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「名探偵コナン」の作劇術 「探偵役」の共演で生み出す特別感

この記事は

「名探偵コナン」の考察記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

今日も「劇場版コナン」を見てきましたよっと。
初日初回に続いて2回目の鑑賞です。
うん。
何度見ても面白くて、今年は本当にヤバいですね。

特にラストの「アニメならではの演出」は本当に凄い。
もうこの為だけに長年「割と分かりきっていた謎」を引っ張っていたのかなと勘繰っちゃう位。
「原作で明かされて無いからこその感動」がありました。

でも、そうか。
あのキャラが首元を隠していたのは、変声機を隠す為でしたか。
この発想は無かった〜。

キッドとかベルモットとか有希子とか

機械無しで声を自在に変えてるから

それが普通だと思ってましたヨ。


いや〜慣れって恐いwww
というか、キッド恐いわ〜。あいつ恐いわ〜。変な常識植え付けてくるわ〜。
毎回コナンが蝶ネクタイ型変声機使ってるのに、すっかり騙されていたわ〜。(八つ当たり)

閑話休題。
ところで映画と言えば「特別感」があります。
TVシリーズよりもアクションが多かったり、単純に時間(1つの事件に掛ける時間)が長かったりするからというのもあるんですが、何よりも登場キャラの豪華さが「特別感」を高めているのかなと。

割とオールスターに近い感じでレギュラーが勢ぞろいしますよね。
TVシリーズ…翻って原作では、レギュラーをオールスター級に1エピソードに出す必要性が無いからこそ、こう感じるんだと思います。
何故必要性が無いか。
あ。
必要性云々は僕個人の考えで、青山先生が公認している事では無いんですが…。

キャラクターに焦点を当てて「コナン」を読み解いて、どのように特別感(スケールの大きさ)を生んでいるのか。
ちょっと持論を書いていきます。

必要最低限の配役

「名探偵コナン」の基本は「事件を解く事」です。
それに際して必要な配役は、最低限以下のような感じ。

・探偵役
先ずはコレですね。当然の役。
ただ「コナン」でいう探偵役は、ちょっと特殊です。
主人公のコナンが人前で推理を披露できないから、蝶ネクタイ型変声機や麻酔銃を使って色々な人を「探偵役」にしちゃうんです。
だから「コナン」は、例え本人が眠らされていても、「コナン」の作中世界的に「事件を解いた事になっている人物」全てがこの役に当て嵌まる事になります。
ポイントとしては、この「探偵役」は基本的に1人居ればOKという事。

・犯人
もう1人の主役である事件の犯人。
全身黒タイツなニヒルや奴です。
話は逸れますが、「異次元の狙撃手」でも出て来た黒タイツさん。
普段真っ裸なので、作中で警備服を着ている姿はとってもシュールでした(笑
しかもコナンや世良を確認して焦っていたから余計に。
憎めない奴ですw

・被害者
1エピソード3話が中心なので、基本は1人だけですけれど、中編以上になると複数になりますね。

・容疑者
小五郎や警察に犯人にされそうになる無実の人々。
「コナン」では2人が最も多いですが、事件のスケールによって人数も増えます。


当たり前の話ですけれど、これが最低限の配役ですね。
ここに賑やかし要員でレギュラーが数人足されて、1つのエピソードを構成しています。

「探偵役」の棚卸

さて、必要な事なので「探偵役」を洗ってみましょう。
2種類に分けてみます。

先ず江戸川コナン。
基本的には影から「探偵役」を動かす役どころですが、場合によっては彼自身が「探偵役」に回ります。
時たま元の姿に戻ったり、過去編で「探偵役」を務めるのが工藤新一。
数は少ないですが工藤優作もそう。
コナンのライバルである服部平次もまた「探偵役」を担っています。

この他忘れてはならないのが「黒の組織編」に絡んできている3人の人物。
赤井秀一と世良真純の兄妹。
そして安室透。
彼らもまた「探偵役」を担える能力を備えています。

という事で、以上7名が自らの頭で推理が出来て、事件を解き明かす能力を持ったキャラクターです。
この7人は便宜的に「探偵」とします。
サブレギュラーに目を転じれば大和敢助&諸伏高明両長野県警警部もそうかもしれませんが、ここでは除外します。
あと「まじっく快斗」組も除きます。


次にコナンによって「探偵役」にさせられている人々。
筆頭は毛利小五郎。
小五郎は稀に自分の力だけで事件を解きますけれど、基本はこっち側。
他、鈴木園子と阿笠博士が回数としては非常に多いです。
蘭や群馬のへっぽこ刑事(山村刑事)等々他にも何人かいますけれど、基本はこの3人です。
彼らを「探偵役者」と呼称します。

以上10名。
ただ、「探偵」と「探偵役者」の間には力関係があります。
「探偵」>「探偵役者」
となり、「探偵」が1人居れば「探偵役者」は「探偵役」にはなりません。

「探偵役」が複数出てくる事も基本ありません。
が、例外があります。
「探偵役」という役割以外に登場する意味がある場合です。
代表的なのは平次と世良。
平次はコナンの「ライバル」というポジションを担っている唯一無二のキャラクター。
(「探偵」としての)コナンや新一と共に登場してこその価値があります。
世良は、縦軸の物語の方に関わってきているキャラクターだからですね。
そちらの方の伏線張りやらを行う為に必要なので出て来てます。

この考えをもとにして、レギュラーをいくつかのグループに分けてみます。

基本の5グループ

(1)毛利探偵社チーム
構成員は小五郎、蘭、コナン。
探偵役は小五郎です。たまに園子が加わります。

(2)鈴木財閥チーム
構成員は園子、蘭、コナン。
探偵役は園子。

(3)少年探偵団チーム
構成員はコナン、阿笠、灰原、元太、歩美、光彦。
探偵役はコナン又は阿笠。
博士が探偵団に帯同してないケースは、コナン自ら探偵役に回ります。

(4)大阪チーム
構成員はコナン、平次、和葉、蘭、小五郎。
探偵役はコナンと平次。基本は2人ともが「探偵役」になります。
小五郎が居なかったり、和葉が欠席したりしますが。

(5)キッドチーム
構成員&探偵役はコナン。
鈴木財閥が絡む事が多いので、次郎吉、園子、蘭、小五郎の順で登場頻度が高いかな。


「コナン」の基本はこの5つのグループを順々に回す事で成り立っています。
(4)が回数的には最も少なく、世良は(1)〜(3)に出て来てる感じですね。
ちなみに警視庁組はどこにでも出てきますw
警察というポジションならではの軽快なフットワークを見せてくれます。
彼らが主役の「本庁の刑事恋物語」シリーズ等では、(3)に警視庁組が加わることが多いですね。

このように3〜6人程のグループだけで1つのエピソードを完結出来る為に、劇場版のようにオールスター出演をする必要が無いと。

さて、次に5つのグループから重複しているキャラを削除してみます。
(1)毛利探偵社チーム改
小五郎

(2)鈴木財閥チーム改
園子

(3)少年探偵団チーム改
阿笠、少年探偵団

(4)大阪チーム改
平次、和葉

残ったキャラクターが各グループを代表するキャラになります。
見事に「探偵役」(とその助手)だけが残りました。
基本バラバラのグループに所属している彼ら「探偵役」が一緒に出てくると「特別感」を覚えます。

「探偵役」同士の共演

ここからは「全事件レポート編纂室」を参照します。
83巻現在エピソード数は255件です。
ここから「探偵役」同士が一緒に登場しているエピソード数を調べます。
すると、以下のようになりました。

小五郎と園子が41件。
小五郎と阿笠&探偵団が16件。
小五郎と平次が34件。(ここに和葉を加えると27件に減少)
園子と阿笠&探偵団が9件。
園子と平次が7件。(ここに和葉を加えると4件に減少)
阿笠&探偵団と平次が3件。(ここから阿笠を抜くと5件に増加)

更に調査を進めてみます。
例えば、小五郎、園子、阿笠&探偵団と3つのグループが一緒に出てくるエピソードはというと、僅か5件に減ります。
うち3件は長編です。
「命がけの復活」、「揺れる警視庁 1200万人の人質」、「漆黒の特急(ミステリートレイン)」で、どれもこれも大きな事件ですね。

小五郎、探偵団、平次になると2件。
小五郎、平次、園子で5件。
全員(小五郎、平次、阿笠、探偵団、園子)が出てくるエピソードとなると、連載20年全255エピソードの中で「命がけの復活」のみです。

実際はここから更に数が絞り込めるんです。
エピソードにちょこっと出て来ただけでカウントされている為、「そのエピソードのメインとなった事件にガッツリ関わっているかどうか」で見直すと、数が減るから。
これを考慮すると、「探偵役」の共演って滅茶苦茶少なかったりします。
特に3人以上が同時に出る事は少ない。
複数の「探偵役」が出るエピソードは高い確率で長編になる事が窺えます。

終わりに

劇場版になると、小五郎、園子、阿笠、探偵団がレギュラーで登場します。
原作で僅か5件しか無い特別な組み合わせ。

「劇場版コナン」に感じる「特別感」の1つは、こういう所から出ているのでしょうね。
だからどうしたと言われると何も言えませんがw