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格好悪い大人達の物語 「キャプテンハーロック」 感想

この記事は

「キャプテンハーロック」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

「キャプテンハーロック」を見てきました。
僕は今作について殆ど知らない身です。
10年くらい前に日テレで深夜に放送していたアニメをたまに視聴していた位でしょうか。
そんな程度なので、何も知らないも同様なんです。
だから大きく外れた事を想ったのかもしれませんが、取り敢えず素直な感想を述べれば「格好悪い大人の物語」でした。

格好悪い大人の物語

兎に角登場人物皆格好悪い。
代表的な2人の主人公を挙げてみますと、先ずはヤマ。
ダークヒーローであるハーロックを斃す為に送り込まれた男で、いわば今作のもう1人の主人公となった彼。
最終的には2代目のハーロックを継ぐ訳ですから、彼1人だけが主人公だったのかもしれない。
そう思えるような描かれ方をしたキャラでしたが、彼が本当にカッコワルイ。

兄夫婦への償いの為に命を捨てた指令に挑んだかと思えば、ハーロックに助けられた際の言葉で態度を翻し、ハーロック側に着いてしまう。
もうこの時点で「自分の意志・信念」を持たない弱さを露呈し、格好悪いな〜と思ったのですが、今度は捕えた兄からハーロックの真実を聞いて、またもや翻意。
ハーロックを捕えるという本来の目的の為に行動するも、愛していた兄嫁の死を告げられ逆上。
とある発見を機に、またまたハーロックを助けるという流れ。
時間が無い中で、ヤマと言う人物のほんの一端しか見れなかったからというのも十分にあるのですが、それにしてもコロコロと立場を変え過ぎていて、どうしても格好悪く映りました。

そしてハーロックも然り。
彼については、もう生き様が格好悪い。
部下を騙し、真実を伏せたまま、死ぬ為だけに生きて来た。
不死という呪いを解く為、愛する友や地球を再生する為に、全宇宙のやり直しを目論む。
スケールこそ大きいのかもしれませんが、やってる事は自殺そのもの。
全人類を巻き込む…彼自身を慕う者達をも巻き込むという点を考慮すれば、自殺とは違いますね。
宇宙規模の無理心中で、とことん格好悪い。
申し訳ないですが、彼の誕生秘話から何から何まで共感出来る点はありませんでした。

これはガイア・サンクションの老人達、ヤマの兄のイソラ等、登場人物皆そうかな。
基本的に皆格好悪い。

ただ、これはワザとだったんだろうなという解釈。
そう思ったのが2つの台詞。
1つ目はヤマ。
ガイア・サンクションに捕らわれた(というか、自分達で捕まえたw)ハーロックを助けた際に言った「俺もガイアもハーロックも皆間違っていた」という意味合いの台詞。
2つ目はハーロックが死にゆくイソラを指しての「結局ぶれなかったのはお前だけだった」という感じの台詞。
終始一貫して地球を守ろうとしていたイソラを評しての言葉だったと思います。

ヤマもハーロックも何らかに縛られ、格好悪い生き方をしてきたと自覚しているからこその台詞なのかなと思ったのです。
格好悪い生き方を自覚し、遂には自由となって真のハーロックが生まれた。
自由を旗印に生きるハーロックの誕生譚として見れば、凄く納得出来る物語だった気が致します。

ハーロックは死んだのかどうか

こういう解釈をすると、小栗旬さん演じるハーロックは、ラストで死んだと解釈する方がすっきりします。
実際体内のダークマターを解き放ち不死身でなくなったハーロック。
100年も生きたのです。
いっきに肉体は朽ち果て、精根尽き果て死んでしまったとしても不思議では無い。
ヤマに「ハーロック」を譲り、船長席に腰を掛けた時点で、彼は死んでしまったんじゃないかな。
直後に「発進」と叫んでましたけれど、あれはイメージ映像的な何かで…。
というか、生き残ってたら、物語的にもおかしい気がするんですよね。

実際はどうだったんでしょうね。
明確な死が描かれた訳では無いので、生き残ったとするのがベターなのか。
はたまたここは見た人間1人1人に委ねられているのか。

ちょっと疑問に思った点でした。

映像

映像についても触れておきます。
オールCG映像の今作、映像は凄いの一言。
どうしても「FF10」位の頃の映像を彷彿とさせちゃうのですが、日本の映画でこのレベルのCG映像が作れるという現実にビックリでした。
いや、まあ、最近はそうでも無いのかもですが、日本の映画ってどうしてもハリウッドと比べると予算的に桁違いという事もあって、ちゃっちいという印象が拭えてなくて。
ちゃっちいとは言わせない。これでは言えないというレベルの綺麗なCGアニメーションでした。

ただ、この手のCGアニメーションにありがちな手書きアニメのような誇張表現が無く、どこか冷たい雰囲気はありましたけれど。
同じCGアニメでもピクサーはちゃんと血が通った感じがあるので、技術どうこうでは無くて、作風の違いなのかもしれませんね。

そんな訳で、CGは凄いですけれど、映画としての迫力は今一歩といった感じでした。
ハリウッドの実写映画と比べるのはお門違いと分かってはいるのですが、どうしても2日前に見た「マン・オブ・スティール」と比べちゃうと…。
もう少し派手さを求めていたのですが、少々地味な印象が強かったです。

おわりに

小栗さん始め、俳優の演技は何の問題も無く鑑賞出来ました。
総評としては、どうなんでしょうね。
自分でもよく分からないんですが、普通という感じでしょうか。
腑に落ちない点、どうかな〜と思ってしまう点も多かったのですが、それでも大きな不満がある訳でも無く。
映像が綺麗だったという点もあって、五分五分ですね。

痛快無比なアクション大作として勝手な期待感を膨らませていたからかな。
まあ、この点は、もしも次回があれば期待したいところですね。
誕生譚は描き終わったので、次があればそれが出来るでしょうから。