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「パシフィック・リム: アップライジング」はロボット映画である必然性が感じられない!!【ネタバレ感想】

この記事は

「パシフィック・リム: アップライジング」の感想です。
ネタバレあります。

前作は

最初に断っておきますが、僕は前作を然程評価していません。
何気なしに映画館に足を運んで、ぼんやりと見て、それなりの満足感を得て帰宅したという程度です。
つまらなくは無かったですが、かといって、絶賛という訳でも無い。
「普通」という言葉にカテゴライズされる部類の映画でした。

シナリオでは、大きなツッコミどころもありましたが、1つの映画として纏まっていて、見応えもありました。
登場人物のドラマ、怪獣の脅威、人類の危機感。
そういった大事な要素がしっかりと感じれたのです。
だからこそ、ロボット映画を見てるという感覚があったんですよね。
巨大な怪獣なんて出てきたら、人類の取る対抗手段は他に考えられないくらいの必然性がありました。


では、今作はどうだったか。
果たして、ロボット映画である必然性はあったのでしょうか。
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破綻したシナリオ

前作にも確かにツッコみどころはありました。
しかしそれは笑い話に出来るような類のものであって、全体の評価に影響を与えるようなものではありませんでした。
先に書いたように、最低限必要なエピソードがしっかりと盛り込まれ、矛盾なく結びついていたのです。

けれど今回は違ってました。
全体の評価に直結するレベルで破綻していたと感じたのです。

先ずもって、最低限の人間ドラマが描けていません。
主人公のジェイクとアマーラについてだけ抜き出してみます。

姉であるマコを目の前で殺されたにもかかわらず、苦悩も怒りも見せないジェイク。
黙とうを捧げたり、マコの意志を継いで出撃を願い出たりはしてますが、切り替えが早すぎるんですよね。
彼のバックボーンについてもセリフのみの説明に終始し、奥行きが出ておらず、非常に薄ぺらい印象を拭えませんでした。

アマーラについても同様です。
自作のイェーガーであるスクラッパーは操縦できても、他の機体はどうしても出来ない。
それでいて、最終決戦ではなんなくドリフト出来ている。
過去のトラウマを描いているのに、それを乗り越える描写が皆無なので、彼女の行動に矛盾が生じています。

他にも色々ありました。
数だけ多くいて1人としてキャラ立ちがされていない訓練生。
マコは死の瞬間に何を伝えたかったのかも結局不明のまま。
挙げればキリがないほど人間ドラマに謎や矛盾、描写不足がありました。


世界観についても穴があります。
最大の謎は、怪獣の脅威が去ったにもかかわらず、10年間もイェーガーの開発が続けられていた点です。
彼らは、イェーガーを使って、何から人類を守ろうとしていたのでしょうか。

これは大事な点です。
前作でプリカーサー諸共ゲートは破壊されたのです。
なにかしら脅威が残されていたならまだしも、完全に拭い去った危機に対して、人類はどのような意図で開発を続けてきたのでしょうか。
生き残ったプリカーサーの再襲撃に備えていたのでしたら、予めそれを臭わせる必要性はあったはずです。
それが無かったので、謎のまま残ってしまってました。

たまたま地球側に生き残っていたプリカーサーがイェーガーを乗っ取って来たから、何故か開発を続けていたイェーガーで対処した。
知らぬ間に乗っ取られていたニュートンが予想外にもブリーチを開けてしまい、怪獣が再び現れてしまったから、イェーガーで応戦した。
つまるところ物語の必然性が感じられず、故に、ロボット映画である理由さえも希薄でした。
続編を作りたい為に、無理矢理話をでっちあげた感が凄かったです。

ロボット映画である必然性が感じられない

シナリオでロボットを出す必然性が感じられなかったのは映画として致命的でした。
最悪人間ドラマなんておざなりでも、見せ場であるロボット対怪獣という巨大バトルを堪能出来れば映画としては体裁が立つのに、それすらシナリオの影響で疑問が生じたからです。

怪獣ものやロボットものというのは、「現実で再現できない」からこそ、意味があるのかなと個人的には思っております。
だから特撮だったりアニメだったりで日本では映像化して人気を集めた。
それがCGの発達によって、現実でも再現できるようになってきました。
実写で成立するようになったんですよね。

今回の映画の映像が、等身大のヒーロー対怪人に置き換えても問題無く見えたのです。
CG全盛の時代です。
なんでも実写で映像化できるので、ロボットである必然性を映像に求めるには、どうしたってシナリオでの「ロボットが出てくる必然性」が必要なのに、それが出来ていません。
だからこそ、等身大のヒーローでも問題無いように見えちゃいました。
ロボットもの映画で、こんな感想を持たれたら致命的ですよね。

前作がこの辺をしっかりとクリアしていたのもあって、余計に悪目立ちしていた気がします。

終わりに

続編を示唆する終わり方でしたが、ちょっと続きを見たいという気は起きなかったです。
1つの映画としてはアリなのかもしれませんが、「パシフィック・リム」という「ロボット映画の続編」としてはナシだったかな…。