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アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

「学糾法廷」のネットでの反響にしょんぼり

【漫画】週刊少年ジャンプ 漫画

この記事は

「学糾法廷」の記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

「週刊少年ジャンプ」で久々に始まったミステリ漫画「学糾法廷」。
「DEATH NOTE」も「魔人探偵脳噛ネウロ」も僕としては、ミステリのジャンルに括りたくないので、「久々」なんです。
ミステリ漫画好きとしては言葉通り「待望」の作品になりそうな、まだまだ様子を見たいかなと思う様な。
実に複雑な感想を抱かせてくれるものとなりました。
今回は簡単に今作の個人的な感想と、今作に纏わるネット上の反応に関しての私見です。

感想

設定が設定だけにもっとこじんまりとした「事件」を扱っていくのではないかという予想をしてました。
給食費盗難とかイジメの犯人捜しとか。
小学校を舞台とした多くの作品が扱ってきたこのような「事件」を子供達が「裁判」で裁くのかなと。
ミステリでも所謂「日常系」に属する感じなのかなと予想していたのです。
読切を読んでたらまた違ったのかもしれませんが、僕は今作を今回の連載版で初めて知ったもので。

ですが、割と1話目からヘビーな感じですね。
殺人を主流とした本格ミステリという訳には流石にいきませんが、日常系というにはそこそこ重い部類の事件を扱っていくのですね。
魚だって生き物。
「食べ物」なのかもですけれど、生きている以上はそれを殺すというシチュエーションは設定の割には重く映ったのです。

食育の為に飼っていたスズキが何者かにバラバラにされて殺される
その犯人は誰なのか?

次回へ続くとは思ってもいませんでしたし、「読者への挑戦状」まであるとは予想すら出来ませんでした。
真相こそ分からないですけれど、伏線の張り方とか謎の見せ方とか「すぐにわかってしまう」領域には無く、ワクワクさせてくれる引き方。
解決編によっては、とても面白くなりそうな本格的なミステリ漫画に化けていきそうな気配を十分に察してくれる1話でした。

と、同時に少々不安もあったりします。
一番やっちゃいけないと思っているのが「ミステリもどき」になってしまうこと。
簡単な推理クイズのようなものか、もっと酷くなると謎でもなんでもないことを謎だと言いきってしまうような。
そういう子供騙し的なレベルで纏まってしまうと遅かれ早かれ打ち切られちゃうんじゃないかなと。
このジャンルで長く生き残っている作品って、どれも必ずミステリとして「難しい部分」を維持し続けているんですよね。
段々と簡単な謎になってしまうと、個人的には残念な作品となっちゃう。
だからまだまだ様子を見てみたいというのが率直なトコです。
このエピソードの解決編を読んで。
次のエピソードを読んで。
そんで、難しいのか簡単なのかを判断して、個人的にアリなのかどうかも決めていきたい。
単純に「簡単な謎だからダメ」って言うんでは無くてね。
「簡単な謎でも見せ方1つで難しく見せれる」というのが持論なので、「謎をどう見せてくれるのか」を主眼に置きつつ読んでいきたい作品。

序盤のエピソードだけしっかりとミステリをやっていて、徐々にミステリとは呼べない、どちらかといえばサスペンスに近しいものへと変わっていくパターンは今までも幾つか見て来て、それがダメとは言わないですが、そうじゃない作品になって欲しいですね。
頭から尾までしっかりとミステリだと呼べる漫画だと嬉しいな。


で、ここからは何と言いますか…。
記事名通りなんですが、ネットで感想を少しだけ見たんですが、何故この程度の描写で「パクリ」呼ばわりされちゃうのかと。
冗談半分にしても笑えないんですよね。

私見

そもそも僕ってネット上の「パクリ論争」が嫌いだったりします。
ちょっとした類似・近似したシーンを切り取ってきて、パクリだと決めつける。
単純にネタとしてならともかく、作品を叩く材料としているので性質が悪い。

これが決めつけではなく、議場に上げる程度ならば問題無いとは思うんですけれどね。
「〇〇という作品は▼△という作品に良く似ていて、パクリではないかと思うのですが皆さん如何ですか」的な。
若しくは「パクリでは無い事」を認識したうえで、ネタとして挙げている場合。
作者としてはたまったものではないでしょうけれど、話の種としてこういう笑いや議論の種とするならば多くの人が許容できる範囲ではないでしょうか。

だけれど、決めつけた上に、それを前提として叩くのはやっぱり間違っています。

パクリってクリエーターにとっては死活問題なんですから。
実際に盗作を認め、回収や打ち切り・絶版になった作品は多くあります。
印象だって決して良くありません。
最悪盗作1つで、どんなに良い作品をその後発表しても正当に評価されないことだってあります。
作品を発表できる場が与えられればまだましな方で、業界から干されてしまうことだってあるんじゃないでしょうか。
それ程に重大な過失であり、クリエーターにとっては「やってはならないこと」。

また、盗作を確定させる作業は、その多くは第三者には不可能なんですよね。
作者本人が「やりました」という自白(「直接証拠」)をして初めて有罪になる事案。
それこそ丸パクリしてるなら第三者でも有罪を確定させるのは容易ですけれど、殆どそうじゃないですから。
極々一部のシーンが似てるかな程度。
ようは「状況証拠」ばかり。
「状況証拠」だけでは有罪には成り得ません。
実際の裁判では「状況証拠」でも、幾つも積み重ねることで有罪を確定させるにたる「直接証拠」と同程度に持って行く事は可能です。

でも、ネットで挙げられるケースの多くはこじつけに近いものです。
漫画に良くあるようなシチュエーション、シーンをあげつらっているだけとか。
状況証拠の積み重ねにしても、箇条書きに近いものがあります。

箇条書きはきちっと使うと要点を整理した伝わりやすい表現手法ですが、恣意的な意見を押し付ける危険性も孕んでいます。
例えば、「〇〇という作品は▼△のパクリだ」と断定したい人が使うと、それっぽいことばかり纏められ、読者はそう思い込まされてしまいます。

第三者が「合理的疑いを越えて立証」することの難しい事案なんです。
極めてデリケートな事ですし、それを勝手な思い込みや決めつけで僕らが騒ぎ立てて良い問題ではないんですよね。
たかが噂でも、今や急速に広まってしまう世の中です。
嘘でも真実になってしまう恐さだってあります。
「〇〇という作品は▼△のパクリだから読まない」なんて人が増えたら、風評被害としては十分すぎるものでしょう。
こういう恐さを考慮すれば、上で僕が「問題無い」としたことも十分問題ではありますね。

パクリかなと思ったら、粛々と出版社に真偽の問い合わせをする。
若しくはリアルの仲間うちだけの話題に留める。
その程度にするべきなんじゃないかと思うのです。
わざわざ多くの人が目にし、風評被害として広まる恐れのあるネットに簡単に書き込んで良い言葉では無いはずです。

「学糾法廷」の反応に対して言いたい事はこんな感じです。
学生だけで裁判をするという設定。
「ダンガンロンパ」に似てしまう部分はどうしたってあるでしょう。
裁判というだけで「逆転裁判」のパクリなんて言ったら、裁判を題材に出来なくなっちゃいます。
「古畑任三郎」が視聴者に事件の謎解きを迫るのは、なにもこのドラマがオリジナルのシチュエーションでは無いです。
古くから推理小説で使われてきた「読者への挑戦状」を映像に起こしただけ。

この漫画の肝は、これらの作品とは全く異なります。
1話読んだだけで断言するのもなんですが、違うはずです。
オマージュでもリスペクトでもインスパイアでも言葉は何でもいいです。
「先達が残した過去作を真似ること」は創作の基本。
若しかしたら今作は実際に「ダンガンロンパ」や「逆転裁判」等に影響されたのかもしれません。
これらをただ単純に真似ただけだとパクリとなっちゃいますが、オリジナルのアレンジが入っていれば最早完全なる別作品ですよね。
社会的に認められた小学生弁護士も小学生検事も、そんな味付けの1つ。
「学糾法廷」独自の設定を入れ、違う作品になっています。

ちょこっと似通った部分を残してる(しかも、敢えて分かった上で残しているのかもしれない)だけでパクリ呼ばわりはあんまりだなと。

終わりに

取り敢えず今後「発想を逆転させるんだ」というワードが出て来た瞬間に、次から次へと事件の様相がひっくり返っていくような裁判モノになったり、ドラえもんの声した変なぬいぐるみ(?)が出て来て「お前らみんな絶望しろ」とか言い始めたらパクリって言って下さい。

ほんの些細なシーンやシチュエーションがちょっと似ている程度ならそれはパクリでは無いです。
そうじゃないことが大半ですし、これは断言しても良いです。

言葉の誤用って誰でもしますし、それはしょうがないですよね。
僕自身間違った使い方はしてるし、そこは直さないといけない。
偉そうなことは言えません。
でも、遊び半分で使って良い言葉では無いんじゃないかなと思います。