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アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

「劇場版 境界の彼方-I'LL BE HERE-」 心情とリンクした四季のイメージから未来を予想する

映画

この記事は

「劇場版 境界の彼方-I'LL BE HERE- 過去篇」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

「劇場版 境界の彼方-I'LL BE HERE-」。
本日「過去篇」を鑑賞して参りました。

今回珍しく…というか初めて見た方の感想をネットで拝見してから見に行ってきたのですが、成程ですね。
確かに未来と秋人に焦点を絞って、それ以外の一切を排除した構成になっていましたね。
お陰で物語の根幹がはっきりと復習出来ました。
総集編としてスッキリと纏められていて好印象。

感想

簡単に感想を。
今回も「たまこラブストーリー」同様"2本立て"でした。
最初に短編…というかPVが(笑
シリーズ最高傑作(個人的見解)の第6話「ショッキングピンク」で流れた「約束の絆」。
6話で未来達が踊って歌ってましたが、これの完全版とでも言うべきものが流れました。
ぶっちゃけ、ここだけで見に来て良かったと大満足してしまいましてw
歌も踊りも好きだったもので。
この感覚は「ハルヒ」の「ハレ晴れユカイ」に近いですね。というか、同じかな。
なんにせよBD買おうかなと心に決めかねる位良い映像でした。
(余談ですが、今作のBD・DVDは劇場限定販売なんですね。普通に売ってませんでしたが)

そんな最高の映像を見て、テンション高めのまま本編へ。
TVシリーズでは終盤まで伏せられていた未来が秋人の前に現れた理由が、冒頭いきなり語られます。
時系列通りに未来の思考を描写する事で、まさしく「未来と秋人に焦点を絞った構成」が際立っていたと思います。
TVの時は未来の想い(目的)を暈していて問題無かったんです。
そこを伏せる事で視聴者の興味を先へ先へと牽引する動力としていたから。
だけれど今回は違います。

そもそも総集編なのだから、そういう点で興味を引っ張る理由が無いというのが1点。
もう1つは、「最初に未来の目的を提示しておかないと、彼女の台詞の意味を正しく理解できないから」ですね。
TVシリーズ1順目の視聴では、未来がどういう考え・想いを持っていたのかが不明なので(本編でまだ語られていないので)、台詞の本当の意味するところは想像で補完する以外に無いんですよね。
「秋人を殺す為」に近づいてきたという目的を知った後と前では、絶対に未来の心情描写の理解度は違うはずです。

TVシリーズを未視聴でも、この映画1本を見るだけで正確に未来の心情の変遷を把握出来る。
台詞の本当の意味するところを理解出来る。
そういう風に出来ていたのかなと。

未来の秋人への気持ちの変化を正確に理解出来るという事は即ち2人の関係性をしっかりと把握出来たに等しい。
2人に焦点を絞るという構成的にも必要不可欠な要素であったんだと考えます。

と言う訳で、初見の時には気づけなかった台詞の意図とかがしっかりと理解出来て、故にとても良い総集編だなと感じたのです。
台詞に関してもそうなんですが、眼鏡の描写とか、ああなるほどな〜と。

秋人の身体から境界の彼方を追い出そうと決死の覚悟で挑んだ未来。
あの時彼女は最後の一撃を叩きこむ前に自分の眼鏡をそっと外してました。
初見ではスルーしていた点ですが、しっかりと意図があったんですね。

上空で境界の彼方と戦っていた未来は眼鏡を掛けていた。
つまりは、この時の未来は彼女が言うように「本人」では無かったんですね。
逆に言えば最後屋上に"復活"した未来は、眼鏡を掛けていなかったから、「本物」。
嘘でも何でも無く、本当に未来は生き返ったんだという事が眼鏡1つで表現されている。
こういうところも、今回の総集編だからこそ気付けた点でしたね。

繰り返しますが、良い総集編であったな〜と。

とはいっても、TVシリーズを見てる事前提ではあった感じですけれども。
未来と秋人の事は分かっても、それ以外のキャラや設定については全くと言って良い程理解出来ない作りでしたので…(汗

流石に時間が短すぎたのか。
2人の関係性に必要な要素「のみ」を抽出したような映画でしたからね。
序盤なんか、あまりにも必要な台詞のみをセレクトしてるものだから、シーンとシーンに繋がりが無かったり。
場所も時間も目まぐるしく飛ぶので、初見の人にはやや辛いと思われます。
唯のエピソードを丸々オミットしてるのですから、弥勒を中途半端に絡ませるので無くて、彼自身も丸々切って代わりに世界観の説明と各キャラの簡易な説明のシーンがあっても良かったかもです。

未来と秋人の関係性をしっかりと理解出来るけれど、それ以外に関しては疑問だけが残る。
初見の人にとってはそういう映画。
初見じゃ無ければ、「それ以外」は予習済みなので、問題無く2人の物語に没頭出来ます。

四季に対するイメージとのリンク

これも初見では気にも留めなかった点。
四季と感情表現がリンクするようになっていたのかもなと。

未来と秋人。2人が出会ってから暫く過ごしたのが夏。
決して平和な日々って訳では無かったですけれども、この時期は2人にとっては明るい日々だったのかもしれません。
これまで孤独に苦しんできた両者が出逢い、理解を深め、心を寄せ合ったのですから。

夏と言うのは、一般的にも明るい季節というイメージが根付いています。
暑い⇒太陽⇒明るい
みたいな感じで。
人々は浮かれ、明るい曲調の歌が街を彩る。
一般的なイメージとも符合します。

未来の血が見せた秋人の夢の中もまた夏。
「楽しかった日々」の象徴として夏での切なくも甘い日々がありました。

季節は巡って冬。
寒く厳しい季節であり、また、夜の長い時期です。
夏とは打って変わって寂しい、暗めのイメージ。
日本では卒業式や年度の終わりが重なるので、別れの季節でもあります。

境界の彼方での未来の戦い(日々)は雪の降りしきる冬。
暗く冷たい世界に見えましたし、そんな感じのシーンでした。
最後には未来との別れが描かれていて、まさしく「冬!!」って感じでキャラの心情や行動とシンクロしていたなと。

そんな冬の別れの前には秋がある。
秋人が目覚めると、季節は秋になっていました。
楽しかった夏(未来と一緒だった日々)を惜しみ、寂しい冬を待つ季節。

未来が居なくなったという事実を改めて認識し、彼女からの"告白"に涙する。
過ぎ去った季節を悲しむに似たシーンでしたね。

さてさて、冬と言えばもう1つ。
生き返った未来との再会と言う出来事もありました。
現実もすっかりと冬になって、そんなある日未来が戻ってきた。
別れと言うイメージとは真逆のイベントが起こって、全然四季とリンクしてないじゃんと。
ただの僕のこじつけかなと思ってたら、エンディング後にやっぱり別れは別れだったんだと思えました。

記憶を無くした。

未来との再会は、同様に「今までの未来」との別れの瞬間でもあったんだなと。

そうして完全オリジナルの「未来篇」へと物語は進んでいくのですね。
予告を見る限り季節は桜舞う春。

出逢いの季節です。

別れてしまった未来と本当の意味で再会する…出逢う。
そういう物語になるんでしょうね。
楽しみに待ちたいです。