アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

「HUNTER×HUNTER The LAST MISSION」に見るゴンに纏わる蟻編のアンチテーゼ

この記事は

「HUNTER×HUNTER The LAST MISSION」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

本日2本目「HUNTER×HUNTER The LAST MISSION」も鑑賞して参りました。
映画の感想というよりかは、「HUNTER×HUNTER」という作品そのものの記事を書かせて頂きます。

改めてこの映画を観て「ゴンはヒーローじゃないな」と感じた部分を。

蟻編のアンチテーゼ

何度も繰り返し書いてますけれど、僕は今作をバトル漫画と考えておりません。
その理由の1つが、ゴンのスタンス。描かれ方ですね。
蟻編が顕著であり、僕はこの映画を「蟻編のアンチテーゼ」と捉えました。

蟻編でのゴンって、いわば復讐鬼だったじゃないですか。
カイトを殺したピトーを殺すためだけに行動していました。
命をも顧みずに非常に危険な誓約と制約をつけ、通称「ゴンさん」へと変貌。
圧倒的な力で以て復讐を完遂しました。

このゴンの姿というのは、所謂「少年漫画のヒーロー」とはかけ離れた存在でありました。

で、少し「ヒーローと復讐鬼の違い」って何だろうかと疑問に感じたのです。
どんなヒーローも、多かれ少なかれ「仲間の敵を取る」という行動原理があります。
倒された仲間の為に、敵を倒したいという動機を持っていて、それはゴンと何ら変わらない。

けれど、僕はこの映画を観ていて、ゴンには「ヒーロー」ではなく「復讐の塊」としての狂気しか見出せませんでした。
怖いんですよね。
仲間の敵を取る為に、どんな手段でも取るというスタンスが。

復讐が第一義に来ていて、それ以外の動機が見出せないのが怖い。
こう考えてみると、ヒーローって「復讐だけが敵を倒す動機になってない」って事に気づきました。
或いは世界平和の為だったり。或いは純粋に敵に勝ちたい為だったり。
仲間の敵という動機以外の部分を何かしら持っていて、そういう部分にヒーロー性を見出せているんじゃないかなと。

とすると、ゴンはやっぱりヒーローじゃないんですよね。
バトル漫画=ヒーローの活躍する物語という安直な考えこそ持っていませんが、「少年漫画のバトル漫画」には少なからず当て嵌まる公式でもあります。
主人公がヒーローで無い時点で、バトル漫画には見えないなと。

さて、復讐の為だけに動くゴンというのが、実に原作通りに描かれていたと感じます。
仲間には「怨なんて受け入れちゃダメだ」と言いつつも、自ら怨を受け入れちゃう危うさ。
全てを投げ出してでも復讐を果たそうとする頑固なまでの考え。
怨と誓約と制約を交わしてしまったゴンは、蟻編のゴンさんそのものでした。

そのまま、怨に飲み込まれていたら、蟻編と似た未来を歩んだのかもしれません。
キルアがゴンを救うべく動いてナニカに救われるという感じになったかもしれない。

この映画では、キルアが救ったという点に於いては同じですが、ちょっと違っていた。
復讐(というには大袈裟な表現ですが、仲間を傷つけられた代償を払わせるという意味では同じかと)は捨て、救済の為にジェドを倒すというシナリオになってました。
原作とは異なるゴン像を描いてみせた。
復讐に生き、復讐を完遂し、その報いを受けた原作のアニメスタッフなりのアンチテーゼなのかもしれませんね。

復讐は悪い事だよというストレートなメッセージ。

勿論原作が復讐を肯定しているかと言えば、NOですけれどね。
死に際を彷徨うという報いは受けていましたので。

原作再開は…

ところで、原作はいつ再開するんでしょ…。
勝手に残り数話エピローグをやって大団円になるんじゃなかろうかと思っていたりもするんですが…。
(ゴンの目標は既に達成しましたので。)

この先続くのか、終わるのか。
そこ含めて凄く興味深いんですが…。
まだ先なのかな〜。
春までには再開して頂きたいものです。