「ラブライブ!サンシャイン!!」などメディアミックス発アニメは正しい見方をしないとアンチ化しやすい
この記事は
メディアミックスアニメのお話。
何が「原作」なのかを正確に把握する
メディアミックス前提で始まっている作品全てに当て嵌まる事ですが、何が原作なのかを見誤ると、アンチ化しやすい作品群だと感じます。
そもそもメディアミックス前提作品とは、企画段階からアニメ、漫画、雑誌記事、小説、ゲーム等々各種メディアミックスプロジェクトが発足し、ほぼ同時進行で進められている作品群を指します。
今でいえば「ラブライブ!」、「ラブライブ!サンシャイン!!」、「BanG Dream!」などがそれに当たりますね。
勘違いしやすいのは、一番最初に動き出したプロジェクトを「原作」だとしてしまう点。
例えば「ラブライブ!サンシャイン!!」では、「G'sマガジン」誌上での「連載」が出発点になっています。
この場でキャラ9人が発表され、それぞれのドラマが描かれている。
当然ファンとしては、そこから入るのが筋だと考えるのでしょう。
「G's」で描かれる9人のキャラクターの物語を「原作」と見てしまう。
そう考えてしまう理由はあります。
原案者である公野さんが執筆しているからですね。
全てのプロジェクトに原作や原案表記で参画されている人が直接執筆しているとなれば、これを原作だと見做してもおかしくありません。
グループ名の公募から発表までを同誌誌上で行ったりと、「生まれる前段階」…「卵」の段階から企画が進められている点も、「G's設定」がオリジナルと見做されやすい理由になっているのでしょう。
だけれど、これは僕は間違いであると思うのです。
ここを切り離して見れるかどうかが、アニメ視聴するに当たっては大きい。
アニメはアニメ
以前「G's設定」と「アニメ設定」でダイヤの設定が大きく異なるのは何故かを取り上げました。
この記事では、触れませんでしたが、そもそも「原作」が異なるので、このような事は普通に起こり得るのですよね。
アニメ版の原作者には「矢立肇」がクレジットされています。
有名ですが、サンライズアニメーション作品企画部が用いる共同ペンネームですね。
つまり、アニメはアニメを原作として、作っているという宣言な訳です。
「G's設定」はあくまで下敷きに過ぎず、全てがこれに準じている訳ではありません。
これがメディアミックス同時進行作品群の特徴でしょう。
昔を遡ると、公野櫻子さん繋がりで「シスター・プリンセス」がありました。
やはり「G's」誌上で先に展開が始まり、追いかける形でアニメ化がされていました。
着目すべきはアニメであり、1期と2期では「全く別のアニメ」という驚くべきものでした。
1期を楽しく視聴していた僕は、2期を見て正直なところガッカリしました。
全く別物になっていて、2期に馴染めなかったんです。
同一メディアであるアニメですら、このように、「原作」が異なるのですから、メディアミックス前提作品群の視聴は難しいです。
まとめ
母体としては同じであるが、メディアミックスそれぞれで異なる展開を見せるのが特徴であり、特異点であるこれら作品群。
それぞれを切り離して考えなければいけません。
同じものと見做してしまうと、とたんに「原作と違う」という理屈からアンチ化してしまいます。
特異点をしっかりと受け止めた上で、切り離した接し方が大事になってくるんじゃないかと僕は思います。