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「エロマンガ先生(2)妹と世界で一番面白い小説」 感想

この記事は

「エロマンガ先生(2)妹と世界で一番面白い小説」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

今回も前回同様、発売していたのを知らずに本屋でたまたま見つけて購入しました。
ところで前回の感想で「超絶偶然知った」と僕は書いたようですが、超絶偶然って何?
謎な日本語を使ってますね…。

閑話休題。
ようやく読み終えましたので簡単にではありますが感想を書かせて頂きます。

感想

面白くなってきました!!
否。
「面白く感じれるようになってきた」とした方がより正確かな。
キャラクターに親近感というか愛着が湧くようになってきましたから。
主人公の正宗はさておきまして、紗霧、めぐみ、エルフ。
そんで、やっと待望のイラストが付いた智恵。
皆良いですね〜。まさに"活き活き"と。"生き生き"と彼女達を感じれるようになってきました。
これが更に巻を重ねると、より楽しめるようになるんだろうな〜♪

で、ちょっと笑いに関して。

笑いについて

あくまで僕個人の感覚なのですけれど、笑いって一度慣れてしまったが最後。
以前のように笑えなくなってしまうものなんです。

何が言いたいかと言いますと、早い話僕は「伏見つかさという作家の作り出す笑い」に慣れてしまったのです。
これは「俺妹」を1巻から既刊を怒涛の如く読みまくって、そいで"耐性"が出来たようです。
極端な話、箸が転んだだけで腹抱えて笑っていたのに、今じゃちっとばかしの事では笑えなくなってしまったと。
別につまらなく感じるようになったとか笑えなくなったとか。そういう事ではありません。
今でもしっかりと笑うべきところでは笑っていますし、楽しんでいる。

伏見先生のギャグが合わなくなった訳では無いんです。
単純に慣れてしまっただけ。
慣れはどんなことでもあるんだから、慣れる事自体は問題でありません。
これの何がマズイかというと、「笑った回数だけで作品を評価してしまう事」。

1度通して読み終わった後、読後感に浸る時間って誰しもありますよね。
この時僕は、頭の中で「その作品をどれ程愉しめたのか」ちょっとした査定をしています。
深く内容を振り返る事もあれば、今作のようなコメディやギャグなんかだと単純に何回笑えたか、その数をカウントするだけの事もあります。
この数が曲者で、慣れてしまうとどうしても笑った回数は減ってしまうものです。
故に回数が減っていると
「以前(前作や前巻)と比べて笑えなくなっている」
   ↓
「面白く感じれなくなっている」
という短絡的な結論に達しかねない。

実際「俺妹」の頃と比べて笑った回数こそ少なくなっているので、ちょっと「俺妹よりパワー落ちてるかも」と考えちゃう事もあります。
本当にマズイ。こういう考え方はダメだなと。

で、笑いに関して深く考えたんです。
本当にパワーは落ちてるんだろうか?と。
いやいや、そんな事無かった!!
やっぱり僕は伏見先生の基本に忠実なラブコメの作り方がいたく気に入ってると再認識できました。

思考したのは第1章について。
構成が実に基本的であり、そして、だからこそラブコメとしてニヤニヤしながら読めるようになっているな〜と。

1巻で既に分かりきっていた事ですが、この第2巻第1章冒頭で改めて正宗と紗霧がお互いにどう想っているのかが、ラブコメ主人公お得意の鈍さを絡めて描かれておりました。
ここで重要なのは、この2人が互いに好意を抱いているという事実を読者に伝える事。
正宗は紗霧を大好きだと宣言し、紗霧も明言こそ避けていますが、分かり易い位分かり易く「正宗好き好きオーラ」を出しています。
相思相愛だということが描かれ、しかし、正宗の鈍感パワーで以て紗霧の想いは正宗には伝わらず、進展せずに足踏みしている。

これを最初にババーンとラブコメチックに描き出すと、物語は「2人が企画書を一緒に作る」というシーンへと移行します。
そこで紗霧が可愛い女の子のイラストを描く事に。
ささっと一枚仕上げるも、しかし、正宗は気に入らない。
「もっと可愛く描いてくれ」と要求します。
「もっと可愛く…具体的には(自分の好みである)紗霧みたいに」と本人相手に要求する訳です。
んなこと言われても、本人には伝わらないですよね。
容姿の好みなんて人それぞれだし、ましてや自分のようにを可愛く描けと命じられても、余程のナルシストか自分でさえ客観的かつ冷静に捉えられるようでないと難しい。
当然紗霧としては「どうすれば良いのか詳しく教えて」となります。
「可愛く描き直してやるから、具体的にお兄ちゃんは私のどこをどう可愛く想ってるのか教えて」と返す訳ですねw

お互いに羞恥プレイですよね。
正宗は好きな子に向かって、どこがどう可愛いのかを解説してるので、居た堪れなくなっている。
紗霧は好きな人から、自分がどういう具合に可愛いと想われているのか聞かされている訳で、やはり恥ずかしい。


この流れだけ見て、やっぱり上手いな〜と。
企画書のシーンのラブコメ演出は、2人がどういう関係なのかがしっかりと伝わっていないと面白くないんですよね。
1巻で描かれていることとはいえ、それを読者が忘れかけていたりしては駄目なんです。
だから、最初に改めて2人の関係性をしっかりと提示している。
お互いに好きな事を。煮え切らない・足踏み状態の現状をしっかりと把握させてくれる。

単純にラブコメを並べるだけではなくて、ラブコメがラブコメとしてしっかりと機能するよう計算されているから笑えるし、ニヤニヤ出来る。
脈絡なくギャグだけを連発されるような笑いよりも、僕はこういう笑いの方が好きなんです。
「読者を笑わすための準備がしっかりしてる作品」が好きで、伏見先生の笑いって、こういうものだと思っております。

慣れてしまったから笑いの回数こそ減りましたが、こういう笑いに関する哲学(?)が好みドンピシャなので、今でも変わらず「笑える作品」であり続けております。

恋愛展開に関して

千寿ムラマサさん。どうなるんだろう。
早くも告白して、玉砕してしまったので、ラブコメ的には役割を終えてしまった感もあるんですが…。
玉砕してからが始まりってケースもあるので、個人的にはそうなって欲しいな〜。

彼女の正宗への愛情は非常に深いし、良いキャラしてるし、可愛いし、可愛いし。
レギュラーとして今後も出続けて欲しいな〜。

いっそ紗霧以外のヒロインが皆正宗に告白して、諦めきれずに正宗を狙い続けるという恋愛劇にしても良いと思うんですよね。
というか、エルフの今回の立場から見れば、そういう事になるんじゃないかと勝手に期待してたりします。
正宗がどうムラマサを断ったのかをエルフも知ったのでしょうから。
好きな人…紗霧が居るから付き合えないというのは、エルフの気持ちをも寸断するような断り方。

普通こんな事聞いちゃ、諦めても不思議じゃない。
けれど、エルフは諦めないんでしょうね。
寧ろ燃えるのかなと。

ライバルがあれだけの勇気を見せて「お兄ちゃん(正宗)はわたしだけのもの」と宣言したんですからね。
紗霧が戦いの場に熱い想いで上がっている以上、エルフの性格上引くわけが無さそうですし。

そうすると他のヒロインも同様に「正宗を巡る戦場」に残り続けるような気がするんです。
残って欲しいな。

終わりに

3巻こそ、事前に発売情報仕入れて発売日に買って、速攻で読めるよう努力します!!
次こそ〜。

エロマンガ先生 (2) 妹と世界で一番面白い小説 (電撃文庫)

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