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「とある科学の超電磁砲S」 11話:何故「自動販売機」という普通のサブタイが付けられたのか?

この記事は

「とある科学の超電磁砲S」11話の記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

サブタイに違和感

今回のサブタイトルは「自動販売機」でした。
今までと趣を異とする不思議なサブタイだな〜と感じました。

ざっとサブタイだけを振り返ってみます。
第1話から

  1. 「超電磁砲(レールガン)」
  2. 「寿命中断(クリティカル)」
  3. 「超電磁砲量産計画(レディオノイズけいかく)」
  4. 「妹達(シスターズ)」
  5. 「絶対能力進化計画(レベル6シフトけいかく)」
  6. 「あたし…みんなのこと見えてるから」
  7. 「お姉さまの力になりたいですの」
  8. 「Item(アイテム)」
  9. 「能力追跡(AIMストーカー)」
  10. 「原子崩し(メルトダウナー)」

その回を象徴するような単語かキャラクターの印象的な台詞か。
非常に特徴的なサブタイが並んでいますが、各回の内容を象徴するものでした。

そこいくと今回はちょっと…。
普通過ぎるというか…。「何故?」と首を傾げたくなるものでした。
確かに自販機はこの回を象徴するアイテムでした。
上条さんという(美琴にとって)光の代表との再会。
ミサカ妹という(美琴にとって)闇の代表との再会。(ミサカ妹自身が闇という訳では無いですが)
美琴にとって天国と地獄、両方との出会いの切欠となったのが自販機でしたので。

だから、納得するっちゃするサブタイなのですが。
もっと意味があったんではないか?
ちょっと穿ってみます。

自販機が齎した最も意味のある出会い

自販機が齎した出会い。
美琴と上条さん。美琴とミサカ妹。
これらも重要ですけれど、ストーリー上最も重要な出会いは、上条さんとミサカ10032号の出会いだと思ってます。
上条さんが、この10032号と出会った事で彼が計画を知る所となり、お話がゴロゴロっと転がっていくから。

で、問題。
自販機の警報で駆け付けた(正確にはミサカ妹と同等の力の波形を感じ取ったから)ミサカ妹と上条さんが転んだ時に出会ったミサカ妹は、同個体なのか?
つまりは、この2人のミサカ妹は、10032号なのかどうかです。

全く同じ顔と声なので、確証が持てません。
原作小説を読んでもいない僕には分からないんですが…。
恐らく別個体だと思います。

追記
第13話にて、上条さんと最初に出会ったのが10031号。以降が10032号だと語られてました。
ああ、これ、「禁書」1期でもきっとあった台詞ですね。
恥ずかしい。覚えて無くて。

上条さんからの質問に10032号が返した応えが「あちらから来ただけ」という、まるで美琴とは会わなかったかのようなものだったからです。
物語を左右する最大の出会いは、これまた自販機が切欠となっていました。

全ての始まりは、中学入学時の美琴の1万円をこの自販機が飲んでしまった事だと語られました。
美琴はその対価として折に触れ、自販機に回し蹴りを加えてきたのでしょう。
それでも、まだまだ1万円に釣り合う程の対価は得られてなかったと思います。…多分(汗

今回、美琴はまたまたその対価を求めました。
建前上(?)は、上条さんの飲まれた2千円分を取り戻すでしたけれど、自分が過去に飲まれた分も…というのはあったかと思います。
何はともあれ、見事な蹴りでした。熟練の切れが見て取れますねw
出てきた大量のジュース。
それを上条さんに投げ渡しました。


もし、このジュースを上条さんに渡さなかったら?

もし、このジュースを律儀に上条さんが持って帰ろうとしなかったら?


ジュースが無いから、足下の見えていた上条さんは、テニスボールを避けられた事でしょう。
そのまま転ぶ事なく歩き去って、上条さんと10032号は出会わなかったかもしれません。
この出会いが無かったら、美琴は死んでいたかもしれない。
計画は潰される事が無かったかもしれません。

ifを重ねても何の意味も無いですが、そんな事を考えさせられます。
事件解決の最初の切欠は、この故障自販機が美琴の1万円を飲んだからと言ってもいいんではないか…。
そうすると、美琴が失った1万円分の対価は充分に得られたことになりますよね。
いや、お金には変えられない分の対価を故障自販機から得られた。

うん。
サブタイに持ってくるには、十分すぎるものだと思い直せます。
美琴が自販機から得られた事。

priceless



(……自分で書いていてサムイ締め方だと思う…)