無名が最前線へ雑魚カバネを屠りながら、アクロバティックに飛翔するシーンは、流れるような無駄のない殺陣の動きの見事さもさることながら、それをアニメーションで再現する作画力にはため息がもれます。
ここまで凄いと美しいですね。
計算されつくされた動きは、一種の芸術です。
華麗なダンスを見てるような気分にさせられました。

こういったアクションシーンの流麗さは、冒頭から最終盤のクライマックスに於けるまでしっかりと魅せてくれます。
エンディングでのよさこいに至るまでしっかりと楽しめます。


間違いなく作画だけで元を取れる映画。
それは間違いないのですが、僕がさらに釘づけにされたのが無名こと穂積の可愛さです。

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©カバネリ製作委員会
TVシリーズ序盤の鋭さは鳴りを潜め、冒頭の戦闘シーンから既に頬を染めて、女の子然とした顔をしている。
カバネ相手に一瞬のスキを突かれ、窮地に陥った際に生駒に助けられると恋する乙女モードに移行。
夜になれば、鰍(かじか)に教わって、生駒にプレゼントするために手編みのグローブ(?)を編んだりとここまでデレデレになるとは誰が予想できたか。

終始一貫して彼女の行動は、生駒の為でした。
健気だし一途。
一段とすばしっこい中ボス的なカバネに潰されそうになったところを生駒に助けられた際は、惚れ直したことでしょう。
ラストでは、可愛い嘘で生駒を騙して、まんまと彼の唇を奪って、ゆでだこの様に真っ赤になる。

悲しんで、喜んで、見惚れて、頬を染めて。
ころころと変わる乙女の穂積は、可愛いの一言。
大スクリーンで是非是非堪能して欲しいところですね。

シリーズ1つの区切りへ!!

なんだかんだとTVシリーズでは、俺たちの戦いはこれからだ風に終わりましたよね。
美馬との決戦に勝利し、当面の最大の敵(こう書くと語弊がありますが…)を討ったのは確かですけれど、まだまだカバネが蔓延り、生駒の目的である「穂積を人間に戻し、稲作をする」は果たせずに終わってしまいました。
今回、改めて生駒と穂積は目的を共有し、カバネに支配された要所の1つである海門での決戦が描かれたわけです。

で、エンディングでは先にも書いたようによさこいを踊る穂積達が描かれています。
何故よさこいを踊っているのか?

よさこい節では、鳴子と呼ばれる鳥威し(とりおどし)の一種を使っています。
鳥威しとは、田畑の穀物を野鳥の食害から守るため、鳥を追い払うために田畑に設置して用いられるものの総称です。
稲穂のカットが差し込まれていたことからも想像できるようにはなってましたが、つまりは、そういうことなのでしょう。

彼らは目的地に辿り着き、カバネを一掃。
稲作を始めるまでになったのでしょうね。
生駒と穂積が人間に戻れたのかは定かではありませんが、ひとまずの目的は叶えたことが窺えます。

TVシリーズよりかはしっかりと結末を描かれた感があって、その点においてもとっても良かったです。

終わりに

うっすい感想になりましたが、以上です。
満足感はかなり高かったですね。
AmazonPrimeなどで配信されているらしいですが、是非劇場の大スクリーンで堪能して欲しい作品です。