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「To LOVEる‐とらぶる‐ ダークネス」が人気な理由を考える

この記事は

「To LOVEる-とらぶる- ダークネス」に関する記事です。
正直何が言いたいのか僕にも分からないw

「ダークネス」に入って売り上げを伸ばしているという客観的事実

単純にデータを見て頂ければ分かると思います。

|142,129┃*71,995(3)|*54,495|*15,639|---,---|To LOVEる-とらぶる- 18(合計169,315)
|*27,186┃*27,186(3)|---,---|---,---|---,---|To LOVEる-とらぶる- 18 アニメDVD付予約限定版
|189,837┃130,735(3)|*59,102|---,---|---,---|To LOVEる-とらぶる- ダークネス 1
|252,486┃215,912(7)|*36,574|---,---|---,---|To LOVEる-とらぶる- ダークネス 2
|308,059┃186,049(3)|*93,268|*28,742|---,---|To LOVEる-とらぶる- ダークネス 3

上記データは、オリコンが集計しているコミックス売上データです。
項目は左から
累計売上数、初週売上、2週目売上、3週目売上、タイトル
となっています。

「To LOVEる-とらぶる-」18巻(最終巻)は限定版合算で169,315冊。
「ダークネス」は最新3巻が30万部以上とほぼ倍近い伸びを見せています。
発行部数では無く、あくまでもオリコンが集計している売上データである為参考値程度に受け止めるのが正しいとは思いますが、
それにしても売上が伸びているというのは事実だと思われます。

全盛期の「To LOVEる-とらぶる-」は、現在の「ダークネス」とほぼ同等かそれ以上の売上を誇っていたとは思いますが(データが無い為根拠も無いですがw)、
それにしても、この伸びは目を見張るものが在ります。
4巻発売を目前にして、では何故売上が回復しているのか。考えてみようと思います。

パワーアップしたエッチい描写

どう考えてもこれが大きいのは隠しようの無い事実でしょうね(笑)
これは掲載誌の方針(対象年齢層)の違いによるところが大部分なのでしょう。

「ダークネス」を連載しているジャンプSQは、週刊少年ジャンプよりも対象としている年齢層が上であると推測できます。
これは連載漫画の中身を比べれば、火を見るよりも明らか。
対象年齢が上がれば、性的・暴力的表現の規制も緩くなり、結果「ダークネス」に於いてより過激なえっちいシーンが描けるようになったと思うのです。

とはいえ、最後の一線だけは守っているのも事実。
恐らくですが、直接的な描写すらしなければ、この一線を越える事は可能だと思うのです。
週刊少年ジャンプでも「いちご100%」でやらかした事実がありますしね。
「いちご100%」よりかはもう少し具体的に描ける可能性は十分にあると考えます。

でも、これを行わないのが、この作品の一番凄い点だと思います。
少し本作の事から話題を離してみようと思います。

少年誌でエッチい漫画が持て囃される訳

こんな事馬鹿みたいに考える人はあまりいない様な気もしますが…。
何故だか考えてみると面白いんですよね。
週刊少年ジャンプに限ってみると、古くは桂和正氏の漫画があり、氏の作品は未だに頂点だと言うファンも多いと思います。
氏を筆頭に、前述の「いちご100%」等の作者である河下水希氏や勿論矢吹氏等々、
一つの時代には必ずと言っていい程、お色気担当漫画が存在し、その時代の少年達を虜にしてきました。
いや、少年だけでは無くて良い大人達まで魅了してきたというのもまた事実でしょう。

少年がそういう作品を求める理由は分かります。僕だって男ですから、そういう気持ちは理解できるのです。
しかし、大の大人達まで群がるのは何故か。
もっと過激な、それこそAVや漫画が良ければ18禁の専門的な雑誌なんてごまんと読めるのに、何故少年誌のお色気漫画なのか。

理由は人によって様々あるのでしょうが、その中でも最も大きいと思われる理由を僕はこれだと思っています。
そう。
規制があるから。

読者は皆分かっているのですよね。
少年誌だから、どこまでが許されて、どこからがアウトか。

だから、その境界線を越えるか越えないかギリギリの描写をしている作品は絶対に人気が出るのです。
それだけで話題となり、多くの人の注目を浴びるのですから。
桂漫画も河下漫画も、そして「To LOVEる」も同じ。
その限界ギリギリ、時には破ったような画を描いているから人気なのだと思っています。
規制の無い(無い事は無いでしょうか、ほぼ無いに等しいのでは)18禁漫画があるにも関わらず、少年誌連載お色気漫画が大人に読まれている由縁だと考えます。

これは何もお色気に限った事ではありませんよね。
アニメになってしまいますが、分かりやすいのがアニメ版「銀魂」。
よく「深夜に放送すべき」という分かりやすい”褒め言葉”を目にしますが、まさにこれもその代表。
夕方アニメの(規制の)枠を悉くぶっ壊しているので、アニメ版「銀魂」は人気を博しているのでしょう。
その分槍玉に挙げられる回数も多いでしょうけれどもw


ここで「ダークネス」の話に戻ります。
そうなのですよ。ジャンプSQにだって当然この規制ラインは存在している筈です。
そして多くの読者はこのラインを無意識に想定しているのではないでしょうか。
だからこそ、その想定ラインを超えるかどうかで毎回凌ぎを削っている「ダークネス」も
お色気漫画として評価されていて、よりそのラインが上に上がった分、人気も取り戻しているのではないかと考えます。

キャラ描写により力を入れている点

真面目な話、この事も大きいのではないかと考えます。
無印時代よりもヒロイン一人一人にスポットを充てて、より濃密にキャラの心情を描いているのが「ダークネス」。
その分各ヒロインに感情移入できるんですよね。
その効果か、扱いも良くなっていると思うのですよ。

無印の時はあくまでもララと春菜のダブルヒロイン制でした。
これはリトの視点で描かれていたため当然と言えば当然。
他のヒロイン達は、やはり1歩も2歩も引いて描かれていました。

「ダークネス」になると、今度は視点がリトからモモに移ります。
モモはリトのハーレム建設を目指している為、モモにとってハーレム入り候補の子ならばあまり差が無いのですよね。
リトの意志とは無関係に、モモが気に入れば誰でもメインヒロインになれるのです。
だから、これまで以上に平等に各ヒロインが前に出て来れる。
いわば全員がメインヒロインという訳のわからない(笑)状態になっている訳です。

その為、ララ、春菜以外のヒロインのファンでも心から楽しめる作りとなっていて、これも売上に貢献している理由ではと考えます。

あとはもう単純にストーリーに縦軸が出来たからでしょうか。
無印の様な1話完結のコメディではなく、シリアスなメインストーリーが存在し、それが気になるからという読者も少なくは無いのでしょう。


なにはともあれ、僕も大好きなこの作品。
以後もこのブログでは取り上げさせて頂きます。

To LOVEる -とらぶる- ダークネス (4) (ジャンプコミックス)

To LOVEる -とらぶる- ダークネス (4) (ジャンプコミックス)