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何故吉良吉影は敗れ去ったのか? 「ジョジョの奇妙な冒険」考察

この記事は

「ジョジョ」第4部の考察記事です。
ネタバレ以上に妄想を多く含みますのでご注意くださいw

はじめに

TVアニメ「ジョジョ ダイヤモンドは砕けない」が完結しました。
非常に面白かったです。
個人的には3部よりも好きですね。

そんな第4部の最大の敵となった吉良。
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自身が殺した女性の手を持ち歩き、話しかけたりするという狂人。
物凄い変人で、敵としては非常に憎らしい奴でした。

そんな彼は何故仗助に敗れてしまったのでしょうか。
考えてみると、納得出来る答えに辿り着けました。

自信過剰な性格を生んだ遍歴

最大の理由は、過信にあります。
キラークイーンの能力に多大なる信頼を置き、油断が隙を作って、結果敗れてしまいました。

バイツァ・ダストで露伴を殺せたのを知った時に欲を出さずに、バイツァ・ダストを一旦解除すれば良かったのに…とか。
考えれば切りが無いほど、過信していたなと。
そもそも女性の手首を外に持ち歩く位堂々と危ない橋を渡る性格なので、そうじゃなくても何れ敗れていた気もしますが。

だけれど、この「過信」という点に着目してみたいと思うのです。
彼は何故そこまで自信に溢れていたのでしょうか。

元々「何をやっても人並み以上に出来る」という優れた身体能力・頭脳を有している点は見過ごせません。
目立ちすぎぬように、力をセーブして生きてきた吉良。
多くの賞を取って、されど、1位は取れる実力はあるものの、敢えて取らずに来ていた。

凡そ挫折というものを知らずに生きてきたら、そりゃ自信過剰にもなりそうです。
だけれど、本当にそれだけなのか?

殺人鬼としての彼を振り返ると、その自信過剰な面にも納得出来るんです。

完全犯罪を繰り返してきたからこその自信

1983年8月13日。
当時17歳だった杉本鈴美を殺害します。
まだスタンド能力に目覚める前であった為、この事件は表ざたとなりました。

殺人事件として警察が動いたのですよね。

だけれど、警察は吉良に辿り着けなかった。


これまで何をしても平均以上の成績を収め続けてきた彼は、殺人に関しても「優秀な成績」を収めてしまった。
その上、彼の殺人衝動を助けるスタンドに目覚めます。


殺人事件が殺人事件たる理由は何か?
凶器でしょうか?
いえ違います。
血のべったりついたナイフがあったとしても、それが殺人に結び付けられることは先ずありません。
あったとしても、「証拠能力」は無いでしょう。

では、物的証拠か?
殺人の現場を記録した写真や動画があれば、それは大きな証拠とはなるでしょう。
けれど、それだけでは、やはり立件までは出来ません。
(多分)


殺人事件で一番重要なのは、死体ですよね。
死体があって初めて殺人事件は成立する訳です。

が、吉良のスタンド・キラークイーンは、死体を残さないスタンドです。
爆弾に変えて、文字通り跡形もなく消し去ってしまう。

これ程殺人鬼にとって都合の良いスタンドは無いのではないでしょうか。


スタンドに目覚めて以降47人も殺してきた。
これは女性だけの数なので、実数はもっと多いと予想できます。
そんな大量の殺人も死体そのものが無い為、全て行方不明止まり。
警察の手が吉良に届く可能性はゼロと言ってもいいかもしれません。


殺人鬼として、48人以上を惨殺し続け、捜査の手が伸びる事が無かった点。
これこそが、彼を自信過剰にさせた最大の理由なのではないかと思ったのです。

もしも自信家じゃあなかったら。

吉良は例えば、DIOと比較しても、弱い部類のラスボスです。
承太郎にフルボッコにされてるので、明らかにDIO以下。

それもそのはずで、戦闘経験がゼロだったからです。
重ちーに出会うまでは、スタンド能力者に出会って来なかったのですから、至って当然なのかもしれません。

その重ちーも、自身のスタンドで楽に倒した。
康一もキラークイーンで破った。
承太郎には敗れたものの、シアーハートアタックで重傷を負わせ、相打ちの形にまで持ってはいっている。


この戦いはヤバかったものの、まだまだ自信を失う程では無かったと。
仗助達の追跡を交わして、逃げおおせたのが大きかったんじゃないかな。


もしも、吉良が戦闘経験を十分にしていて、油断せずにいたら…。
早人に正体を探られる事もなかっただろうし、仗助達に勝っていたかもしれない。
バイツァ・ダストは滅茶苦茶強力な能力なので、吉良の平穏な生活が邪魔されることは無かった事でしょう。


けれど、そうはいかなかった。
彼は油断していた。
一度は自分を追いつめた早人を子供だと思って舐めていた。
バイツァ・ダストの力に自信を持ち過ぎて、舐めきっていた。

だから、敗北した。

それも全て、大量殺人を犯してきたにもかかわらず、一度も彼まで捜査の手が伸びなかったことが原因なのかなと。

終わりに

キラークイーンの能力に胡坐をかかずに、油断なく戦われたら、DIO以上の強敵だったのかもしれません。

ジョジョの奇妙な冒険(第4部) ダイヤモンドは砕けない 文庫版 18-29巻セット (化粧ケース入り) (集英社文庫)

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