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「WORKING!!」 第12巻 おめでたいけれど寂しい。複雑な感情を抱かせてくれた物語

この記事は

「WORKING!!」第12巻の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

本当に久々の最新刊。
「WORKING!!」の第12巻が去年末に発売しました。
そろそろ終わりが見えて来て、寂しさもありますが、それでもカップル成立巻ということで、おめでたいなと思いつつも…。
やっぱり寂しさもあり…。
感想記事です。

WORKING!! (12) (ヤングガンガンコミックス)

WORKING!! (12) (ヤングガンガンコミックス)

おめでとう!!!

寂しいと感じる原因は、もうすぐ終わりそうだからでは無いんです。
その前に、佐藤君と八千代のカップル成立ですよ。

「ヤングガンガン」本誌で1話からずっと読んできた身としては、謎の感動をしましたw
ここ数年、僕は告白に弱い。
こういうクライマックスシーンを読んだり見たりすると、自然と涙腺が緩んでしまうようになりました。
感動しちゃうんですよね。

佐藤君の場合は一入。
もうホントに長い事、彼の片思いを見てきた身としては、「俺はお前が好きだ」の言葉には涙が溢れてきました。
八千代の返事を読んだ瞬間に、我慢出来ずに涙腺決壊www
おめでとうと心から言いたくなるというのはおかしな話かもですが、祝福を捧げたくなる瞬間でしたもの。

その後も良かったですよ。
八千代と言えば店長。店長と言えば八千代。
佐藤君最大の恋のライバルである、店長との最後の対決。
対決と称するのは何だか変ですけれど、最終決戦と言ってもいいんじゃないかな。

八千代の為に自ら離れようとする店長の「親心」。
小学生時代からずっと"育ててきた愛娘"を嫁がせるような。
大袈裟では無く店長の中ではそれ位の寂しさがあったんでしょうね。
そういう自分の気持ちはグッと堪えて、「娘」の幸せのために、佐藤君に渡そうとする。
佐藤君もそういう気持ちを察したのか、きちんとしたフォローを入れつつも、八千代を大事にすると誓う。
両親へのプロポーズ、結婚承諾を取りに行ったかのような両者の感情のぶつかり合いを魅せられた思いです。

誰かと誰かがくっついて幸せになる一方で、誰かが寂しい思いをする。
人間関係が広く、複雑であるほど、そういう事って多かれ少なかれありますよね。
小さなファミレスの小さな輪の中でも、そういった感情の鍔迫り合いはあって、とっても良い落とし所を魅せて頂けたなと。

八千代は今まで通り店長にパフェを作り、「杏子さん杏子さん」と囀る。
佐藤君がそれを見て、ほんのちょっと嫉妬に駆られつつも、そのストレスをぽぷらで発散する(笑
ラブい光線を八千代から浴び、幸せを噛みしめつつも、何故か胃を痛める佐藤君。

確かに変わった関係もあるけれど、基本的には何ら変わらない。
綺麗な落とし所ですよね。
八千代のバイト辞めます宣言も、きっと上手く回避してくれると信じてるw

それにしても佐藤君…。
すれ違いざまに髪をハート型に結ぶとは…。
神か!?(髪だけに)

寂しい…。

でも、1個だけ大きく変わってしまった事があって、僕はそれを寂しく思うんです。
相馬君は佐藤君を弄ってこそ輝けるのに、佐藤君の最大の弄りネタがなくなっちゃった事が寂しい。

僕は、佐藤君を弄って、黒く輝いている相馬君を見るのが大好きなんです(笑
この漫画のギャグの4割ほどを担っていると信じてやまない点が、今回佐藤君が見事カップル成立に漕ぎ付けた事で消失しちゃったんですよ。
ここがおめでとうと思う半面で寂しいなと感じる事。
小鳥遊君を弄る時には、あれほどの輝きを放ってないんですもの。
どこか、佐藤君を弄ってる時ほど活き活きしてない。

とはいえ、一番喜んでたのも相馬君なんですよね。
佐藤君が胃痛で休職しても文句ひとつ言わずにバイトに明け暮れて。
メンバー(特に佐藤・小鳥遊コンビ)に多少煙たがられながらも、サプライズバースデーされる位には好かれてる。


まあ、本当に彼は良いキャラですよね。
この作品に欠かせないキャラ。
基本的にこの作品の男連中は、どちらかといえば「草食系」に属するじゃないですか。
自分からグイグイいくタイプじゃない。
女性陣も男性陣よりかはオフェンス寄りのキャラだけれど、恋愛には疎いからちっとも進捗しない。

だから、周りが冷やかしでもからかいでも良いから、後ろから背を無理矢理でも押さないと事が進みません。
それが出来るキャラだったんですよね。相馬君は。
貴重かつ重要な立ち位置にいる。
佐藤君担当の彼の役目は、佐藤君が告白をした瞬間に達成し、だからこそ彼は心から喜んでみせた。
相馬君の見せ場は、全て描き切ってしまった。寂しいものです。

ちなみに、小鳥遊君へ弄りのターゲットがシフトしたように見せかけてますが、それは無いと思います。
桐生も相馬君と同じような立ち位置のキャラクターで、彼は小鳥遊君専用。
佐藤君専用の相馬君が前へ出る必要性は、無いからですね。
とはいえ、高性能のカメラをゲットした相馬君の事。
桐生の存在なんかお構いなしに小鳥遊君を弄り倒すかもですけれどw

ついでにその勢いのまま、変わらずに佐藤君の事も弄って行って欲しいものです。

終わりに

高津先生の特徴は「必ずカップル成立まで持っていってくれること」ですね。
佐藤・八千代コンビがカップルになったので、残りは小鳥遊・まひる。
小鳥遊君が自覚し始めた今、秒読み段階に入ってる感が強いですが…。

もうちょっと。
あと少しだけ、このワグナリアのわいわいがやがやを楽しみたいものです。