アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

「あさがおと加瀬さん。」 感想

この記事は

「あさがおと加瀬さん。」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

毎日のように本屋さんに通っていても、まだまだ知らない作品って多いですよね。
この作品もそうです。
全く知らなかった作品で、2週間くらい前にたまたまeiga.comで知りました。
以降、新刊が発売されたこともあるのでしょうけれど、色々な本屋さんで見かけるようになりました。

今回、OVAとして作られた本作が、劇場上映されたので鑑賞してきました。
感想となります。
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感想

女の子女の子してるボブカットの山田結衣。
ボーイッシュな髪型で陸上部のエース。もてもての加瀬友香。
2人を中心としたガールズラブ物語。

ちらっと原作1巻を読みましたが、物語的には1巻と2巻の間の話なのかな?
1巻では2人が付き合い始めるまでが描かれていましたが、このOVAはそれから少し経ってからのお話でした。
個人的には問題無く付いていけましたが、気になる人は気になるかもです。
youtubeで1本アニメが公開されてる(されてた?)ぽいので、そっちを見れば大丈夫なのかな???

百合というセンシティブなテーマを扱っていますが、恋愛における普遍的な心情、青春期の恋愛・友情に重きが置かれている為非常に見やすくなっています。
かつ、百合好きも満足できる仕上がりとなっていて、絶妙な塩梅で構成・演出されていたと思います。

「初めて付き合ったからこその不安」、「卒業による疎遠」というのは、思春期の恋愛ならではの問題です。
特に後者は、付いて回ることですよね。
大学進学を間近に控えた2人にとっても死活問題です。
友人関係も同じですけれど、学生の絆って簡単に離れちゃうんですよね。
クラスが変わっただけでも遊ばなくなることだって普通にあるのに、学校が違ってしまったら余計に会わなくなってしまう恐れがあります。

こと大学進学となると、合わせるのも大変。
将来が掛かってるし、高校まで以上に選択の幅が広がります。
家庭によっては学費の問題で私立は難しいとかもある。
簡単には「好きな人と同じ学校にしよう」とはなりません。
だからこそ、この決断が出来れば、2人の絆の確かな証になりますね。

「あさがおと加瀬さん。」は原作第1話のタイトルです。
巻数表示を使わずに毎回タイトルを変えている原作とは異なり、アニメ版ではこの第1話のタイトルを引き続き使用しています。
故に、内容とタイトルが結び付かないのですが、結末にあさがおを持ってくる事で、多少強引になりながらも上手に纏められていたかなと。
確かに朝顔には「固い絆」「愛情」という花言葉があるんですね。
他にも「儚い恋」というやや真逆の意味もあるようですが、大学の進路問題を軸に山田と加瀬さんの「固い絆」と「愛情」がしっかりと伝わってくる内容でした。


こういったテーマが「誰でも共感出来る」作りになっていて、広い層に波及できそうなのですが、反面、下手すると濃厚な百合好きには物足りなさを覚えさせてしまう恐れがあります。
然しながら、今作はそういった懸念は抱かずとも大丈夫です。

付き合うことの延長線上に「身体の付き合い」をしっかりと匂わせていて、加瀬さんが山田に迫る場面があります。
奥手な山田はキスのことだと勘違いしてますが、加瀬さんはそれ以上の事を望んでいるんですよね。
女の子同士の友情の延長線上の付き合いなのではなく、性欲を満たしたいという欲を含んだ純粋なLOVEであることが窺えるシーンです。
R指定されてないので、作中ではキスまでに留まってますが、この辺をしっかりと匂わせてくれたので、百合好きとしては大変満足出来ました。

他気になったこと

僕はアニメで「部屋」を気に掛けることがあります。
原作ではあまり描写されなくとも、アニメ化の際事細かに設定が煮詰められますよね。
部屋なんてものは、その典型例だと思ってます。

どうしたって性格が反映されるのが自室。
アニメや漫画になれば、よりキャラクター性を明確にするためにも、自室に性格を反映させる嫌いがあります。
そのキャラクターが住んでいそうな部屋をどう表現するか。
家具の形状や配置、小道具や壁紙などの色にキャラクター性を乗せています。

山田の部屋は、実に彼女らしいお部屋。
女の子女の子には、ピンクが似合います。
壁紙やベッド周り、カーテンなどピンクを基調としながらも、山田の「植物が好き」という点を取り入れ、カーペットに緑をあしらい、ところどころに植物を置いてました。
可愛らしく纏められた部屋で山田結衣という少女が反映されているように思えました。

加瀬さんの部屋はスポーツ系少女らしい部屋。
トレーニング器具が散らばり、山田とは逆にピンクは極力排除され、青系統で纏められていました。
タンスも置かずに、剥き出しの突っ張りハンガーには申し訳程度に服が掛けられており、ファッションにはあまり執着して無さそうな性格が読み取れます。
さっぱりとした性格の彼女らしい内装で、やはり彼女が住んでいる感が溢れていました。


部屋1つ取っても、丁寧に設定が練られており、そこからも2人の性格が読み取れるようになっておりました。

終わりに

情緒豊かな絵作りが、キャラの内面をしっかりと浮き立たせていて、シナリオ面を補強してました。
その為、しっとりとした恋愛劇に浸れました。
公開劇場数は少ないのですが、百合好きには必見のアニメ。
…絵が可愛いので、原作買おうかな…。