Mangaism

アニメ、漫画の感想や考察を書いてます

「文章系タイトル」に秘められた意味を考えると面白いと僕は思った。

この記事は

ラノベのタイトルに関する記事です。
タイトルって奥が深いのかもしれない。

はじめに

最近よく目にする「文章系タイトル」の作品。
僕が知る多くはライトノベル作品だったりします。

これ、考えてみるととっても面白いな〜と思うのです。

文章系タイトル

「文章系タイトル」って言っても、さっき適当に考えた造語なので何の事か通じないかもしれませんので、例を挙げてみます。
僕の知っている作品、知らない作品も含めて、いくつか抜粋。

  • 俺の妹がこんなに可愛いわけがない
  • この中に1人、妹がいる!
  • 誰もが恐れるあの委員長が、ぼくの専属メイドになるようです。
  • おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!
  • 勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。
  • 俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している
  • お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ
  • この部室は帰宅しない部が占拠しました。
  • 僕は友達が少ない
  • 前略。ねこと天使と同居はじめました。
  • 二次元の砦を守るには不本意ながら彼女が必要らしい
  • 僕の妹は漢字が読める
  • 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる
  • やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

まだまだいっぱいありましたけれど、取り敢えずこれ位で。
このような
主語(無い場合もある)+述語(+目的語)
という基本的な語で構成されたタイトルを勝手に「文章系タイトル」と一括りにしてみました。

「文章系タイトル」は、そのままセリフにして見ても、違和感無い事が特徴ですね。
勿論一部は除きますけれどw
例えばこんな感じに。

うん。違和感無しです。

閑話休題。
えと、これらの何が面白いのか。
先ずは、長いという事実。

長い事が面白い

日本人って何でも略します。
ただでさえ短い言葉でも、より短く略したり、とかく略すのが大好き。
で、そういう略語って結構4文字になる事が多かったりします。

以前これは何故なのか真剣に考えて、ブログのネタにでもしようかとググってみたことがあるのです。
例えば4文字の略語って何があるかな〜?って。
で、たまごまごごはんさんの記事に必然的に出会う事に(笑

参考:マンガやゲーム作品の題名に4文字が多いワケ

僕がブログなんぞ始めるずっとずっと前から、ゴルゴ31さん経由で知っていた大手ブログさんです。
例え内容(主張や考え等)が違くても、流石に同じネタで記事書けないと。
というか、書いても、クオリティの違いから絶対後悔すると。
あと、一度拝読してしまった以上、影響を受けてしまう可能性も否定できないから…。
とか、まあ、色々な理由を以てボツにしたのですけれど、この記事でも書かれているように、アニメ・漫画には「4文字タイトル」のような短いタイトルが流行っていた事もあるんですよね。

特に日常系・萌え系に多い印象を持っています。
これの元祖は何だったんでしょうね。
個人的には「よつばと!」だと思っていたのですけれど、「のらくろ」とかもそうですし、後者なのかもしれません。
後者だとすれば、かなり昔から存在している事で。

なんにせよ、日本人は短い言葉が大好きなんだと思っていて。
特に4文字は言いやすく、覚えやすいですので、そういう理由もあって好んでタイトルに使われているのかもしれないな〜と。

そんな風に思っていた中で、目にし始めたのが「文章系タイトル」なんですよね。
兎に角長い。
基本的に長いから、中々覚えられない事が多い。

だからか、やはり略語を公式側で作る事も多いですよね。
上のリストで言えば、個人的には「僕は友達が少ない」が好きですね。
タイトルの平仮名部分だけを読み拾って「はがない」という略称としている。
きっちりと4文字になっている所がミソですよね。(公式見解かは不明)

他にも
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」⇒「おれいも」(公式見解かは不明)
「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」⇒「おにあい」(公式見解かは不明)
とか。

こうやって、覚えにくさをカバーする事も多いのですが。
「文章系タイトル」は、日本人の好み?の逆行を行っていて、面白いな〜と。
ただ、覚えにくさというマイナス面をもってしてでも、長いタイトルにする理由があるんだろうな〜とも思うのです。

タイトルだけで内容を伝えるという利点

「文章系タイトル」最大の利点は、「予備知識無しの読者に作品内容を伝える事を可能とする点」にあると思うのです。
主語があって、述語があって、目的語がある。
どれかが欠けている事もありますけれど、基本的な文章構造で作られているから、タイトルを見ただけで、中身を想像出来ちゃうのです。

上でずらずら挙げましたラノベ。
殆どはタイトルだけで、内容が想像できます。

これは、一般的なタイトルと比較してみると一目瞭然。
例えば、ジャンプ漫画から。

  • DRAGON BALL
  • ONE PIECE
  • NARUTO
  • BLEACH
  • 銀魂
  • スケットダンス

タイトルだけで、どんな作品なのか分かる事って少ないです。
「ONE PIECE」という言葉だけ聞いて・見て、何も知らない人が「海賊王を目指す冒険ロマン漫画」と言い当てられるかというと、まあ、無理ですよね。
当てたら、その人は間違いなくエスパーです(笑
大抵の人は「世界で一番売れるワンピースを作る事を目指す服飾デザイナーの物語」と考える事でしょう。

冗談はさておき、こういう一般タイトルでも、中身が類推出来るものもあります。

  • 金田一少年の事件簿
  • 名探偵コナン

作品の事を何も知らなくとも、ミステリものなのかなという想像は容易につきます。
故に、「文章系タイトル」だけが、内容を類推出来るとは言えません。
ただ、一般的なタイトルよりも、より複雑な内容を正確に伝える手段であるとは思うのですね。

とはいえ、タイトルと類推した内容と実際の内容が、全く異なるという例もあります。
僕の場合では、昨年TVアニメにもなった「だから僕は、Hができない。」が良い例ですね。

てっきり、日常系ラブコメかと思いきや、SF要素がふんだんに盛り込まれた作品でしたので、ビックリ。
まあ、原作とアニメはストーリーが違う様なので、原作を読めば、また違った印象を受けるかもしれませんけれども。

また、タイトルから内容を推し量れない事もあります。
先程調べていて知った作品に「嘘の上で天使は何冊マンガを読めるか?」というラノベがありました。
タイトルから内容が全く読めなかったんです。

このように「文章系タイトル」でも、想像した内容と違ってたりする事もあれば、全く想像すら出来ない作品もあるという事ですね。
一概には言えない事ですが、「文章系タイトル」で内容を類推する事も十分可能であり、ラノベの場合、これは狙って付けているんじゃないかとも思うのです。

文章系タイトルにする必要性

以前の記事にも書いた事ですけれど。
ラノベって中身を知ってもらう機会って、とても少ないです。

先ず、雑誌が少ない。
現在刊行中なのは、「GA文庫マガジン」、「Cobalt」、「ドラゴンマガジン」、「電撃文庫MAGAZINE」等6誌くらいですかね。
調べた範囲では。
雑誌を持たないレーベルも多くあります。

雑誌があっても、漫画とは違って書き下ろしが多いので、やはり内容を知ってもらう機会は、漫画に比べれば遥かに少ないと思うのです。

アニメ化、コミカライズ、ゲーム化等々
メディアミックスが何よりも重要になってくるのがラノベなど活字媒体で、何故重要かというと、やはり中身を知ってもらう為かなと。
最近、1冊まるごとwebで公開している出版社もあるようですし、それ程中身を知ってもらうのは、出版社にとっても重要な位置にあるのでしょうね。

理由としては、人間、中身を知らない・分からない作品にはなかなか手を付けないからですね。
逆に中身を知って貰えさえすれば、購買機会はグンと増す訳で。

ラノベだとその中身を知る機会は、表紙イラスト、裏表紙の解説文、帯、そしてタイトルに委ねられることが多い気がします。

そこで、タイトルを巧い事利用するのかなと。
「文章系タイトル」は、中身の分からないラノベの内容を的確に読者に伝える手段の一つになっているのかもですね。
だから、こういうタイトルがラノベには多くなっている。
実際そんなに多いという訳では無いみたいですけれども。

こんな風な事を考えて、だから、面白いな〜と思った次第です。

最後に

タイトルから中身を類推出来ないモノもあると書きました。
これ、類推できないからこそ、興味が惹かれる事もあるものですね。

「ぼくたちには野菜が足りない」。
ラノベだそうですね。

内容が全く読めません(笑
野菜嫌いの少年達の物語なのでしょうか。
農家の少年達のほのぼの物語なのでしょうか。
これは、惹かれます。

わざと内容を読めないようにするという手も、なかなか面白いな〜と、調べていて気付きもしましたw