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「リズと青い鳥」ネタバレ感想。それは名前のいらない素敵な関係性

この記事は

「リズと青い鳥」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

鑑賞してきました。
とてもとても良い作品でした。
ネタバレありで、僕の感想を認めます。
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メインスタッフ変更の意図

今作は、「響け!ユーフォニアム」シリーズの続編に位置します。
時系列的にはTVシリーズ2本のその後の物語。
あすか達3年生が卒業し、久美子らは2年生に進級。
新体制となった北宇治高校吹奏楽部の青春劇が描かれます。

こう書くと、多分に「シリーズを見てないとついていけないのでは?」という疑問が出てきますね。
僕は、今作を見て、こういう「シリーズ未見」の人の疑問に対するアンサーとして、スタッフを入れ替えて来たのかなと感じました。

「響け!ユーフォニアム」のメインスタッフは以下の通りです。

監督 石原立也
シリーズ構成 花田十輝
キャラクターデザイン 池田晶子
音楽 松田彬人

これに対して、今作はこちら。

監督 山田尚子
シリーズ構成 吉田玲子
キャラクターデザイン 西谷太志
音楽 牛尾憲輔

「響け!ユーフォニアム」でシリーズ演出として携わってきた山田尚子さんを監督に据えて一新。
物語の主役も久美子からみぞれと希美にバトンタッチしています。
原作の語り部を変えてまで、「響け!」と切り離そうとされている。
「全く新しい作品」として見て貰いたいのかなという強い意志を感じました。
実際に僕の感想として、「全く新しい作品」であったという確信があります。

ホント、こうもスタッフが違うだけで受ける印象が変わるんですね。

山田監督は、やっぱり女の子同士の関係性を描かせたらピカイチです。
みぞれと希美の「微妙な」関係性がしっかりと描かれていたと思いました。

女の子同士の関係

女の子同士の関係というのは、男からすると独特です。
男同士では、絶対にしないスキンシップを簡単に行えるからです。

手を繋いだり、ハグをしたり、好きだと言ったり。

一見すると「恋人同士」でしかしなさそうなことを女子同士はあっさりとやってのけます。
これは男には無理です。
勿論、女子に言わせれば、男には無い「醜い世界」もあるらしいですが、そういうのに目を瞑れば背景に百合の花を幻視しちゃうくらい微笑ましい関係性を見てとってしまいます。

これはなにも僕の歪んだ価値観がそう見せている訳ではありません。
「響け」シリーズにしっかりと根付いている関係性です。

今作でも、殊更に女の子同士の関係性が描かれていました。
「大好きだ」と相手の好きな部分を言い合ってハグをする。
下級生たちがやっていて、みぞれは自分はやったことが無いって言ってますよね。
この「女の子同士のハグ」は大事なポイントになっていて、みぞれと希美の素敵な関係性の象徴になっています。

さて、「響け!」で女の子同士の関係性というと、真っ先に挙げたいのが久美子と麗奈ですね。
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至近距離で見つめ合っては、イチャイチャします。
TVを見ていて、「そこだ!!行け!!キスしろ!!」と何度叫んだことか。
実に百合百合したカップルに見えていました。

これも僕の歪んだ価値観の見せた関係では無いです。
「久美子 麗奈 百合」でググると、17万5千件もヒットします。
皆そのように見ちゃってたんですよ。

でも2人の関係性は、「百合」という言葉を付けて良いものではありません。
麗奈には滝先生という好きな男性がいるからです。
あくまでも妄想上の関係でしかありません。

何故このような妄想を抱いてしまったのか。
色々と理由はありますが、その1つに「男性目線」というのがあったのかなと。
シリーズ演出は女性の山田尚子さんですが、彼女はあくまでも「石原監督の参謀役」。
男性である石原監督の目線(演出)が、このような妄想を逞しくさせていたのかなと思うのですね。


ではでは、今作の主人公であるところのみぞれと希美はどういった関係性なのでしょう?
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みぞれは、久美子と違ってストレートの剛速球を投げ込みます。
希美を示唆しつつ「好きな人」と表現し、「大好き」という言葉を何度も重ねます。
大人しいみぞれにしては大胆にも希美に抱き着いて、告白しています。

「百合だ。間違いなく百合だ。LOVEだ。」。
このような感想を抱くのは、寧ろ素直な解釈にすら思えるほど、みぞれは希美のことをストレートに表現しています。
普段の僕なら間違いなくそう解釈していました。
百合、大好きですからね。

それなのに、今作は違った。
ちっとも百合っぽい関係には見えなかったんです。
そういう恋愛的な関係。
言い方換えれば「下世話な関係性」をちっとも感じなかったんですね。

恋愛って美しさも正しい一面だけれど、究極な所、下心だと思うのです。
世の中にはプラトニックな関係もあるけれど、それを横に置けば、どうしたって性欲に結び付いちゃう。
欲に塗れた一面が含まれていて、そういった感情を今作ではちっとも感じ取れなかったんです。

これは、女性ならではの視点なのかなと。
山田監督が持つ長所とでもいうのでしょうか。
女の子同士の関係性を美しさだけを抽出して表現できる。

非常に良いなと感じました。
友情というには、愛が深い。
かといって、恋愛というには美しすぎる。
名前の無い。否、名前を必要としない素敵な関係性。
みぞれと希美のハグには、美しさだけしか感じませんでした。

リズと青い鳥はハッピーエンドという解釈

みぞれと希美の2人の関係性をリズと青い鳥に準えていた今作。
2人の関係性の逆転が見事でしたが、終わり方の解釈もまた逆転してましたよね。

お別れという寂しいものではなくて、お互いに繋がり続けるからこその関係性。
それはやはりハッピーエンドと表現するに相応しい関係に思えます。

この結末は、キャスティングからも窺えました。
リズと青い鳥である少女の2役を演じたのは、本田望結ちゃん。
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配役が同じなんです。

アニメで配役を同じとするキャラ同士は、深い関係性であることが多いです。
親子であったり、兄妹であったり。
血縁のような濃い関係性を声で表現しています。

ですが、リズと少女は違いますね。
血縁関係なんて無いし、そもそも人間と鳥です。
種族から異なります。

それなのに、何故配役が同じなのでしょうか。
僕が思うに、これは、2人の関係性の濃さを表現したいからなのかなと。
「血縁のような絶たれることの無い濃くて深い関係性」がリズと少女(青い鳥)の間にはあるんだということを表している。
そう解釈しました。


これは、リズと青い鳥に準えたみぞれと希美も同じですね。
みぞれと希美の「血縁のような絶たれることの無い濃くて深い関係性」をリズと青い鳥の配役を同じにする事で表現していると思いました。

終わりに

初めに「響け!」見て無くても大丈夫と書きました。
実際問題ありません。
超楽しめると思います。

けど、見ておいた方が楽しいのは確かです。
一番大きいのは、久美子と麗奈の関係性ですね。
作中で2人は「リズと青い鳥」の第三楽章を演奏しています。
それを聞いた希美は、自分の本当の気持ちに気づきます。

ここは「響け!」見てないとイマイチピンと来ないシーンなのかなと。
麗奈が「みぞれと希美の関係」に言及してるので分かり易くはなってますが、やはり久美子と麗奈の正しい関係性を知ってるかどうかで理解度が違います。
2人がどれだけの壁を乗り越えて、今の関係性を構築してきたのか。
見て無くても問題無い作りですが、見てるとより理解出来る。
そういうシーンの筆頭であるので、敢えて挙げました。

今作を見た後でも問題無いです。
興味を持ちましたら、劇場版で総集編がリリースされていますので、最低限そちらの視聴をお勧めしたいです。
今後「響け!」完全新作劇場版が控えてますしね。

はい。
という訳で感想終わります。
心から充実した時間を過ごせました。
面白かったです。