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劇場版「FAIRY TAIL 鳳凰の巫女」のDVDを何故コミックスに付けるのか考える

この記事は

「FAIRY TAIL」の映画を収録した限定版コミックスが出るようです。
何故そのようなことが可能で、そのような発売形態にしたのか?意味も無く考察。

はじめに

「FAIRY TAIL」の35巻OAD付限定版を買ってしまいました。
買う予定無かったんですよ。通常版を買えばいいやと思ってたのに。
某画像掲示板で発売当日に「すごくエロかった。買った方が良い」とか書かれてて。
それ見て「ハハ。所詮大した事ないやろ」とか思ってたのに、気づいたら限定版持ってレジに並んでました…。

ま〜、うん。
エロ目当てで買う必要は全く無いと思いますよ。ハイ。
ちなみに僕はエロくないです。普通です。普通のへんたi

えと。何の話だったか…。
そうそう。この次の36巻に関してですね。

この夏全国松竹系で公開された劇場版「FAIRY TAIL 鳳凰の巫女」。
原作の真島先生も関わったこの映画の本編を収録したDVDが付いた限定版が出るそうです。
しかも、映画前売り券に特典として配られた冊子に収録された真島先生描き下ろしの漫画を映像化。
特典映像としてDVDに収録されるという太っ腹仕様。
本編80分に映像特典(新作アニメ)20分の計100分のDVDが付いて3980円。

これって、凄く安く思える。
コミックスが440円だから、DVDだけの価格は3540円以下。
ここ数年DVDビデオが安くなっているとはいえ、3540円はとっても安い部類です。
(洋画のDVDは、日本のモノとは事情が異なるので、比較にならない位滅茶苦茶安いですがw)
これで商売成り立つの?と思ってしまいます。

DVDとOADの価格差

TVシリーズのDVDの価格を調べてみました。
アニメ「FAIRY TAIL」のDVDはポニーキャニオンから毎月1巻発売されており、現在34巻まで出ております。
1巻辺り4話収録され、これは上記映画版収録のDVDとほぼ同等の96分。
価格は5775円です。

同等の収録時間なのに、2200円程差があるようです。
単純な比較は無意味ですが、やっぱりこう比べてみると安く思える。

何故か?というと理由は有名ですね。
一般のセルDVDとOADでは、流通ルートが異なり、中抜きの割合が変わるからです。
ざっくり言うと、アニメが作られDVDにプレスされ、発売されるまでに関わる企業がOADの方が少ない。
だから安く出来るし、安くても利益が出る。

と、余談ですが、ざっとこれまで出たOADの値段(DVD付限定版コミックスの値段)を調べてみました。
「OAD」という言葉を生み出した講談社の作品を中心に表にまとめました。

タイトル 巻数 価格
KISS×SIS 9巻 各3700円
金田一少年の事件簿 全2巻 各3280円
さよなら絶望先生 全4巻 各3470円
School Rumble 全2巻 3360〜3480円
生徒会役員共 3巻 各3465円
ツバサ 全2巻 各3700円
To LOVEる-とらぶる- 全6巻 各3570円
To LOVEる-とらぶる-ダークネス 2巻 各3610円
FAIRY TAIL 4巻 各1980円
魔法先生ネギま 映画 4980円
魔法先生ネギま 全8巻 3570円〜3690円
みなみけ 2巻 各3700円

調べた中では、OADの「元祖」は「スクラン」なのかな???
一番古かったです。
で、一番高値だったのは「ネギま」の映画版収録の限定版。
約30分収録が通常の所、映画になると倍以上になったりしますからね。
値段が上がるのは、当然なのでしょうね。

あと、日販の通販サイトe-honで調べると、実に100件以上ヒットして、ビックリしましたw
全て「DVD付限定版コミックス」という訳では無いみたいですけれど、それにしても多くて…。

この多さから見ても、決して商売として成り立たない訳では無い事が垣間見えます。(当然失敗はあるでしょうけれど)
商売として成り立つ事は明確なようですが、にしても前例があるとはいえ、映画まで「おまけ」にして良いのかな?と。
何故単品で売らないのでしょう?

何故OADとして発売するのか?

「フェアテ」の映画ですが、どうやら来春にBDは発売されるようです。
DVDの単品発売がされるのかは不明ですが、もしされないとしたら…。
何故コミックスの付属として出す道を選択されたのか?

考えられる理由としては、よりセールスを伸ばす為…なのかなと。

BDがDVDにとって代わられるようになってから、多くの作品では、DVDとBD両方のメディアでソフトを発売しております。
ここから、僕の狭い主観でDVDとBDのセールス状況を見ると…。

深夜アニメは圧倒的にBDの方が売れている印象が強いです。
深夜アニメを見ている層は、画質に拘りが強い方が多いのでしょう。
1000円程の差であれば(実際両メディアの価格差は大体1000円)、画質の良いBDを選んで購入している。
まあ、作品によっては特典などであからさまな差をつけてきますからねw
「けいおん!」のDVDとBDの特典の差には、ビックリしましたものw

ただ、「フェアテ」等夕方や朝、ゴールデンに放送されているアニメは、DVDの方が未だに上な気がします。
というか、これらの作品ってBDが出る事自体が稀というか。
うん。基本売れないんでしょうね。
「銀魂」等一部特殊な作品もありますけれど、然程売れないし、売る必要もないから、価格も製作費も高いBDは作られないんでしょうね。

では、映画のソフトはどうか?
全日帯アニメの映画版ソフトは、BDでも売れる作品は売れるようです。
勿論作品によって異なる訳で、「FAIRY TAIL 鳳凰の巫女」のBDが売れる保証ってどこにもありません。
そんなに売れないんじゃないかな。
興収も3億行ったかどうか程度だったようですし…。
多分これはDVDでも同じ。
単品のDVDでも大して売れない気がします。

では、OADとしてコミックスに付属するとどうか?
「FAIRY TAIL」のコミックスですが、30巻で初版60万部。累計2252万部発行しているそうです。
「週マガ」歴代でも既に10位らしい(汗
そんなに売れてたんだ…。
(参考:http://www.geocities.jp/magazine_rank/magazine3.htm


で、初版≠実売であり、今回は実売の方が重要かと考えます。
実売なんてそれこそ出版社でしか把握できない事で、一般に公表される事もありません。
という事でオリコンの推定売上部数を参考にします。
8月に発売された34巻が、9月17日付ランキングまで残っていて、計448522部。
過去に発売された限定版の推定売上部数も調べました。
6月に出た33巻。45380部。
この33巻限定版は、総集編DVDなので、他のより安く940円だから、これだけ売れたのかもです。
2月発売のオリジナルアニメDVD付31巻限定版(1980円)は、ランキングに入ってなかったから(汗

さて。なんにしろこれである程度の指針は出来ました。
原作コミックス購入者は約45万人。
その中で、アニメ版にも興味がある人が4万5千人程。
おお!!丁度10分の1ほどですねw

更にここから価格の分比例して少なくなると予測すると、約1万〜1万5千人程でしょうか。
映画付限定版コミックスを買うかもしれない人は。

まあ、こんな単純計算で予測するのも馬鹿馬鹿しいですが、仮に1万部売れたとしても、驚異的ですよね。
単品DVDやBDの世界でも1万売れたら、相当凄い…ですか?
いや。全く知らないのですが…。
多分凄いと思う。

★追記
35巻限定版のオリコン推定売上部数が出ました。
発売3日間で60837部だそうで…。
思った以上に売れてる…。驚きました。
こりゃ、36巻限定版も期待できるのかも。
★追記終わり

なんていうか。
コミックスの購入者数と映像ソフトの購入者数では、ダンチだと思うのですね。
市場がより大きく、かつ、単品で売るよりも安く出来るのならば、売れる可能性も高まる。
だから、映画のソフトと云えど、コミックスに付属して売るのかもしれませんね。

まとめ

捕らぬ狸の皮算用。
とは言わないけれど、無粋であることは確か。
安い値段で、映画版を提供してくれるのだから、ただ喜んで享受してれば良いんですよねw

実際映画見に行きましたけれど、なかなか面白かったですよ。
少年漫画のアニメ映画の王道という感じで。
捻くれず、ひたすら真っ直ぐに描かれているのだけれど、終わり方がなかなか味わい深い事になっているので、賛否ありそうですが…。
僕は良いと思っちゃいました。

まあ、そんな訳で多分36巻限定版は買うと思います。
BDまで欲しいとは思えないし、安いDVDでw