Mangaism

アニメ、漫画の感想や考察を書いてます

ラブコメじゃ無くド直球青春小説だった「僕の知らないラブコメ」

この記事は

「僕の知らないラブコメ」の感想記事です。
ネタバレあります。

はじめに

読みたかった「僕の知らないラブコメ」が漸くkindleで配信されたので、早速読みました。
今回は、その感想記事となります。
f:id:nuruta:20171226225001j:plain

妹がクソ可愛い

「にーちゃん!おっはよー!」
ぴょこりと顔を覗かせた妹──千夏のキンキン声が頭に響く。
「もう朝だよー!起きて起きてー!えっへへー」
f:id:nuruta:20171226224913j:plain

樫本 燕. 僕の知らないラブコメ (MF文庫J) (Kindle の位置No.575-577). KADOKAWA / メディアファクトリー. Kindle 版.

かわいい。
登場からコレ。
小学4年生で、主人公のにーちゃん大好きな妹。
かわいい。

感想

あらすじ


みんなは近いうちに逃げ出したくなるような嫌なことってある?
あるよね、きっと。
明日になっちゃえばいいのにって思うようなそんな時。
僕、芦屋優太はそんな時間を早送りできる能力を手に入れたんだ。
これでもう勉強や揉め事、全ての嫌な時間から逃げることができる。
やったね!
そうして早送りしながら日々を過ごしてたら知らないうちに彼女が出来ていた!
しかも相手はあのクラスの問題児、柳戸希美だって?
僕は怯えながらも付き合い始めたんだけど、意外にも柳戸はとても優しくて、そしてとても可愛くて……。
どうして柳戸はこんな僕のことを好きになってくれたんだ……?
え、このラブコメ、僕だけ知らないの?
第13回MF文庫J新人賞最優秀賞受賞作!

編集部に「これ、青春小説だよね」と言われ、ラブコメになるよう何度も何度も改稿を重ねたという本作。
うん。
青春小説だね。

公式のあらすじには一か所だけ正確でない部分がありました。
「そうして早送りしながら日々を過ごしてたら」って部分ですね。
これだと何度も繰り返し早送りしてるみたいに解釈出来ちゃいますが、そうじゃありません。
この説明の前までだと、1度しか能力を使ってないんです。

主人公・優太はとある事件を切欠に不良に公衆便所まで追い込まれ、そこで早送りする能力に開眼。
本人の意図しない・意識しない状態で発動し、2か月後に飛んでしまいます。

目が覚めると、2ヶ月も過ぎ去っていました。

「僕だけがこの2カ月の記憶を持っていない。」
混乱の中、追い打ちをかけるように、今まで恐れていた希美が彼女になっていて…。


「結果さえよければ、過程には何の意味もない。」
中学時代のとある苦い経験からそういう生き方を選んだ優太が、この能力に目覚め、翻弄されつつも「嫌なことからスキップして逃れていた」。
スキップした間の記憶・経験を持たずに、結果だけを享受する優太。
そんな優太が激しく後悔する事件が起こってしまい…。

青春の苦い記憶も視点を変えると、そうじゃ無かったという事実。
努力など無意味で、仮定などコスパが悪いと断じていた優太が「泥臭くても頑張る努力の少年」に戻る事件を通して成長を果たす物語。

先の展開が読めないし、青春の青臭さ・苦さがあって実に読み応えのある物語でした。
うん。

「早送り能力」を上手に青春物語に落とし込んでいるんですよね。
「こういう性格の主人公だから、このような事件が起これば行動を起こすよね」という確かな計算があって、その行動に説得力があるんです。
なかなか動こうとしない主人公を動かすのに「早送り能力」が使われていて、SFの設定を地に足のついた青春物語に活かしているというか。
キャラクターのバックボーンや設定がしっかりとしていて、それを活かした物語なので、とても満足度高かったです。

どうやって2巻へ続けるのか

あとがき読むと、どうやら2巻が恐らく出るという話。
起承転結が完璧な読切漫画のようにしっかりと完結してる為、どうやってこの続きを紡ぐのか非常に気になります。

余程のことが無い限り、優太が早送り能力を再度使うことってないと思うのですよ。
そういう物語だと解釈出来るので。
でも、それを使わないと「僕の知らない」ラブコメにはならない。

どうするんだろう。


個人的な意見だと、早送り能力はもう使わなくてもいいと思う。
非日常を取っ払った優太と希美のラブラブコメコメを堪能したいという気持ちが強いので。

どうするんだろう。

終わりに

堪能させて頂きました。
妹の千夏が可愛かったです。
取り敢えず幼女繋がりで「せんせーのおよめさんになりたいおんなのこはみーんな16さいだよっ?」を次に読んでみようかどうか悩んでます。
冒頭を読んで、興味が惹かれましたので。
「この中に1人、妹がいる」的なあれなのかな。

ただ、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」も読みたいので、そっちに流れるかもしれません。
どうでもいいですね。

終わります。