「ゲーマーズ!」11巻 ネタバレ感想:ラブコメ決着したけど、アグリの方が気になった11巻
この記事は
「ゲーマーズ!」11巻感想記事です。
ネタバレを含みます。
はじめに
遂にホワイトデー。
全ての錯綜が解かれ、ラブコメに決着が着きました。
所謂1つの最終巻。
第11巻のネタバレ感想になります。
意外と良い線いってたw
先にアグリの恋について書きますね。
僕は10巻の感想で真音が登場した真意について書いてみました。
nuruta.hatenablog.com
「本当に欲しいものは、簡単に譲るな」という台詞の「本当に欲しいもの」とは何を指しているんでしょうか。
(中略)
景太自身「本当に欲しいもの」に気づいてないのではないか。
もしくは、気付いてるけれど、目を反らしてるのではないか。
真音は、景太の「本当に欲しいもの」を見抜き、故に、恋のアドバイスを送ったのではないか?
彼女にとっても景太の望む「本当に欲しいもの」は大切な存在だから。
アグリがダークホースと冗談ぽく9巻の感想で書いてましたが、マジになりそうだなと正直思いました。
これが意外と真相に近かったので、自分でもビックリですw
下手な鉄砲が当たる事も本当にあるんですね。
真音の言葉の真意には、アグリへの恋という解釈をしていて、しかし、景太は気づいてないor目を反らしているのではないかと考えていたのです。
彼女の真意については、ズバリ的中でしたねw
ただ、景太の気持ちは読み違えてましたか。
そっか。
景太は自覚してたんですね。
アグリへの気持ちを。恋心を。
それは確かに恋とは呼べない程小さなものだったのかもですが、それを綺麗に解消させる存在として、人の感情に敏い真音が配置されていたのか。
これは納得の展開。
景太での部屋での2人の語り合いは、非常に良いシーンでした。
ただ、真音の存在が祐とアグリのカップルにとってどういった意味を持っていたのかまでは、全く僕程度には考え付かなかったですね。
真音が「どの時点で設定されたのか」は定かではありません。
けれど、少なくとも、祐がアグリと別れた後に、登場が決まったように思うのです。
祐が最愛の彼女を一度振ったのは、やはり表層的な面しかアグリの情報を持っていないことが嫌だったからだと思うのですよね。
アグリがどんなに言葉を重ね、想いを告げても、「アグリはあまのっちのこと好きでは無い」という叫びに納得出来なかった。
それが嫌で、親友を、恋人を信じられない自分が嫌で、だから、別れを切り出した。
じゃあ、2人が再び付き合うには、どんな条件があるかと言えば、この信じられなかったアグリの気持ちを信じられるようになれば良い。
この条件をクリアする為に、真音が存在したのですね。
アグリの「あまのっちのことかなり好きだよ」という告白は、これは真実であると、一部始終を見て来た僕ら読者には痛い程伝わってきますよね。
そうでしょ、そうでしょって。
だって、あの伏黒真音から自分を助け出そうとしてくれたのですから。
魔王から守ろうと身を挺してくれた勇者ケータにアグリが惚れていたとしても、十分に納得です。
例え、勇者が魔王の前にぼろ雑巾の如く敗れていたとしてもw
周りから見ても、息の合った、気の置けない間柄の景太と一緒にいる時間が居心地が良くても、そりゃ、不思議じゃありません。
景太がそうだったのですから、ね。
祐だって分かっている。それは充分理解出来たでしょう。
「真音に立ち向かった景太にアグリが惚れるのは無理が無い、自然で当たり前だ」と祐自身が認めたからこそ、だからこそ、その後の「誰よりも(景太よりも)祐のことが大好き」が嘘では無いと信じられます。
だってそうですよね。
アグリも祐に「あまのっちが好き」が真意であると祐に正しく伝わる事が分かった上で、敢えて、伝えてるんですよ。
本音の後に、信じて貰いたいはずの方の想いが嘘である訳無いじゃないですか。
もしも、「あまのっちよりも祐の方が好き」が嘘なのであれば、前もって「あまのっちが好き」と祐に伝えたこと自体が不自然です。
アグリにとっては「祐が一番」を信じて貰いたいのに、「雨野の方が好きなんだろ」と疑心暗鬼にさせる情報を伝えることは、不利になるからです。
不利になるのが分かった上で、伝えていたのならば、それは矛盾しますよね。
なら前提が嘘になります。
つまり、「あまのっちよりも祐の方が好き」を真実としないと、アグリの言動に筋が通らないんですよね。
話の流れ的にも「祐が一番」を真実としないと変だし、「かなり好きなあまのっち」が本当だと分かってる分、彼よりも「祐のことが大好き」が響きますよね。
勿論こんな一種の駆け引きが無くとも、別れてからのフラットな関係の中で、より「桜野亜玖璃」という1人の女の子の事を深い部分で見つめ直せた・理解出来たというのが大きいのでしょう。
だから、これは祐がどうこうではなくて、完全に読者を納得させるための論法です。
アグリの「あまのっちが好き」を信じさせるために真音が登場し、この前提を信じることで、「それよりも祐の方がもっと好き」も信じられるようになった。
祐がアグリの言葉を「嘘では無い本音だと信じた」ことが僕らも納得出来た。
2人が本当の意味でカップルになる為の条件をクリアした事が明確になっていて、この2人の最高の結末を受け入れられるようになったのかなと。
個人的に、本気で景太とアグリエンドもアリかなと思ってましたが、アグリ自身が景太よりも大好きな人と結ばれたのは最高に喜ばしいことでした。
真音を巧みに絡ませたことで納得感の高い物語になっていました。
そうなるかぁ
さてさて、メインどころは景太のラブコメですね。
やっぱりそうなるよね。
千秋エンドが良かったんだけどな~~~~~~。
でもこれはまぁ、仕方ないよね。
一貫して景太の心はぶれなかったですしね。
最後の最後でいきなり花憐から千秋に気持ちがシフトしたら、それはそれで違うよなってなりそうだし。
本心としては残念な結末ではあったのですが、景太が初志貫徹して誠意を見せてくれたので、思ったよりかは爽やかな気分で読み終えられましたかね。
星ノ守姉妹丼にアグリを加えて、星ノ守姉妹&アグリエンドが見たかったけど~(未練がましい)
なんか執拗にこんなこと書くと、どんだけ花憐のこと嫌ってんだと思われるかもですが。
別に嫌いじゃないんですよ。
花憐よりも好きなヒロインがいたというだけで。
それにほら、花憐は残念系でいた方が見ていて面白いので(笑
冒頭のゲーム部でのやり取りとか抱腹モノでしたからw
さておき、花憐は稀有なキャラクターではありましたね。
何処まで行っても、我を優先しない。
ライバルに想い人の唇を目の前で奪われて、壮絶に後悔してもなお、そのライバルを蹴落とす道を取らない。
下手すると「本当に景太のこと好きなの?」と疑われかねない行為を重ねているのに、彼女のあまりにも純粋で大きな景太への愛を見せられてるから、疑いようがなくて。
こう考えると、花憐に景太への恋心を疑われる行為を取らせれば取らせる程、読者にはそれと反して、彼女の景太への愛情が本物であると想わせられている訳で。
一見矛盾した等式を成り立たせている描写は、非常に斬新であったなと思いました。
誰よりも強い景太への恋慕が実は、花憐の「どこまでもライバルにフェアな態度」を取らせる事で描かれていたのかもですね。
終わりに
さて、最終巻とDLCを残るのみになった今作。
最後まで楽しみ尽くしたいと思います。