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今「29とJK」を読んではならない 「29とJK」4巻感想

この記事は

「29とJK」第4巻感想です。
ネタバレあります。

はじめに

失敗したぁぁぁぁぁぁ。
読むんじゃなかった。
読むんじゃなかったぁぁぁぁぁぁ。
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読むんじゃなかった

3巻は箸休め回でした。
中編2本立てで前半は綾が花恋を鋭二の妹と勘違い。
家族総出の野球大会を乗り切ろうとするエピソード。
後半は鋭二が小学校の同窓会に出るエピソード。
しかし、ただの箸休め回と思ってはなりません。
4巻へと続く前振りとして機能しているからです。

現時点で最大のライバルとなっている剣野の出自を3巻で終わらせていたのは大きかったです。
彼の背負っているもの、鋭二との関係性をしっかりと咀嚼できている状態だったので、4巻は鋭二視点の物語に集中できました。

鋭二も述懐してますが、これまでは相手に隙があったので、そこを突く事で乗り越えられてきたんですよね。
百目鬼が良い例。
不正と言う一種の弱みを隠す為にウソを上塗りしてロジックを組んでいたので、根元を破壊すれば簡単に崩れていく。
「根元を破壊するまでの過程」が大変なので、簡単というには語弊がありますが、ある意味与しやすい相手でした。

けど、剣野は違いますよね。
それこそ正しい動機の上に正しさを積み重ねてきてるので、攻略の取っ掛かりがありません。
リストラという最悪の"命令"から部下を守るには、イノベーションが必要でした。

そこら辺、本当に巧み。
確かにしがらみを知らないJKならではの発想です。
まぁ、花恋のなんでもない言葉から一発逆転につながるアイディアを思いついて、具体的な形にした上で纏め上げた鋭二の手腕は流石の一言ですね。

こうして逆転の秘策を練り上げて、いざ決戦となった訳ですが…。
まさかのアルカンフェルCEO登場からの鋭二クビ宣告。
そんで次巻へ続く。

って、ええええええええええええええええええええええええええええ。
こんなにいいとこで続くの???????

失敗した。
マジで失敗。
5巻は?
6月発売予定から9月に変更してる?
マジか!!
生殺しじゃん。
続くって分かってたら、5巻発売まで待ったのに。
あああああああ、読むんじゃなかった…。

先が気になる

とにかく先が気になるんです。
剣野があまりにも強敵過ぎて、攻略の糸口が見えないんです。
理論武装が完璧で正論で攻めてくる相手程厄介なものはありませんね。
立場も強いですしね。
融資元というのは、ある種社長相手よりも厄介なのかも。

なので、今回剣野を倒す事はしないんじゃないかなと思う。
攻略すべきは、SEOの方ですね。

そもそもおかしいんですよ。
世界的企業のトップに座る重鎮が、イチ島国のさらに支店の支店長"ごとき"をクビにする為に、わざわざ訪日するでしょうか?
いくらラノベと云っても有り得ません。
彼が動くには、それ相応の理由…鋭二に直接首を言い渡す理由があるはずなんです。

そこで、注目すべきなのは夏川詩織。
グローバル社日本法人の女社長がキーパーソンになるのでしょう!!多分。
アルカンフェルとの過去の繋がりが明かされたのは、絶対に伏線ですよ。

真織の視座で語られた詩織とアルカンフェルの過去は、詩織が一方的に挫折を味わい、「敗北」したことが綴られています。
これを素直に解釈すると、アルカンフェルが詩織のことを覚えているとは思えません。
かなりの実力差があったようなので、アルカンフェルからしたら詩織は「入社当時の先輩の1人」くらいの認識でもおかしくないのです。

だけど、アルカンフェルの視座で当時を振り返ると、違った像が見えるのかもしれませんよね。

例えば、こんな出来事がもしあったとしたら…。
アルカンフェルにとって詩織は「数多の先輩の中の1人」に過ぎなかったし、その後の詩織の決断と躍進についても知らなかった可能性が高いです。
少なくとも1年で栄転したアルカンフェルは直接詩織の目覚ましいまでの活躍は目にしてないでしょう。
だから、詩織に特別な想いを抱いていると考えるよりかは、まだ、真織のパパと接点があったと考える方が自然な気がします。
アルカンフェルと真織パパは完全にすれ違っているので、ここに関係性を見出す方が馬鹿げてる気もするけれど、物語としてはその方が驚きがあるし(笑

そもそも一従業員に過ぎないはずの真織パパをクビにした程度で社内で孤立するのかな?
真織パパが周りの社員にかなり慕われていないとありえない状況な気がします。
もしくは「スーパーマン」から厚い信頼があったから…とか。
色々と想像出来る余地はあると思うの。
細かいことは抜きにして、アルカンフェルと真織パパは今でも付き合いがあり、「真織を自分の娘と認識しているパパが、馬の骨・鋭二の排除をアルカンフェルに依頼した」というのはどうかな。

親友からの個人的な依頼。
部下に命を下すのは容易いけれど、プライベートが絡んでいる為、動かしづらい。(アルカンフェルは公私を区別する生真面目な人物なのかもだしw)
よって、直接出向いてきた。


ううん。
理由としては厳しいかな。

何れにせよ、納得出来る理由が隠されているはずで、そこに詩織や真織が絡んでくるのは確かだと思われます。

何故、アルカンフェルCEOは直接鋭二に首を言い渡しに来たのか?
この謎の解が、最大にして最悪の局面を切りぬける最後の一手になる気が致します。

終わりに

はやく5巻が読みたい。