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「鬼滅の刃」考察 最終選別と蟲毒

この記事は

「鬼滅の刃」の考察です。
ネタバレあります。

はじめに

アニメ「鬼滅の刃」が絶好調ですね。
序盤の5話までが終わり、いよいよ炭治郎の戦いが本格的に始まろうとしています。

ただその前に疑問がありました。
連載当時はまだそこまで熱中して読んでなかったために何とも思ってなかったんですが、改めてアニメで振り返ってみて「おや?」と首をかしげたくなる部分がありました。
最終選別、厳しすぎませんか?

20人余りいて、生き残ったのはわずかに5名。
(5人目はそのうち出てきます。)

人、死にすぎでは…。

もしかしたらコミックスの方で言及されているかもしれません。
その場合はごめんなさいですが…。
ちょっと疑問だったので、個人的に考えてみました。

厳しすぎる選別の実態

鬼殺隊入隊の為の最終選別。
そのルールはいたってシンプルでした。

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©吾峠呼世晴
鬼殺の剣士が生け捕った鬼が棲まう藤襲山(ふじかさねやま)で7日間生き抜くこと。
これだけです。

が、しかし、これは非常に厳しいものでした。
炭治郎の代では、20人程度のうち生き残ったのは5人だけ。
たったの5人です。
生存率25%程度ですよね。
あまりにも低いと思いませんか?

しかもこれ、多い方らしいです。

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©吾峠呼世晴
お館様曰く「5人生き残ったのかい 優秀だね」とのこと。
通常の生存率は20%を下回っているのかもしれません。

試験で命がけというのは、いくらなんでも厳しすぎると感じました。

試験挑戦者だって一般人に違いない

最終選別に残ったのは、剣士の卵たちです。
手鬼から炭治郎に助けられたにも関わらず、炭治郎を見捨てて1人で逃げた青年も、醜態を晒していたもののきちんと育手に認められた実力者なんですよね。
彼らなりにしっかりと鍛錬を積んで、鬼を倒すために集まったのは間違いありません。

とはいえ、まだ一般人には違いないんです。
勿論市井の人々と比べれば、鬼殺隊隊員側に近い立ち位置にいるのでしょうけれど、試験程度で死んでいいはずはないんですよ。
まだまだ鬼の魔手から守られて然るべき存在だと考えます。

つまりは、「試験中に鬼に殺される可能性があること」自体がおかしいと思うのです。

最終選別に使われている鬼は、たいして強くないことは明言されていました。

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©吾峠呼世晴
人を喰った分だけ強くなる鬼の中で「2,3人程度」では、まだまだ弱いほうに違いありません。
しっかりと実力さえ出しきれれば、7日間乗り切れるだけの力は持ち合わせていて当然なのかもしれません。
その為の育手というシステムなのでしょうし。

それでも現実的には、殆どの参加者が死んでしまっているんです。
中には鬼から命からがら逃げおおせて、途中で下山した者もいるかもしれません。
しかし、言及がない以上は、「全滅」と見なしても間違いとは言い切れません。

鬼に殺される前にリタイア出来る仕組みがなぜ無いのか?
一般人をふるいにかける掛ける試験にしては、配慮が足りてない気がしてなりません。

更に言えば、手鬼の存在も気になります。
手鬼は、この山の中で剣士の卵を50人は殺したと自慢気に語っていました。
尋常じゃない数ですよね。

そんな存在を鬼殺隊は見逃していたのでしょうか。
これに関しても考えにくいですよね。
いくらなんでも気づけるのではないでしょうか。

気づいたうえで放置していたのか?
試験の難易度を跳ね上げる存在を野放しにしていた理由は?

次々と湧き出てくる疑問ですが、それら全てに納得がいく答えを1つだけ思いつきました。
蟲毒です。

蟲毒とは

蟲毒とは、大昔の中国で使われていた呪法で、壺の中に多種の虫を入れて、最後まで生き残った虫を毒として暗殺に用いる…って感じです。
現在のフィクションでは、生き残った最後の1匹を最強と定義するみたいな用途が多いでしょうか。
最終選別も同じなのかなと。
以下、僕の考えを記します。

手鬼のような存在に気づいていなかったのか?
答えは当然気づいていて、寧ろ、手鬼のような存在を狙っていたのかもしれません。

鬼を複数一定区域に閉じ込めれば、共食いを始めるのは必定。
より強い鬼が生き残っていきますよね。
そこに剣士の卵が混じれば、鬼の強さは加速します。

剣士の卵が喰われ、喰った鬼は強くなる。

長年繰り返せば、手鬼のような規格外の鬼が生まれるのは想像に難くありません。
手鬼はイレギュラーなどではなく、ある程度の計算の元"意図的に作られた鬼"とも言えます。

では何故そんなことをする必要があるのか。
答えはシンプルで、強い剣士を選り分けるため。

手鬼のような規格外は、しかし、山の外に出れば一転「弱い鬼」になります。
血鬼術を使える個体には遠く及ばないし、さらに上位の十二鬼月とは比べるべくもありません。
鬼殺隊に入るということは、そんな「外でも強い鬼」との死闘の日々を意味します。

手鬼ごとき倒せないようでは、務まらないということを暗に示しているのかもしれません。


こう考えると、鬼殺隊は人の命を軽んじた非情な集団とも言えそうです。
「弱い」剣士の卵の命を糧にして、より強い剣士の卵を選別してるのですから。


断定的な書き方をしてしまいましたが、あくまでもこれはただの考察です。
本編で言及されていることではないです。
(少なくともジャンプ本誌連載上では)
ただまぁ、このように考えちゃうと納得出来ちゃったんですよね。

非情ですけれど、それほど鬼との実力差を人間側は危惧しており、それでも鬼を滅しようとしている必死さの表れとも取れる。
なりふり構ってられないんだという感じが出てる点も勝手に「それっぽい」と思ってしまいました。

実際のところどうなんでしょうね。

終わりに

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©吾峠呼世晴
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