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「To LOVEる‐とらぶる‐ ダークネス」 メアの口癖"素敵"から見える2つの顔

この記事は

「To LOVEる-とらぶる- ダークネス」の考察記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

「To LOVEる-とらぶる- ダークネス」も30回を超えてきました。
もう2年半くらい連載しているという事ですね。
最新7巻にて、帯には「"ダークネス"発現前のつかの間の平穏!?」と書かれていたり、長谷見先生は「前巻(6巻)でキャラも一通り出揃い、キーワードも出ました」と発言。
これらの言葉を鵜呑みにすると、いよいよ物語も折り返し地点に差し掛かったのかなと思えてきます。
どんどん物語が収束していくのかもしれません。

で、「キーワード」というのは何かな…と考えてみました。
ダークネス
ハーレム計画

あとは、何となくですが、メアの口癖の「素敵」もそうなんじゃないかな?とか思っていまして。
今回は、それについて考えを纏めます。

メアの「素敵」をさらっと纏めてみる

メアが「素敵」と感じたのはどんな時なのか。3巻まで纏めてみました。

先ずは、第1話。
ナナと出会い、ナナの動物と会話できる能力を知った時ですね。
動物と話せる事が素敵と言っています。(1回目)

次は第2話冒頭。
そんなナナと"トモダチ"になれた事を素敵と言っています。(2回目)
その後、ヤミと初めての接触。
リトを殺す事を家族だから応援すると宣言。その状況を素敵と評していました。(3回目)

3話にも「素敵」と言っているメアが描かれてます。
今度は、ナナの「家族だからずっと一緒」という言葉に反応。
ずっと一緒なのが素敵と思ってました。(4回目)
そんで、リトと接触したメア。そこにヤミが現れ漆黒の目でメアを牽制します。
そんなヤミの目を見て「素敵な目」と発言。(5回目)
また、リトの夢を「素敵な夢」とも。(6回目)
極めつけは、モモがヤミをハーレム計画に取り込もうとしている事を知って、その状況を楽しむかのごとく「素敵」と。(7回目)

この3話で計7回も発言したり思ったりしてました。
そこから少しだけ時間をおいて、8回目は7話でした。

美柑を操るマゼンダを倒さなかった事をヤミに問い詰め、「人の温もりを知って」と言われたメア。
意味が分からず落ち込んでいた所を、ナナが友達の動物を使って励まします。
その事について「動物って素敵」と発言。(8回目)
ついでに、ぺろぺろも素敵だったようですw(9回目)

次に、第8話。
モモに仲良くしようと提案したメア。
モモから了承を取り付けて発言しました。(10回目)

9話にも一度出てきてますが、ちょっと使い方が違うので飛ばして第10話。
ミカドと出会って、素敵と言ってます。(11回目)

ここまでを一度振り返ります。

素敵発言から見えるメアの2つの顔

さてと。
「素敵」ってどういう意味なのか。
改めて意味を辞書で引いてみると「自分の気持ちに合っていて、心を引かれるさま。」とか出てきます。
わざわざ辞書を引く必要もない言葉ですけれど、こう改めて意味を見てみると、メアの心境…2つの顔が見えてくる気がします。

一つは純粋な面。
1回目や8回目の「素敵」に代表されるように、純粋に心魅かれて発してしまっていると思われる時ですね。
メアって、心を知らない兵器として生きて来たから、ある意味「まっしろな純粋な存在」だと思っています。
子供のような、邪気が無いというか。無邪気。
故に恐ろしくもあるのだけれど、だからこそ、素直に感動した事を言葉にしているというか。

6回目、9回目に至っては、本当に「良い」と思ったのでしょうね。
特に9回目の「ぺろぺろ素敵」は、11話などに良く現れてます。
メアの深層意識に潜ったお静が、ミニリト達にぺろぺろされて喜んでいるメアを目撃していたり。
4話で「エロい事」に興味があると発言しているので、これも純粋な面からの発言だと読み取れるのかなと。


さて、そうじゃない面もあります。
主にマスターの意志というか…。兵器としての一面から来る「素敵」ですね。
キーとなるのが11話。
メアの記憶の中で、弱い敵を「素敵じゃない人達」と発言しています。

7回目の「素敵」発言の時ですが、ヤミを巡るモモとの戦いをゲームに例えるなど、好戦的な面が随所に見て取れます。
戦いを楽しんでいる節があって。
だから、彼女にとって「戦いを楽しめる要素」は全て「素敵」な事なのでしょう。
よわっちくて、戦いをちっとも楽しめない輩は、だから「素敵じゃない人」になると。

そう考えると、3回目、5回目、7回目、10回目、11回目は、こっちの面ですね。


で、面白いのが、彼女の「素敵」発言を追っていくと、大体の物語が把握できる事…ですかね。

物語が見える…!?

純粋な面から追っていきます。
ナナの能力を素敵と感じ、ナナとトモダチになったメア。
エッチい事を覚え、その過程で「ぺろぺろ」を好きになります。
動物を好きになったり…。

純粋な面で素敵に感じた事を追っていくと、リトに惹かれていく過程とナナとの真の友情物語が描かれていっているのかなと。
(ぺろぺろは、リトへのおねだりという使い方をされていますのでw)

兵器としての一面は、まさにダークネス計画そのものですね。
と言っても、これはネメシスが表に出て来る以前までの事ですが。

ヤミの暗黒面を垣間見たり、モモの計画を知ったり。
だからこそ、モモにコンタクト(友達になる事)を取ったりしたのでしょうし。
なんていうのかな。メアが「素敵」に感じたら、それが次に行動で現れるんですよね。

ミカドを素敵発言した時もそう。
この発言の直前に若しかしたらネメシスから、ミカドの事を聞いていたのかもしれません。
この素敵発言の直後で、彼女らがミカドの動向を探っていた事が描かれていました。(第14話)

あくまでも「メア側の物語」ではありますが、彼女の「素敵」を切欠に全てが動いているように見えるんですよね。

まとめ

メアの素敵発言。
最新7巻でも当然出てきてます。
第25話が本当に分かりやすいかな。「2つの素敵」が分かりやすく描かれているから。

美柑に夕飯を誘われた際は、純粋な顔を出してました。
目を輝かせて「素敵!!」と発言。

野菜を切っていて、"斬るコト"に悦びを感じた時は、兵器の顔が覗いて「ステキ」と感じている。


7巻までを振り返ってみると、どうも「兵器としての顔」の方が多く描かれているメア。
ネメシスが自信を持つメアの闇の深さが此処からも窺い知れます。

ですが、彼女はやっぱり「根っからの悪」では無くて。
「純粋な顔」の割合が多くなっていくと、これは良い傾向と言えると思います。
今後どうなるかは分かりません。
7巻までを「物語の前半戦」とすれば、まだまだメアは兵器のままと言えそうですが、後半で巻き返せれば…。
メアもまた、モモのハーレム計画の一員に組み込まれるのかもしれません。

今後、メアの「素敵」発言には気を付けて読んでみると楽しんじゃないかなと思うのです。