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「トクサツガガガ」お母ちゃんとの対決が辛すぎた【最終章感想】

この記事は

ドラマ版「トクサツガガガ」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

ドラマの「トクサツガガガ」の録画を見ました。
ラスト2話。
お母ちゃんとの対決があまりにも辛すぎました。

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©NHK・丹羽庭

お母ちゃんに本気でムカつく

フィクションを見てこんなにもイライラして、ムカついたのはいつ以来だろうか…。
下手な極悪人キャラを見る以上に、ムカムカしました。

仲村のお母ちゃんが実に腹ただしかったのです。

僕の母とダブったから。
ついつい仲村自身を自分と重ねあわせてしまいました。
と言っても、あそこまで「酷い」母では無いんですけれどね、ウチの母は。

自分が出来なかった事をやらせたい。
子供の為に。子供の為に。
あぁ、こういった「子育て」ってウチだけじゃないんだな~と思った次第。

ウチの母もアニメ・特撮は子供の物という杓子定規な考え方。
犯罪報道で「容疑者はオタクだった」というのを真に受けてるからなのか、アニメが好きなことに良い顔しないんです。
というか、すげぇ心配される。
親の価値観も「子供の為」という名分で押し付けられてきました。
子供には子供の価値観があるし、オタク=犯罪者予備軍と言うレッテル貼りにもウンザリ。
親にとっては「心配だから」なのでしょうけれど、子供からしたら「自分(親)の為だろ」となりますよね。
何度このことで喧嘩してきたか…。
「鳥山明があんたを幸せにしてくれるの?」と怒鳴られたこともある(笑

それだけに叶と彼女の母との決戦には、他人事として見られなかった。

それは抜きにしても、普通にムカつきますけどね。
価値観を否定して来て、馬鹿にして。
好きなモノを勝手に燃やした過去もそうだけれど、フィギュアを壊すという同じことを繰り返す。
シシレオーのフィギュアの腕を折った瞬間、割と本気でムカつきましたよ、僕はw

叶が母をひっぱたたいた時は、スカッとしました。
ただそれも一瞬のこと。
母の涙を見たら居た堪れなくなったんです。

結末に満足。

母と叶の喧嘩の結末に、納得出来た方はどれだけいらっしゃったのでしょう。
消化不良感を味わった方もいたんじゃないかな。

物語的にはさんざん引っ張った上で、玉虫色と言うか明確な答えが出た訳では無かったですよね。
どちらかと言えば、叶の方が折れたというか、「母ちゃんの気持ち」を斟酌してあげた結末。
あそこまで行ったら、母を説得して認めて貰う結末を期待していた視聴者も居たんじゃないかな。

僕は多少、そういった結末を期待してるところがありました。
彼女の特撮への情熱を示すには、悪である母を倒して欲しかったというのは偽らざる本音でもあります。

けど、お母ちゃんの涙を見てしまうと、どうしても…ね。


結局憎くてしたことじゃないんでね。
子供の持ち物を勝手に処分したり、壊したりするのは、やりすぎだし許せる部分では無いんだけれど。
それを除けば、子供を想う故というのは本当なんだし。
母のこれまでの教育論をやり込めるというのは、なんだか後味悪いかな。
あそこまでの母ちゃんが今更すんなりと娘の趣味を認めるというのも嘘くさいですしね。


叶自身が「好きなモノは誰にも邪魔できない」という結論を出しただけで、満足感ありました。

終わりに

仲村家のような家庭で育つと、そりゃ「隠れオタ」にもなるよね。
一番身近に「オタクによくないレッテル貼る人」がいるんですもの。
誰だって趣味1つで変な目で見られたり、とやかく言われたくないですから。

お母ちゃんの設定は色々とアレでしたけれど、叶のバックボーンに説得力が生まれていたので、フィクションとしたら凄く良かったかな。


非常に良質なドラマでした。
第2期とかあれば、また是非視聴したい作品ですね。