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「俺物語!!」 感想

この記事は

実写映画「俺物語!!」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

「俺物語!!」を鑑賞。
鑑賞動機は、アニメが面白かったからというのと、鈴木亮平さんが最近お気に入りの役者さんだから。
「変態仮面」には痺れました。

さて、簡単に感想を。

鈴木亮平さんという名優

キャスティング面を見ていきます。
鈴木さんがやはり抜群に良かったです。
凄いわ。
「変態仮面」の時とは別人。
正しく剛田猛男でした。
見た目は言わずもがな。
原作最新10巻表紙を書店で見た時、思わず店頭で笑いそうになりましたもの。
ポスターにそっくりすぎて。
溢れる漢っぷりと笑えるコミカルな変顔を使いこなし、見事なまでの猛男っぷりを披露。

声にしても、アニメ版の声優である江口さんの声質に近いものを感じる事も時折あり、自然に入っていけました。
元々が美声。
変態仮面でも無駄に格好良い声を出してましたしw
声の部分でも猛男そのもの。
全ての面に於いて完璧に猛男そのものだから凄い。

他、メインキャストは凛子と砂。
大事な役どころです。
正直に言えば、一報を見た時は「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」という感じでした。
アニメからの印象と掛け離れている感がありました。
が、映像で見るとガラッと変わるものですね。
大和役の永野さん。
口調におっとり感は無かった為、アニメとは印象が大分異なっていたのは確かですが、時間が経つにつれ永野さん版大和の良さに惹かれていました。

坂口さんの砂も似た感じ。
やや演技の面で「ん?」と想ってしまいましたが、なかなかの好青年っぷり。
オチで使われた猛男に練習キスを迫られるシーンの慌てっぷりには大笑いさせられました。

脇役に目を転じれば、僕としては「亀山夫妻」の登場振りに違う意味で大興奮(笑
サルウィンから日本に戻ってきたんでしょうか。
さっさと警視庁に復帰して欲しいものです。

冗談はさておき、キャスト陣はなかなかに良かったです。
コレと言って原作(といってもアニメしか知らないので、アニメ版の印象)と大きくかけ離れているということも感じず。
良いメンバーに恵まれていたなと。

「俺物語!!」では無かったかな

さて、シナリオ。
結論から言えば「俺物語!!」では無かったと。
原作のエピソードを抽出し、再構成しているだけで、「本質」をオミットしてしまった感じ。
原作ファンから批判が出ようと、もう少しオリジナル色を打ち出しても面白かったんじゃないかな。

僕が思う「俺物語!!」という作品は、猛男と凜子が付き合ってからが本番の作品なのです。

晴れて彼女となり「守る対象」となった凛子を漢らしく守る猛男の魅力が作品の本質。
それをコミカル要素たっぷりに描写している。
上で触れた練習キスのエピソードもそうですよね。
不器用ながらも必死に頑張る猛男。
親友の砂に助言を求めながらも、真摯な想いと紳士的な態度で凛子を大切に大切にしていく様子が楽しくて面白いんです。
そんな猛男に釣り合うだけの魅力を持った凜子も、また余計に可愛く見えるんです。

でも、この映画版は「付き合うまで」を描いたもの。
言うなれば「普通の恋愛映画」に落ち着いてしまっていたのかなと。

こうなってしまったのも分かるんですけれどね。
連載中の作品に、映画として1つの結末を用意しないといけないのですから。
恋愛モノの多くは付き合うことが結末になるので、そうするのが自然ではありますし。
なんだか変に原作に遠慮したことで、逆に原作の色を見失ってしまった感が…。
付き合うまでの過程をコンパクトに収めて、そこからオリジナル展開にしてでも映画ならではのオチに持って行っても面白かったんじゃないかな。

猛男の漢っぷり、友達想いな面も描かれていたのですが、鈍感な面が目立ってしまったのは残念でした。
まあ、凛子自体勘違いさせるような言動を取っていたというのもありますが…。

「俺物語!!」では無かったのですが、それでも、猛男が凛子の気持ちに気づく一連の流れはグッとくるものがありました。
恐らく砂から情報を仕入れたんでしょうね。
凛子がカメラの裏で猛男に好かれようと頑張っていた様子を砂のナビで後追いするという流れが僕の涙腺を刺激(笑
好きの気持ちの大きさを実感できますよね。
猛男にしても、自分の気持ちが報われるという実感が次第に湧いていく内面が見て取れて、見ているこちらも気持ちが盛り上がっていきました。
告白シーンへの持って行き方は、原作よりも盛り上がれました。

おわりに

個人的には「俺物語!!」を見たという感じでは無かったんですが、一定の満足感はありました。
キャストが良かったからですね。

今回は猛男の内面の魅力の全てが発揮できていなかったので、だからこそこの続きを見てみたい気持ちは強いです。
続編があれば、それは2人が付き合ってからの「本編」なのですからね。
猛男の魅力が存分に見れます。

「次」があれば喜んで劇場に足を運ぼうと思います。