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「生徒会探偵キリカ」 第4巻 感想

この記事は

「生徒会探偵キリカ」第4巻の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

「俺妹」の最終巻買いに、某古書店街まで行きました。
売ってたんですよ!!明日(というか、今日)発売なのに!!!
問屋にだけど。
ええ、ええ。当然個人では買えませんでした。当然ですよね。

で、その際に一般の書店で見かけたのが「生徒会探偵キリカ」。
同じく7日発売だったのですが、売っておりました。
早売りかな?と思いつつ購入し、帰って来てから地元の本屋に行ったら、そこでも売っていたという。
だから、早売り…では無いはず。
書籍扱いですしね。

兎も角、本書の感想です。
こちらも「数少ない集めているラノベ」の1本。
待望の新刊だったのです。

体育祭というミステリとは縁遠いイベント

今回の題材は体育祭でした。
体育祭です。
体を目いっぱい動かして、汗を流し泥にまみれる運動の祭典。

ミステリを標榜する作品とは、正反対に位置するイベントだと思うんですよね。

勿論今作はガッチガチのミステリでは無いです。
殺人なんて論外の学園ラブコメ・ミステリ。
描かれる謎も非常に些細な物が大半。
寧ろキリカの探偵としての謎解きは、ほんのスパイスに過ぎず、彼女の推理から画策されたヒカゲ少年の謀略を楽しむ作品だと思っております。
いわばコン・ゲームに近いミステリだと思っていて、だからこそ、滅茶苦茶楽しめているのですけれど。

ただそれにしても、頭の体操ならまだしも、体の体操とは縁遠い事は確か。
これで、今まで通りの作風を楽しませて下さるんだろうかという非常に失礼極まりない疑問がありました。
うん。本当に失礼でした。
全力で「御免なさい」するしかありませんでした。

体育祭という頭脳ゲームとは遠い題材をメインに据えつつも、秀逸な「学園ミステリ」に仕上がっていて、もう超絶楽しかった。

先ずは、体育祭のルール決めの対決から、もう興奮しまくり。
お互いに知略知謀を巡らせ、それでいて、「読んでいてもとびっきり楽しめる内容」が提示されていく様は圧巻の一言。
最後の大量ポイントでの大逆転というのは確かに白けるけれど、それ以外に「最後まで緊迫感を保たせる方法」なんて無いのではと思っていたら、「騎馬戦」をこういう使い方してくるとは…と。

で、このルールが最後の最後まで活きて来るストーリーテリングですよね。

正直言えば、今回のひかげの戦略は、大方読めていました。
あの人の「正体」は分かりやすい程提示されていましたし。
そうではなくとも、少し勘を働かせるだけで疑えるような描かれ方でしたしね。
競技の最中の鞍替えまでは想像出来ませんでしたけれど、ある程度は読めたことだったので驚きこそ少なかったんですが…。

まさかその先に「探偵としての仕事」がきっちりと用意されていようとは…。
彼の人のとある目的こそが、魔王君の真の目的でもあると思っていたので、これは一本してやられました。

この辺も、なんていいますか、キャラメイクの勝利だったのかな〜と。
今流行のただの中二病キャラだと思っていたらwww
まあ、それだけでは無い事は、作中さんざっぱら描写されていたんですけれども…ね。
あの手掛かりの提示は、本格ミステリとしては無しだけれど、今作のようなミステリならばアリですよね。
キャラを上手く隠れ蓑にしていた素晴らしい伏線だったと思います。

一流コックの作る三ツ星料理

こうやって素晴らしい物を見せられるとつくづく感じるのですが、どんなイベントも料理の仕方次第なんだな〜と。

学園ものなんていうのは、昔から無数。
それこそ数えきれない位あって、当たり前のように体育祭(運動会)なんて「使い古されたイベント」ですよね。

ただ単に漠然と描くだけでは、他と差異を付けられず埋没しちゃうから、やっぱり作品独自の色付けが大切になる。
でも、その色は、作品そのものが本来持つ色と同色である必要もありますよね。

今回であれば、ミステリ要素が一切入り込まない体育祭だったら、僕は例え内容で満足しても、「面白い巻だった」とは思えませんでした。
やっぱりそこは、きちんと今まで通りの型を崩して欲しくなかったから。

読んでいて頭にボヤ〜っと浮かんだのは、漫画ですが「生徒会役員共」ですね。
下ネタばかりのこの漫画で、例えば下ネタの一切無い体育祭が描かれたら、「これじゃない」となる筈です。
そもそも体育祭は健全なスポーツのイベントなのだから、下ネタが入る時点でオカシイのですけれど、でも、それをしてでも下ネタを入れ込まないと作品らしくは無い。

一見無理難題な事でも、作品の色に染め上げる事がどうしても重要だと思うし、だからこそ、それをしてくださっていた今作がどうしようもなく傑作に思えるんですよね。

非常に難しいと思ったミステリと体育祭という2つの要素をきっちりと「キリカ風味」に落とし込んで提供して下さるところに、杉井先生の凄さが光る1冊だったと感じました。

おまけ

キャラクターについても、ほんの少しだけ。
今回は、やっぱりルイ大魔王閣下でしょう!!!(笑
キリカとか美園とか、メインキャラも良かったですが、やっぱりインパクト抜群だったのが彼ですね。
今回は彼が主役みたいなものでしたし、これは殆どの方の共通認識であると思いたいw

こんなぶっ飛んだキャラを出されると、読んでいて本当に楽しくなります。

彼の言動が何もかも楽しくて、そして本当に憎めない。
是非是非再登場して欲しいキャラです。
その時は、もう少しまともな食事にありつけていると、もっと嬉しいかなw

生徒会探偵キリカ4 (講談社ラノベ文庫)

生徒会探偵キリカ4 (講談社ラノベ文庫)