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アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

実写映画「僕は友達が少ない」の感想をフラットな目線で書いてみる

この記事は

実写映画「僕は友達が少ない」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

原作の平坂先生が実写化について出されていたコメントを最初に引用します。

読者の皆様へ(2013.5.2)

(前略)
制作への関わり方についてですが、漫画化やアニメ化やゲーム化の時とは違い、自分は実写映画に関してずぶの素人である上、そのジャンルの熱心な受け手というわけでもないため、今回は完全ノータッチの姿勢で、映画制作者の方々に全てお任せしています。
(中略)
僕から唯一映画サイドの方にお伝えしたのは、「無理に小説の内容を再現するのではなく、独立した一本の実写映画作品として面白いものを作ってください」ということだけです。
プロの映画制作者の方々の手腕に期待しています。

これを前提として、あくまでフラットな目線で感想を書いてみたいと思います。
原作がどうとかは"なるべく"考えないで。

ちなみに僕自身は…。
アニメは全話(TV放送された物に関して)視聴済み。
原作は5巻まで既読です。
アニメから入って原作を読み始めた口ですね。

という訳で、感想始めます。

キャストの感想

キャストの話から始めます。
ブリキ先生のキャラ原案って、あまり漫画的・アニメ的な記号が取り入れられてないデザインだと思うんですね。
現実的な範疇に収まっているというか。
突飛な髪型をしてるキャラも居ないし、「ザ・コスプレ」的な衣装を着てる訳でも無い。
(小鳩は作中でもコスプレをしているという設定なのでアリなのです。)
要するに「実写化しやすい」キャラデザインであると踏んでいます。

漫画・アニメ等の実写化に伴う不安要素に「俳優が役柄に合っているかどうか」と同じ位「見た目をどこまで近づけるのか」があります。
ハリウッド並の予算を掛けて、しっかりとした特殊メイクをし、衣装に拘れば、(偉そうな物言いで申し訳ありませんが)きちんと見れるレベルにまで達する事も可能でしょう。
けれど、下手すると「コスプレ大会」・「コント番組」と揶揄される低レベルなものとなってしまうんです。
後者になると目も当てられません。
役者どうこうでは無くなって、作品鑑賞を阻害する要因にまでなってしまう。
アニメ・漫画的意匠が入れば入るほどこのような傾向が強まると個人的には思っていて、その点今作はその真逆に位置しているのかなと。

回りくどい表現で申し訳ありませんが、今作は変にコスプレ的では無く、全体的にも割と自然に見れる形でキャラ原案に近づけていたかなという印象です。
小鷹や夜空を筆頭に、原案デザインを尊重した、それでいて作品として自然と見れる形で「再現」されていたと思います。
本当に偉そうな言い方ですけれど。申し訳ないです。

ただちょ〜〜〜っと、星奈が「美少女」というより「水商売の女性」に見えてしまっていた点が残念と言えば残念。
正直、胸をはだけ過ぎなんですよね…。
「巨乳」という星奈を象徴する個性を全面に出したかったのかもしれませんが、見せ方が下品というか。
この点に収まらず、絵的には全体的に下品でしたね。

スクール水着を着ている女性の胸元や腰回り。
星奈や理科のパンチラ。(終盤の星奈はパン"チラ"ってレベルでなく、堂々と見せてました…)
女生徒を足下から見上げるようなアングル多々。

露骨な・かつ・意味の無いショットが、これまた意味も無く頻繁に挿入されていて。

なんだろう。
「お前らこういうの好きなんだろ?」と思われているんだとしたら甚だ心外というか。
「はがない」ってそういうの売りにしてないよねと。
極めつけは、理科の自慰行為ですね…。
いやね、確かに理科ってそういうキャラですけれど、実際に行動に移した事って無かったと思うんですよ。
実写というのは紙に描かれた絵に比べて性描写がダイレクトに伝わってくる表現手法です。
生々しく、露骨になりがちなんですよ。
それなのに、直接的な描写をされていて…。
理科というキャラを実写化するとしたら、正しいのかもしれません。
けれど、ここは原作以上に(少なくとも原作と同程度の)マイルドな表現に留めて頂きたかった。
折角の実写化なのですから、こういった性描写が原因と思われる事でPG12指定されるような作品にして欲しくは無かったですね。
ちなみに、理科の件が原作同様になっても天馬とステラのガチSEX描写があったので、PG12指定は解除されはしなかったはずですが(汗

纏めます。
キャストの原作への近づけ方は問題無いですけれど、絵は全体的に下品ですw
これが良いんだか悪いんだかは判断付けられないですけれど、個人的にはちょっとNGでしたね。

シナリオの感想

続いてシナリオ。
こちらは見事なまでに本歌取りがされていて、1本の映画としてしっかりと纏まっていました。
ホント、偉そうな書き方で嫌になりますが、すみません。

正直白状すれば途中までは「支離滅裂、原作ガン無視の世界観のシナリオ」という評価でした…。
今回メインとなるのは、理科が発明した「虚構世界に入れるゲーム機」の中の世界での冒険活劇(?)でした。
冒険も活劇も無いけれど、虚構世界で奮闘する小鷹達を描いていた。

これは原作にもあったエピソードを取り込んだものでしたので問題は無いんですけれど、今作では
「バグを起こしたゲーム機を無理矢理起動させた為にゲームの中の虚構世界が現実世界を侵食し始めた…」
とかいう展開になります。
こうなってくると話が変わりますよね。
今作はフィクションではありますが、ファンタジー要素はありません。
これが原作が守っている大前提であり、この展開はこれを無視したものでした。
ゲームが現実を侵食とかファンタジー以外の何物でもないですからね。

そんなフィクションの世界を牛耳っていたのが星奈だったんです。
星奈が現実に嫌気がさして、理想のゲーム世界に陶酔してしまい、バグの起こったゲームを強行プレイ。
結果ゲームが暴走。現実を侵食したという流れ。
だったんですが、クライマックスで実は夜空がこの世界を作った張本人でしたと判明します。
星奈だけがゲームをプレイしていたのに、何故か夜空がゲームの世界を作ったという意味不明な展開になり、頭がついていけなくなりました。
どんでん返しを取り入れたくて、矛盾を生んだのかなと解釈したんです。

まあ、結論から言えば僕の早とちり。
しっかりと矛盾も無く、原作の世界観も守られた結末がありました。


僕の恥ずかしい早とちりはこれ位にしまして、シナリオですね。
恋愛要素を排して友達作り1点に絞られたもので、出会いから友達となるまでが描かれていました。
小鷹と夜空、2人の関係を主軸としていて、基本的な設定は原作を踏襲。
10年前友達だった事を忘れていた小鷹が、夜空の事を想い出し、自分の力で一歩踏み出す。
小鷹の成長をしっかりと見せつつ、2人を中心に隣人部の面々が友達となる結末。
その為、ラストの小鷹のモノローグである「僕は友達が少ない」という部分がしっかりと響いてくる内容でした。

起承転結がしっかりとあって、「続編ありき」の姿勢が一切見えない。
今作だけでテーマが完結していました。
恋愛要素排除は残念な気もしますが、これいれてると尺が圧倒的に足らなくなりますからね。
「友達作り」という基本に立ち返って、そこに注力されていたシナリオで、この点「僕は友達が少ない」というタイトル通りの作品になっていたと思います。

終わりに

残念に感じる部分もありましたが、総合的には「1000円の価値のある映画」でありました。
1000円の価値はあります!!(ファーストデーで鑑賞)
うん。書き方が凄く悪い。
他に言いようが無くてですね。
「面白かった」と人に勧められるような作品では無かったですし、かといって、「つまらなかった」と言いたくなる作品でも無かった。
そういう作品でした。

あ、そうそう。
ステラファンの方は、鑑賞厳禁です。
もれなくブチ切れると思われます(汗