Mangaism

アニメ、漫画の感想や考察を書いてます

2012年春アニメの私的ベストエピソードを選んでみた

この記事は

2012年春アニメの総括記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

前回は1作品ずつ全話見た作品の総括を記事にしてきました。
このブログ始めた時は、それを毎期続けていこうかと思いましたが…。
とある理由から今回からやめて、その代わりにこういった記事を書いてみようかと思います。

僕が見た春アニメ全作品の中から、個人的に最も面白かった・感慨深かった回をセレクト。
その回について、感想を書きます。

今期僕が見た作品は以下の通りです。

タイトル 詳細
君と僕。2 全話視聴
這いよれ!ニャル子さん 第2話のみ未視聴。他視聴済
これはゾンビですか? OF THE DEAD 全話視聴
LUPIN the Third -峰不二子という女- 全話視聴
めだかボックス 全話視聴
坂道のアポロン 第11話未視聴。他視聴済
つり球 第11話未視聴。他視聴済
あっちこっち 全話視聴
夏色キセキ 全話視聴
Fate/Zero 全話視聴

10作品。意外と多かったですね。
「ノイタミナ」2作品は、11話のフジテレビでの視聴を逃してしまった為、2週間後のBSフジ待ちなのですが…。
それを待っていると時期を逸してしまう為、このタイミングで書く事としました。

ではでは。
マイ・ベスト・エピソードの発表です。

ベストエピソード「坂道のアポロン」第7話「ナウズ・ザ・タイム(Now's the time)」

□メインスタッフ
脚本:加藤綾子 / 絵コンテ:松尾衡 / 演出:出合小都美
作画監督:Cindy.Hideko.Yamauchi / 美術監督:上原伸一

□あらすじ
星児のバンド、オリンポスに参加することになり、練習に忙しい千太郎と、学園祭の実行委員に選ばれた薫。
2人の距離は、開いていくばかりだった。
そして迎えた学園祭の当日。観客の歓声を集めるオリンポスを目にして、薫は苦々しい想いを押さえきれない。
しかし、そのステージで思わぬトラブルが発生して……。
(公式サイトより引用)

□感想
作品全体の評価としても11話を未視聴のクセに「ノイタミナ」2作品は他を圧倒しました。
中でも最初からロケットスタートをしてくれて、最後までその勢いを維持したままゴールをしてくれた「坂道のアポロン」は筆舌に尽くしがたい作品となりました。
そんな同作より、僕はこの第7話を「春アニメ視聴した全作品全回No.1」として推させて頂きます。

この7話は、一つのクライマックスであったと考えています。
第6話で「裏切られた」という自分勝手な思いから千太郎を捨ててしまった薫。
そのシーンから幕を開けて、オープニング後薫の登校シーンから始まる。
「足が重い。この坂道を初めて登った時と同じくらい」というモノローグがこの時の薫の心境を表している。

繊細かつ人付き合いの苦手な薫にとって、初めての登校というのは何度しても慣れる事の無かった事。
非常に気の重い時だと思うのですね。
それと同じくらい気が重い。
自分から吹っかけたこととはいえ、千太郎との喧嘩は薫にとってそれ程辛く重い事だという事が分かります。

千太郎はと言うと、星児の「家族を楽にさせたい」という気持ちに深い共感を憶えた為に、オリンポスを投げ出したくはない。
けれども、薫との仲も元に戻したい。
百合香を巡る淳一とのいざこざもあって、千太郎にとっても凄く辛かった時期であったと推測できます。

共に傷つきつつ始まった文化祭。
オリンポスの演奏中にとあるハプニングが起こって…。

律子が2人の演奏を聞きながら「まるで王子様が2人で仲良く喧嘩しながら帰ってきたみたい」という思いを抱いているのですが、まさに僕もそう感じるような演奏だったんですよね。

薫がピアノを弾き始めて、千太郎がそれに合せる訳でなく、割って入るようにドラムを鳴らし始める。
「あ〜なんか京都行きたいな〜」と薫の演奏を聞きつつ思っていた頃は、ピアノの音とドラムの音が互いに自己主張をしているように聞こえて。
曲が変わって(変わってますよね? 汗)からは、独奏からセッションに変わったような感覚を覚えました。

なんていうのかな。
臭い言葉ですが「2人の間に言葉は要らない」よねって。
既に2人は、ジャズで語り合うことが出来る仲になっている事が存分に伝わってくるんですよ。
ひたすら格好良いんですよ。

ハプニングの間を持たせる為の演奏がいつの間にか2人の仲直りのシーンになっていて。
本当の意味で2人が相棒になったと思えた瞬間だから、物語の一つのクライマックスのようにも思える。

そしてあのラストですよね。
オープニングで足が重かったというシーンの対比。
「体が軽い。まるで生まれ変わったみたいに」というモノローグが全てを物語っていますよね。

このシーンの「2人で坂道を跳ねるように駆け下りる」というシークエンスは、この作品の大切な要素なのだと思うのです。
オープニングでも、エンディングでも、そして最終回でも。アニメにとって重要な箇所では必ず描かれているんですよね。
この「坂道を駆け下りる」という行為は、社会や学校など彼らを取り巻く様々な柵からの脱却を表現しているのじゃないかなと思う。
坂を駆け下りるのって、思った以上に足に負担が掛かるし、駆け上るのと体への負担的には大差が無いと素人的には思えます。
ただ、見た目的には、駆け下りる仕草の方が軽快に見えます。
そういうイメージから、駆け下りるという行為に、「自由になる」みたいな意図を加えているのではないかなと推測。

まぁ、それはさておきまして。
そんな大切なシークエンスを、この6話でも描いていたという事実からも、僕はこの6話が作品としての一つのクライマックスであるという思いを強めました。

薫と千太郎。
2人のぶつかる思いが高まり合って、ジャズのセッションと言う一つの形として顕現させて魅せてくれたこの回。
僕は2012年春アニメでベストエピソードであったと思います。

他アニメについて少し。

余談となりますが、次点以下を簡単に書かせてもらいます。

〇「夏色キセキ」 第12話 「終わらないナツヤスミ」
友人の転校と言うのは非常に辛いですよね。僕も何度か経験しましたし、その度にかなり落ち込みました。
出来れば無かった事にしたいという気持ちは、だからこそ深く共感できる。
けれど、実際はそんな事は無理であって、ましてや訳の分からないキセキで無かった事にして欲しくない。
そう思っていたのです。
繰り返される1日を何度も何度も経験して、少しずつ前向きに受け入れていくという過程が、だからこそ非常に心に響きました。
第11話も個人的には良かったんですよね。
「ダンス入れるだけでオタは褒める」みたいな揶揄する声もありますが、それだけでベタ褒めしたっていいじゃない。
あのレベルの作画がどれ程大変なのかは僕のような素人には分からないです。
が、凄い大変そうだという事を察する程度は出来るし、そこは手放しで称賛を送りたいのです。
でも、それ以上に「アニメ全体の印象を良い意味で覆してくれた」第12話は素晴らしいものでした。


もう1作品だけ。


〇「めだかボックス」 第11話 「これで決着だ!!」
先ず言っておきますと、僕は原作既読です。
とはいえジャンプ連載でしか追っていませんので、間違っているかもと思い先日ネットカフェで確認してきました。
確認をして、確信をして、そしてこの回の素晴らしさに気付けました。
アニメ版では「お花畑にする」というめだかの志を非常に大切に扱っていました。END曲もそういう歌にする位。
この設定、原作では早々に忘れられていきます。
なので、さして重要な事では無いのですが、アニメでは中心に添えてくれた。
終始一貫して「花」を描いていたのですよね。
11話では、踏み続けていた花から足を退けるめだかの姿を描いたり、生徒会メンバーでお花畑の中にいるようなイメージを描いて、「めだかの生徒会長としての仕事の成果が実っている」事を表現していて。
原作では大した意味を持たせられなかった設定を良い意味で昇華してくれた。
これによって、シリーズ全体が「花」というモチーフで綺麗に纏まってるように感じました。
急なバトル展開がすんなりと受け入れられるようになっていたかなと。
それを最も表していたと個人的に思えたこの回を「めだかボックス」ベスト回としました。

終わりに

思ったよりも長くなりました。
久々にアニメの感想を書きましたが、やはり難しい。
しかも書き方を忘れてますねw
どうもうまくいきませんでした。

アニメの各話感想や総括も素晴らしいものですし、年間を通したベスト10みたいな企画も他のブロガーさんがやってますよね。
これらは僕には難しい。でも、何か似たような事はしてみたい。
という訳で中途半端にも思えますが、個人的にこういった記事が1つくらいあっても良いのかなと思い書いてみました。

次も出来るまでこのブログがあれば良いですねという事で締めます(笑