アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

初志貫徹したストーリー性を入れたから「神のみぞ知るセカイ 女神篇」は最高に面白い

この記事は

「神のみぞ知るセカイ 女神篇」の記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

2013年を自分なりに振り返ってみました。
今年もまた毎期10本前後アニメを見て来ましたので、ちょっとトップ10の作品を挙げてみます。
この10本の中では敢えて順位付けはしません。

・俺の妹がこんなに可愛いわけがない。
・神のみぞ知るセカイ 女神篇
・境界の彼方
・きんいろモザイク
・サーバント×サービス
・ちはやふる2
・とある科学の超電磁砲S
・のんのんびより
・僕は友達が少ないNEXT
・やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

半分が続編ものでした。
前々から好きだったので、ある意味必然かもですが、「神のみ」と「はがない」だけは例外なんです。
1期(や2期まで)をここまで面白いと思えてなかった作品だからです。
2本とも見ていて「面白いな」とは思っていても、こうやって例えば年間上位に食い込むかと問われるとNoと云えてしまう様な位置づけの作品だったんです。

「はがない」1期は、登場人物こそ面白いなと感じていたのですが、ストーリー面で今一歩という印象だったんです。
ギャグ面も2話が個人的なピークで、あまりツボに入らなかった。
けれど、2期になって大嵌り。
滅茶苦茶笑えて、キャラも物語も面白く感じ、遂には原作にまで手を出すくらいでした。

同様に2期まであまり嵌れなかったのが「神のみ」。
駆け魂の入った女の子登場⇒桂馬攻略
の繰り返しで、縦軸となるストーリーがオミットされていた。
各ヒロインに入れ込んで見る事は出来たのですけれど、ループの繰り返しで少しだけ飽きてしまったんですよね(汗
「このまま同じことの繰り返しなんだろうか」という気持ちも持ってしまいました。

何か軸となるストーリーが欲しいな〜って。
でも、そういう縦軸を作るんなら「恋愛×駆け魂退治路線」では厳しそうだなという勝手な事まで考えていて。
こんな僕の頭の弱い考えをぶっ壊してくれたのが「女神篇」だったんです。
終わり方含め、とっても良かった。

「神のみぞ知るセカイ 女神篇」のストーリーに関しての記事です。
尚、放送終了後にざっと原作を読んだ程度であり、僕は「原作既読」とは言いづらい中途半端な立ち位置に居ます。
そんななので、アニメ中心に書きます。

最終回が素晴らしかった

これまで桂馬が攻略してきたヒロイン達を再攻略することとなった「女神篇」。
ここに来ていっきにストーリー性を高めてきたので、単純なヒロイン攻略ループを抜け出ていました。
で、再攻略対象とならなかったヒロインが1人だけいて、その子が「女神篇」の…いや。
「神のみぞ知るセカイ」という作品全体の方向性を決定づけた大切な子だったのではないか。

小阪ちひろ。
1期で殆どモブキャラ(あくまでアニメ版での扱いではモブっぽかったという事で)だったのが、2期で攻略ヒロインに昇格。
そして3期では、再攻略対象に唯一ならなかった可哀相なヒロイン。

でも「女神篇」最終回がそんな彼女を救ってくれてました。
これ原作通りだったんですけれど、アニメ1話を使ってちひろを「主役」に据えてくれていて。
彼女の失恋を救ってくれるような素晴らしい1話だったんです。
この最終回の最後に披露されたのが「初めて恋をした記憶」。
これまた原作通りなのですが、調べてみると若木先生が「この歌を女神篇のラストに持ってくる構想だった」ようですね。
ちひろというヒロインとこの歌が、作品の方向性を決定的に示してくれていました。

ちょっとちひろについて考えてみます。
彼女は、よくいる「ヒロインのお友達」属性を持ったキャラです。
一番近いとこで言えば「名探偵コナン」の園子ポジションの子。
恋多き女性とでもいうのかな。
次から次へと告白をしては、失恋をし、また恋をする。
悪く(?)言えば「男好き」。そういう子です。

こういう子を「恋愛対象ヒロイン」にするのって難しい。
ファンから良いイメージを持たれないからですね。
「尻軽」とか「ビッチ」とかそういう悪い言葉で語られちゃう事が多いんじゃないでしょうか。

だから、この手の属性を付加した子をヒロインに据える場合は、逃げ道を用意してあるんですよね。
「これまでの恋は、本気では無かったんだよ」という逃げ道。
ようは、「男に真剣に恋していた(男を欲していた)」訳では無くて「恋に恋する女の子」という方向性に持っていく。
「恋する女の子」に憧れる女の子とすれば、悪い印象は無くなります。
一般的な思春期の女の子に見られがちな要素ですからね。(実際はどうだかわかりません。あくまでオッサンの勝手なイメージ)

ちひろもそういうキャラ付がされ、こうして桂馬への恋が「初恋」となりました。
「女神篇」のストーリーの中で、結果的には桂馬は彼女の気持ちを弄ぶ事となってしまい、彼女は失恋してしまいました。
桂馬もまたこの事に大いに傷ついた訳です。

失恋をしてしまい、ストーリー上は「非攻略対象」となってしまった彼女ですが、しかし、この作品で最も「恋愛」をしていたキャラだったと思うんです。
この子をラストに持ってきてスポットライトを当ててくれた事は、「恋愛を大事にしますよ」というメッセージに感じました。
彼女の初恋と失恋を謳った「初めて恋をした記憶」がその想いを一層強めてくれる。

「女神篇」が恋愛を主軸とした物語だったという解釈が出来ます。

バトルへ路線変更してもおかしくない感じだった

回りくどいですが、続いて「女神篇」で初めて(少なくともアニメ版では初なので)出てきた縦軸となるストーリー。
これが実に少年漫画していたんです。
ざっとあらすじを書いてみます。

旧悪魔軍が、嘗て自分達を封じた6人の女神「ユピテルの姉妹」の宿主を襲い始めた。
桂馬が今まで救ってきたヒロイン達の中に「ユピテルの姉妹」の宿主がいる事が分かり、旧悪魔軍の手からヒロイン達を救うために桂馬の再攻略が始まる…。

こんなところでしょうか。
敵として古悪魔(ヴァイス)(旧悪魔軍)という設定を出し、エルシィら新悪魔軍VS旧悪魔軍という構図を作り出したのです。
一見すると「バトル漫画」的メソッドが入って来たんですよね。
ヒロインの命の危険という今までの「危機感」が、ここに来て人類全体にまで波及。
スケール感も大きくなり、まさに「バトル漫画へ方針転換」してもおかしくない感じになりました。

桂馬にも敵と戦う力が付随され、バトルしちゃうのかな〜という危惧は、番組開始当初少し感じました。
実際途中ハクアが旧悪魔軍とマジバトルしてたりしましたしね。
縦軸にバトル漫画風メソッドを多く取り入れ、路線変更もあるのかなと思わせられた。

でも違った。
今まで通り。初志貫徹。路線そのまま。
恋愛で駆け魂狩りをこれまでも行っていきますよという強い意志を感じたんです。
ここで漸く繋がるんですが、こう感じた理由が上にも書いたちひろの存在。
最も恋愛をした彼女に作品を〆させたことが全てですね。

やっぱり彼女の存在は大事だったと感じます。

まとめ

細かいセリフは忘れちゃったんですが、作品の主人公である桂馬の言動が、ちひろ以上にこの作品の方向性を語っていました。
世界の命運も、地獄の事も。
ハクア(だったと思う。違ってましたらスミマセン)がどれくらいの危機が迫っているのか力説するのを制止し、
「僕には関係ない」
と桂馬が言い放った時。

この瞬間、バトル方向には絶対に行かないんだなと確信が持てました。
ブレない主人公だな〜と。

ハクア達新悪魔軍と旧悪魔軍の戦いのクライマックスとも言える決戦も、殆ど描かれる事無く終わり、この点含めこの作品はこれまでもこれからも変わらず「桂馬がヒロインを恋愛で救う物語」なんだと感じました。

単に縦軸となる物語を入れたからでは無いのです。
今までの方向性のまま、かつ、少年漫画的ワクワク要素を多く含んだ先の気になる物語を入れてくれていたから。
僕は「女神篇」を年間通してもトップレベルの面白さだったと言いたいんです。