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「とある科学の超電磁砲」 第9巻:食蜂操祈とドリーとミサカ00000号に関する一考察

この記事は

「とある科学の超電磁砲」第9巻の感想・考察記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

凄い展開になってきたああああああああああああああああ。
これはオドロキ。
主人公の美琴が、敵の手に堕ちてしまうとは…。
本当にこの木原という男は嫌な奴です。
この漫画最大にして最悪の人物。全ての元凶ですし、ここで奴毎粉砕して欲しいものです。

さて〜テーマを絞って感想を書いてみます。

食蜂操祈

感想のメインは彼女に関してです。
最初に第6巻第41話「派閥②」に焦点を当てます。
婚后さんが初登場した時のエピソードですね。
40話で常盤台に編入してきた婚后ですが、派閥の存在を知り、自分の派閥の立ち上げを目指します。
しかし、勧誘活動が実を結ぶ事は無く、最終的には美琴の言葉で派閥を作ることを止めます。
この時の美琴ですが、婚后にこう言っています。

まあでも交友関係の構築ってんならさ友達なんて
そんな縛りを作んなくても自然と繋がっていくものじゃない?

「そんな縛り」というのが、派閥を指しています。
このエピソードで作者側が最も伝えたかった・言いたかった言葉に思えました。
実に美琴らしいセリフです。

このセリフの直後です。
食蜂が本格的に登場したのは。
婚后が派閥を作ろうと考えた一因にもなったのが、食蜂の大きな派閥を見たから。
このエピソードでは、派閥と言えば食蜂操祈の派閥を表していました。

そんな派閥を美琴に否定させた直後に食蜂を登場させます。
当然2人の関係は良好と呼べる様な間柄では無くて。
上記美琴のセリフは周りまわって、食蜂をも否定しているようにも取れるのかなと。
因みにこの時、食蜂の能力が美琴には効かない事も描かれていて、これが9巻へと密かに繋がっています。
第55話、食蜂のセリフ。

何考えてんだかわからないアナタと組む気なんてはなからないの

「心理掌握」で脳内を覗けない相手には気を許せないという事ですね。
で、そうなってしまった理由っていうのかな。
「原因」では無いかもしれないけれど、少なからず彼女のこういう思考を形成する一因にはなったであろうことが回想という形で描かれていました。

ただ、ちょっと謎っていうのかな。
「ん?」と引っ掛かりを覚えた回想でした。

ドリー

「才人工房」の連中は阿呆ですよね(笑
食蜂の能力を分かっているのに、彼女の能力の実験台になる為に真桑にメンタルガードを外させていた。
結果、彼からドンドンと食蜂の"支配力"が広がっていったw

連中が会議室で悪巧みをしているシーンの1コマ目。
コマの上部にさり気無く食蜂のリモコンが描かれているのを見つけて、思わず笑ってしまいましたw

脱線しましたが、話を戻します。
食蜂の回想。
分からなったのは、「才人工房」の連中が食蜂にドリーとどのように接しろと命じたのか…です。

はじめは「君が友人になってくれ」というものだったと思ったんです。
ドリーも親しげに「みーちゃん」とあだ名で呼んでましたから。
「心理掌握」を使わずに、素直に友達として遭い始めて、1週間で気を許してもらえるようになったのかなと。

でも、別れ際。ドリーが不思議な事を言います。
「おなまえ…きかせて」。
驚く食蜂。
手を握り、申し訳なさそうに自分の名前を告げます。
そして、ドリーは食蜂の名前を呼びました。
「みさきちゃん」…と。

このやりとりを見る限り、普通に友達として接していた訳では無さ気です。
これ以前にドリーは、食蜂の名前を知らなかったのですから。
という事は、能力を使っていたものと推測します。
「心理掌握」で、ドリーの過去の友達に成りすましていたのかな。
たまたまその過去の友達の名前が「み」から始まっていたと考えるとスッキリします。

能力で欺いていた事がばれていた事の驚き。そして懺悔の想い。
それがあのシーンには描かれていたのかもしれません。

悲しき友人との別れ。
そしてそれをぶち壊す汚い大人達。
こんな事があったんです。
人を信じられなくなるのも仕方ないのかもしれません。
また、彼女が派閥を作ることになった一因にもなってるのかもしれませんよね。
縛りをつけなければ、他人と繋がれなくなっているという意味で。
学園都市の暗部に巻き込まれていると言う点では、美琴とも共通点が見出せますし、非常に興味深いキャラですね。

もう1つ、この回想で判明しなかった点があります。
食蜂が木原を憎む理由です。
回想には影も形も出て来なかったですしね。
「エクステリア計画」の首謀者という訳でも無さ気です。
ここも謎な点。

ところでドリー。
クローンだという事が描かれていましたが、ドリーは誰のクローンだったのかな?と。

00000号

このドリーですが、「エクステリア計画」とは別のプロジェクトの"実験体"なようです。
「上から押し付けられた目的すら定かでない人形遊び」と言ってましたから。

では、何の計画なのか?
「量産型能力者計画」だったんではないか。
原作「禁書目録」を未読な人間の戯言ですが、ドリーもまた美琴のクローンだったんではないかな?と。
1号より前の本当の本当のプロトタイプ。
ドリーの顔は、美琴に似てなくもないですし、同じくクローン。
wikipediaで調べる限り、妹達には「00000号(フルチューニング)」という詳細不明な個体がいるらしいですし、この「00000号」がドリーだった可能性って無いのかな?
無いかもしれませんね。
原作既読者からは一笑に付される事かもしれない。
絶対に有り得ない妄想の可能性が高いけれど、こう考えると、木原を恨む理由も食蜂が10032号を助けた理由も想像がつきます。

木原を恨む理由は、ドリーを実験材料として生み出した事。
食蜂は、ドリーを大切な友人と思っていた筈です。
ここは嘘偽り無い彼女の本心で、この騒動の出発点になっていると思うんです。
大切な友人であるドリーを「人間」とは見做さず「人形」として扱い、無残に殺した。
木原を恨む理由としては、美琴だって共感出来る事です。

10032号を保護したのも、木原が狙っているというのもあったんでしょうけれど、それ以上にドリーと同一体のクローンであると知ったから。
美琴に妹達を助けたのは何故か問われた際に、単純に木原が狙ってるからだとすれば、素直にそう言えばよかった。
この点を美琴に伏せる理由は無いのですから。
妹達の第0号と友人だったからという理由ならば、美琴に喋らない理由としても十分だと思うんですね。

もしドリーが妹達の最初期の個体だったならば、多くの疑問が解消するのですけれど、どうなんでしょ。

終わりに

兎も角食蜂の魅力がこれだもかと溢れ出ていた9巻でした。
喋り方がクセになりますね。
「〜力」と言ったり。たまに語尾に「ゾ」を付けたり。

そして、この事態をどう収拾付けるのか。
気になって気になって。

キーパーソンは勿論上条さんですね!!
上条さんと言えば、第8巻第47話の時の描写も気になりますね。

食蜂に抱き着かれて「アレ?今」と言っている上条さん。
初読時は、さらっと流してしまったのですが、食蜂が名乗ってない段階の上条さんの名前を知っていたのは何故なのかという。
彼もその事に気づいて「アレ?」と思ったのでしょうから。
まあ、当然調べていたからなんでしょうね。

ドリーが何者だったのか調べていくうちに、「量産型能力者計画」を知り、その後の「絶対能力進化計画」に行きつき、顛末まで知った。
この段階で上条さんの事も知ったのかなと。
この点も、ドリーの正体を妹達とすれば解消するんだよな〜と思いつつ、何の確証も無いのでこの辺にしておきます。

レベルアッパー事件から始まったこの漫画。
全ての事件の集大成的な展開になってきましたが、ここで終わってしまうんでしょうかね。
木原をやっつけられるのであれば、このシリーズで締めくくっても良いのかなと思い始めております。
物凄く綺麗に纏まりそうですし。

どうあれ、10巻。
楽しみで仕方無いです。

とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲 (9) (電撃コミックス)

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