アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

「ドラゴンボール超」に期待する悟空の弱さの克服

この記事は

「ドラゴンボール超」妄想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

7月から始まる「ドラゴンボール超」についてあれこれと妄想してみました。
主に敵キャラについてですね。

正直に言えば、今までの敵よりも強い敵っているんだろうかという疑問が拭えないんですよね。
尚、当記事は「復活の『F』」のネタバレを含みます。

フリーザ最強説

「ドラゴンボール」シリーズの敵キャラは作り辛い。
鳥山先生もアニメスタッフもこの共通した認識をお持ちなのではないか。
未だにそう信じ込んでいるのですが、実際「GT」の頃は、このような考えで作られていたという証言があります。

「GT」で何故悟空が小さくなったのか、何故宇宙を舞台にする事になったのか。
どちらの疑問も「悟空が強くなり過ぎたから」と「パーフェクトファイル」には記されていました。

悟空が小さくなったのは、「悟空が強くなり過ぎて、成長を描くことがとても難しかったので」。
宇宙に出たのは、「悟空が強くなり過ぎて、地球上での敵が作り難かったから」。
(「パーフェクトファイル」裏話Q&A編 より)

「何故超サイヤ人4を登場させたのか」の回答が「パーフェクトファイル」と「パーフェクトファイルNo.2」で違ってたりするので、若しかしたら本のライターの考えであって、スタッフの考えでは無い可能性もありますけれど。

また、鳥山先生自身も「神と神」や「復活の『F』」を見るに、どうも新しい敵を作ろうとされていないというか。
というのも、2作の敵が敵と言えなかったり、フリーザ様だったりしたからですね。

そもそも、原作の敵を改めて振り返ってみると、フリーザが最強だったという事実にぶち当たります。
言うまでも無くブウが最強であるのは事実なので、当然ながら制約を付ければの話なのですけれど。

どんな制約か。
「悟空達が生きている現代に於ける最強の敵」という制約です。

そう。
フリーザよりも強いセルもブウも、「悟空達が生きている現代の敵」では無いんですよ。
ブウは遥か古代に作られた魔人であり、現代で蘇ったのは封印が解かれたからです。
もしもバビディが封印を解かなければ、ブウは二度と蘇ってくる事は無く、故に悟空達の前に敵として立ち塞がる事も無かったでしょう。

セルはと言えば、ずっと未来からの敵。
現代に生きる17号と18号が居なければ最終形態になれないという事情こそありますが、それでも「悟空達が生きている現代の敵」とは言い難い。
現代のセルは、トランクスとクリリンに破壊されていますからね。

時間という概念を枷にすることで、フリーザはある意味でセルよりもブウよりも強いと見做せるかと。

但し、ラスボスの括りを外せば、フリーザより強い敵なんてゴロゴロしてます。
ヤコンとかダーブラとかでもフリーザより格上ですし、16号から18号もそう。
描写が少なすぎたので不明ですけれど、若しかしたらプイプイもフリーザを凌ぐのかもしれません。
ここで挙げた敵は皆「現代」の敵なので、時間の概念を導入しても、フリーザを最強とは呼べなくなってしまいます。
今まではそうでした。
それが、「復活の『F』」で全てひっくり返りましたよね。

超サイヤ人ゴッドSS状態の悟空とベジータには敵わなかったものの、パワーの最大値だけで言えば互角にまで高めたフリーザ。
どう考えても、時間軸とか関係無しに全敵キャラ最強の位置に上り詰めました。

そんな「現代最強」を今回の映画で倒してしまったのです。
「ドラゴンボール超」は、原作のブウ編後から最終回までの間のお話。
更にいえば、「神と神」と「復活の『F』」の後のお話。
もう敵を作れないんじゃないのと思っちゃいます。
超サイヤ人ゴッドSSよりもまだ強いビルスを改めて敵にするには今更感強いですしね。

過去の敵であるフリーザを改めて前面に出し、その上で最強へと昇華させた。
そんな敵をある程度余裕を以て悟空達は倒しちゃいました。
その姿から悟空達に敵は居ないんじゃないかと思うには十分だったんです。

DBの負の側面

それでもシリーズは作られるのですから、敵も作られるんですが…。
どうなるんでしょうね。

最も可能性が高いのは、「神と神」で存在が仄めかされた「他の宇宙からの敵」。
ビルス以上の存在もいるようですし、別にビルスより強い必要も無い。
悟空達と対等に戦える敵としては、現時点で最有力なんではないでしょうか。

もう1つ。
可能性としては、圧倒的に低そうですが、「過去の悪人の復活」とかも考えられます。
フリーザの復活と同じですね。
ドラゴンボールによって、フリーザよりもブウよりも凶悪な奴が蘇ってしまうというもの。
んで、僕的にはこちらを推したい。

同じネタの繰り返しになってしまう為、やはり可能性としては低いと思うのですよ。
けれど、これをやると「ドラゴンボールからの卒業」を描けるんじゃないかなって。

嘗て僕は「GT」について、こんな記事を書きました。
「DRAGON BALL GT」が描き切った悟空達の弱さと成長 - アニメな日々、漫画な月日
趣旨を纏めますと、

ドラゴンボールに依存しすぎた悟空達の「ドラゴンボールからの卒業」(ドラゴンボールに頼らない精神の成長)を「GT」では描いていたのではないか

というものです。

ブウ編で殺されていく地球人について「ドラゴンボールがあるから大丈夫」と言っているように、兎に角ドラゴンボールさえあれば…という考えが悟空達には染みついております。
DBではどうにも出来ない敵の討伐さえすれば、あとは全部DBが解決してくれるからと言う。

この依存からの脱却を、「超」では改めて描いて欲しいのですよね。
「GT」ではアニメスタッフからの答えでしたが、今回は鳥山先生自身の答えとして見せて欲しい。

そこで、DBによる悪人の復活です。
同じケースでも、フリーザの時は事なきを得ました。
一時は地球を破壊されちゃいましたけれど、割りと余力を残して乗り切れた。

2度目ではそういう余裕も無く、徹底的に窮地に陥ってしまえば…。
ドラゴンボールは、何でも解決してくれる便利なアイテムという側面だけでは無く、とんでもない害悪を齎す可能性だってあると改めて悟空達が学べば。
そうすれば、「もしもの時のDB」という依存状態から脱する切欠になりえるんじゃないかなと。

この件と全く関係は無いんですが、原作のJC版と完全版では、最終回が変えられています。
ページ加筆の件は無くて、注目すべきは最後のナレーション部分です。

JC版(ジャンプ掲載版)では、

ドラゴンボールにまつわる悟空や その仲間たちの大活劇!
みなさんに お見せできるのは ここまででおしまいです…
これからも様々なトラブルは たぶん起こるでしょうが
きっとまたなんとか乗り越えていくことでしょう…
だいじょうぶ
ドラゴンボールがあるんだから……!

となっております。

「ドラゴンボールがあるから大丈夫」と締め括っていて、やはり依存してるのが見て取れます。
この漫画がドラゴンボールを中心に・ドラゴンボールを求める旅から出発しているので、そういう意味では自然な締め括り方ではありますけれど。

これが、完全版ではこう変わっています。

ドラゴンボールにまつわる孫悟空や たくさんの仲間たちの物語
お見せできるのは ここまででおしまいです
これからもたぶん いろいろなトラブルが 待ち受けているに違いありません
でもきっとまた何とか乗り越えて行くことでしょう…
だいじょうぶ
地球にはすごいやつらがいるんです……!!

全体的に言い回しが変わっているんですが、最も変わったのは締め方ですね。
地球が危機に瀕しても「すごいやつら」=「孫悟空やたくさんの仲間たち」が居るから大丈夫と変わっています。
ドラゴンボールへの依存って、この部分だけでは見られません。

何故このように変えられたのかは分かりません。
完全版発売後のインタビューなどで語られているのかもですけれど、不勉強な事に僕は知りません。
なので、鳥山先生の真意は分からないんですけれど、先生の中で心境の変化があったのであれば…。

ドラゴンボールに頼ってばかりいちゃダメなんじゃないかと考えるようになっているのであれば…。

まさに「原作最終回」に繋がるまでの道程である「超」のテーマにするには持って来いな気が致します。

悟空の成長も描ける

強さの成長面って、然程描かれる事は無い気もするんですよね。
さらっと超サイヤ人ゴッドSSが出てきましたけれど、「超」では、これ以上のパワーアップはしないんではないかなと。
それ以上に中心となるのが、悟空の精神的な成長なのではないでしょうか。

個人的に「復活の『F』」でその兆候を感じたのです。
滅茶苦茶強くなったのに、油断してただけで逆転を許したという経緯は、悟空の内面の弱さを描く為であり、また、身体的な強さは描きませんよと言う意思表示でもあったのだと解釈しています。

「超」では引き続き、悟空の内面の弱さにスポットを当てつつ、それを克服する過程を描かれるのではないかな。
油断してると、DBすらも破壊されてしまうとフリーザが証明してくれたのですからね。
「DBがあれば」という油断が無くなることで、闘いの最中に気を抜くことも無くなると。
DBに頼った余裕を無くすことで、悟空の内面の成長も描けると思います。

こうなると、「今までの敵よりも強い敵」である必然性も無くなります。
精神の成長が焦点ならば、悟空よりも強い必要が無いですからね。
油断してるとソルベの光線銃程度で大ダメージを喰らうと分かったのです。
悟空の油断を誘うそこそこ強い敵キャラを出して、そいつと戦わせ、終盤では油断をしなくなったとすればOKになります。

作り辛そうな敵を比較的容易に作り出せそうだな〜という素人考え。

終わりに

「GT」で「DBからの卒業」を感じたのは、最後の敵がそのまんまドラゴンボールだったからです。
邪悪龍はまさに「ドラゴンボールの負の側面」を表現していた。

同じように「ドラゴンボールのせいで地球が危機に陥る」のであれば、フリーザ以上に最悪な敵の復活しか無いんじゃないでしょうか。
一度ならず二度までもドラゴンボールの力で危機に瀕するのであれば、綺麗に悟空達のDBからの卒業が描けそうです。

アメリカあたり(?)の記事では、「超」が100話から200話作られる的な「それどこソースよ」とツッコみたくなる噂も出回ってますけれど。
最低でも3クールはやるであろう「超」は「GT」に話数で比肩するシリーズになりそうです。
じっくりと濃ゆいテーマを見せて欲しいものですし、それが「DBからの卒業」だったら嬉しいな。