アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

「とある科学の超電磁砲」をヒーロー論を語る上で外せないと考える理由

この記事は

「とある科学の超電磁砲」の記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

休みを利用して「とある科学の超電磁砲S」のBDをいっき見しています。
1日で18話まで来ましたので、あともう少しって感じです。

アニメはリアルタイム以来の視聴でしたが、いや〜、何度見返しても「シスターズ編」は最高ですね。
「レールガン」では美琴視点であるから、余計にグッとくる。
当時の感想記事にも書いた気がしますが、彼女の絶望感を嫌という程見せられるので、カタルシスが半端ありません。
目を覆いたくなるほどミサカ妹が惨殺されていくので、見ていて気持ちのいいものではないんですが、しかしながらこのような残虐なシーンがあるからこその上条さん登場に光が差すというか。
橋の上での美琴と上条さんのシーンは、未だにこんこんと涙を流しながら見てるんです。

やはりいいものは良いです。
このシリーズは、「ヒーローとはどういうものか」を表現した屈指のシリーズだと思うんです。
ヒーローが最も輝くのはどんな時なのか?
持論を書いていきます。

似たような事を持ってまわって繰り返し書いています(笑
この感動を書き殴りたい衝動に駆られて書いた記事なので、容赦下さいまし。

ヒーローが最も輝く時とは?

ヒーローが最も輝く時。
敵を倒した時でしょうか?
確かにその為に物語が作られ、最高潮に達する瞬間であるからして、此処が一番という人は大多数を占めるのかもしれませんね。

でも、僕は違うんです。

誰かがとことんまで追い詰められた時。
これ以上無いと云う位まで精神的にも肉体的にも疲弊し、誰が見ても「もう駄目だ」と感じた時。

そんな時に颯爽と現れて、その誰かを精神的に救ってくれる存在。
ヒーローが最も輝くのは、やはりこういう時だと思うんです。
頼もしいヒーローの救いの言葉を受けて、絶望から救い出される人の涙を見ると本当に感動します。

考えてみれば、多くのヒーローが最終決戦直前まで不在のケースが散見されます。
東映アニメ映画だと1つの黄金パターンとして確立してる風さえあります。
序盤で何らかの理由で主人公の動きが封じられ、終盤仲間のピンチに現れ敵ボスを打ち倒す。
こういうのも、「ヒーローが輝くのは仲間のピンチを助けに現れる瞬間」の証左と言いたいのです。

あとは、「ONE PIECE」の「アーロン編」もそうですね。
ナミがどうしようもない程追いつめられた時に、眠りから覚めたルフィが現れてナミの助けてという言葉に「当たり前だ」と返す。
こんな簡単に状況説明を書いてるだけで、感極まって泣きそうになる位大好きなシーンです。
この時も「ナミがどれだけ追いつめられたのか」を丁寧に描写してくれたからこそのカタルシスがありました。


ではでは、「シスターズ編」を振り返ってみます。

ある日自分のクローンに出会った美琴は、図らずも"妹"との(楽しい)一日を過ごす。
しかし、その晩"妹"が目の前で惨殺され、かつ、2万人の"妹"達がロr一方通行に惨殺される実験の被験者になっているという事実を知る。

もうこの時点で超絶重いです。
善意から提供したDNAマップがクローン技術に無断で使われ、しかも、その技術で生まれた自分のクローン達が既に1万人も殺されてしまっていた。
生きている他の"妹"達は、そんな運命に抗う訳でも疑う訳でも無く受け入れてしまっている。
発狂してもおかしくない異常過ぎる事態に、でも、1人敢然と立ち向かう美琴は本当に強い。

実験に加担している施設をボロボロになりながらも、1つまた1つと撃墜していく。

ようやくあと1つで全て叩き潰せると思った瞬間、実験を引き継ぐ施設が100以上に増えた事を知ってしまう。
学園都市自体がグルなんだという知りたくも無かった真相にも気づき、いよいよ心が折れかけてしまい…。
トドメを刺したのが樹上の設計図の崩壊でしたね。
大食いシスターがぶっ壊してしまった樹上の設計図。
嘘の演算結果を流布して、実験を一時的にストップさせるという計画すら実行出来ずになってしまいました。
やけくそ気味に施設を1つ潰したものの、そこでまたしても妹の死の瞬間をライブ映像で見てしまう始末。

手詰まりとなった美琴は、遂に一方通行に簡単に殺されるという最終手段に出ようとして…。
「誰か助けてよ」と絞り出す美琴の前に現れる上条さんがもうね。
これ以上無いタイミングですよ。

何度となく希望をチラつかせておいて、どん底まで叩き落とすという作業を繰り返し、最終的には全ての希望を根こそぎ奪う。
肉体的にもアイテムを使って限界まで追い詰めておいて、それ以上に精神的なダメージを負わせる。
誰が見てもぼっろぼろの状態で、自暴自棄になってる美琴。

ここまでの過程を丁寧に描いてくれたからこそ、美琴に普段以上の感情移入をしてしまう。
美琴視点で見る事で上条さんがいつも以上にかっちょよく見えるんですよね。

「禁書」の時の上条さん視点では味わえない感動がそこにはありました。
ヒーローかくあるべし。
ヒーローに助けられる側の視点で描かれているからこその良さがあり、強みが出ている名シーンです!!

まとめ

ヒーローとは誰かを助ける者です。
敵を倒した時というのは大勢の人間を助けた瞬間ですが、人数が多い分感動も分散しがちです。
爽快感を覚えることの方が多い気がします。

なので、その少し前。
ヒーローに助けられる者がギリギリまで追い込まれた際に手を差し伸べる瞬間にこそヒーローのヒーローたる由縁が傑出し、更に言えば、助けられる者がどれ程まで追い込まれているのかを描けている程、そのヒーロー性は際立つのです。

助けられる者である美琴を主役に据え、彼女の目線で彼女を襲う悲劇を丹念に描いている。
作品のコンセプトそのものが上条当麻を光り輝かせる為にあり、それは最高の形で結実している。

ヒーロー論を取り上げる際には、この「とある科学の超電磁砲」は欠かしてはならない、まさに教本のような作品だと僕は信じて疑いません。