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「変態仮面」が教えてくれたヒーローに大切な要素

この記事は

「変態仮面」の記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

ヒーローとは

「変態仮面」やっと見て来れたああああああああああ。
もう最高だった。
大の大人が、クソ真面目に本気で作ってくれているからこそのクオリティ。
今日は、この映画についてさらっと書いていきます。

ヒーローの心

僕はこの映画に「ヒーロー像とはなんたるか」を改めて教えられた思いです。
先ずは外見ですね。
ヒーローに外見なんて関係ないのです。

変態仮面は、変態です。
どっからどう見ても変態です。
狂おしいまでの変態で、彼の姿を見て「変態では無い」と思っちゃうと「変態とは何か」を一から学び直さねばならない位に変態です。

頭には女性用の下着。
白のブリーフを履いて、そのブリーフの両端を無理に引き延ばして肩にクロスに掛ける。
当然、ケツは丸見えである。
足には網タイツを華麗に履きこなし、そして隆々の筋肉を見せつけるようなポージングを決める。

この姿を見て、変態と思わないとヤバいんです。
原作の姿を完璧に再現しているので、実写になると変態度が更に極まっている。

でも、それでも心は正義心の塊なんですよ。
好きな子の為とはいえ、悪を挫き、弱さを助ける。
目の前に傷ついた人を見れば、負けると分かってはいても助けずにはいられない。
父譲りという説明がありましたけれど、そうじゃないですよね。

主人公・狂介自身の正義感があればこそ。

外見だけ見れば、即逮捕ものです。
下着を盗んでもいるので、少年とはいえ、それなりに罪は重くなるかもしれません。

それでも、彼が正義のヒーローに見えてしまうのは、彼がその心にひーとーの魂を宿しているから。
己が傷つき、倒れることを厭わず、悪に向かっていける勇気と正義感。

外見なんて関係無いのですよね。


少し話が逸れますが、外見をわざと醜悪にする事で、内面のヒーロー性を強調する作品は多数存在します。
ヒーローものの定番の設定の一つで、例えば「仮面ライダー」がそうです。

あれ、僕らが観れば「充分に格好良い外見のヒーロー」ですが、作中では「バッタの怪人」ですからね。
特に「真・仮面ライダー」では、その異形な姿が強調されています。

話を戻しますと、この「変態仮面」もこういった系譜に連なる作品なのでしょう。
ただ一つ違うのは、それまでのヒーローが「異形性」を強調しているのに対し、変態仮面は「変態性」を極めている事ですね。

ヒーローの声

そして声ですよ。
これがとっても大きかった。
主演の鈴木亮平さんの凄い所ですね。

狂介の時の声は、基本的になよなよとした感じの「(体だけは鍛えられているけれど、)喧嘩は弱いよね」と感じざるを得ない声色なんです。
まさしく狂介というキャラクターにピッタリとフィットする声で、ここからはヒーロー性の欠片も感じません。

しかし、一度パンティを被ると、一変。

凛々しくも逞しさを覚えるカッチョイイ声に変わるんです。

よく声優陣の中にも「ヒーロー声優」なんて呼ばれている方々がいらっしゃいます。
神谷明さんとか古谷徹さんとか。
多くのヒーローを演じて来たからこその呼称ですけれど、それだけじゃないですよね。
僕なんかは神谷さんの声を聞くだけで「カッチョイイ」と感じます。

イメージとしては、「変態仮面」を「キン肉マン」に置き換えて頂きたいです。
普段頼りなくてズボラなスグルが、リングに上がり友情パワーに目覚めると正義超人・キン肉マンになる。
ギャグ時のキン肉マンと本気の時のキン肉マン。
神谷さんは綺麗に声を使い分けられていて、正義超人として戦っている時のキン肉マンの声は、滅茶苦茶格好良い。

今回の変態仮面。
鈴木さんの演技もまさしくコレなんですよ。

「それは私のオイナリさんだ」とか。
「それは私のゴールデンボールだ」とか。
痺れる声で、痺れる台詞を連呼するんです。

格好良いと思わざるを得ません。
声からしてヒーロー!!素晴らしかったです。

まとめ

鈴木亮平さんという素晴らしい役者が、その役者魂の全てをぶつけていた今作。
体作りから始まって、声の演技。
そして、パンティを被って、トランクスに網タイツという姿で冬の街中を疾駆した勇気。

変身後まで演じきった鈴木さんの力が、ヒーローとは中身だと僕に教えてくださいました。

この作品を見ることに勇気は要りません。
恥ずかしくも無い。
正義の魂に触れる機会なんです。寧ろ誇っても良い位です。
真の正義を目に焼き付けるべく、このGW後半は劇場に足を運んでいただきたいです。