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アニメ、漫画の感想・考察

「ドラえもん のび太のひみつ道具博物館」 感想 作品を卒業した人間でも楽しめる傑作

この記事は

「ドラえもん のび太のひみつ道具博物館」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

生まれて初めて劇場で「ドラえもん」を見てきました。
まさかこんな歳になって、こういう初体験をする事になるとは夢にも思わなかったです。

で、結論から言えば大満足。
滅茶苦茶楽しんでしまったw

ネタバレ無しで感想

過去に何度か触れてますが、「大長編ドラえもん」にド嵌りしていた時期がありました。
「のび太と夢幻三剣士」が僕の中で大ヒットし、その影響で過去作のコミックスを集めまくったのです。
本当におもちゃ箱をひっくり返したような夢いっぱいの冒険活劇に、当時小学生だった僕は酔いしれました。

それから中学生になり、藤子F先生が他界されました。
年齢的にも「ドラえもん」からとうに卒業していてもおかしくない時期であり、かつ、偉大な原作者の喪失。
TVで毎年放送される映画を欠かさず見ていましたが、とたんに面白く感じなくなっていきました。
「南海大冒険」以降と以前では、僕の中での評価が雲泥の差だったりします。

そんな状態で更に時は流れ、完全にTV放送も視聴しなくなり(放送時間に家に入れない等、物理的な理由もあるのですが)、声優陣が変更されて…。
だから、「映画ドラえもん」自体超久々の鑑賞だった訳です。

一度面白く感じなくなっていたから、今回も楽しめるだろうかという不安一杯の中。
でも、題材がとっても興味深かったので、劇場に足を運んだわけです。
それが良い意味で予想を裏切る出来だったから、大収穫!!!という感じなんです。

先ず、今作の「のび太のひみつ道具博物館」には、嘗て僕がワクワクドキドキした大冒険という要素はありませんでした。
基本的には、メイン舞台となった「ひみつ道具博物館」内だけで物語が進行。
敵と呼べるキャラも出て来ず。だけどバトル的要素はきちんと残っていて。
全体的にのほほんとしたコメディ感全開の中、アクションなど映画的な盛り上がりはしっかりと盛り込まれた良作という感想。
これまでの「映画ドラえもん」に持っていたイメージとは違いますけれど、コメディ好きとしては押さえたいと思えた作品だったかな。

時間を忘れ、年甲斐も無く楽しく笑ってホッコリ出来る。
そういう誰が見ても楽しめるような作りになっていました。

ゲスト声優に関してですが、何より千葉繁さんが流石の一言。
多才な方だと思うのですが、コメディを演じさせても超一流ですね。
笑いどころが多く、コメディ映画とも呼んで差支えない今作に於いて、誰よりも輝いていました。

そして、芸能人。
何も知らなかったので、スタッフクレジットを見てビックリ。
主要人物の一人であるマスタード警部に松平健さんを起用されていたとは…。
普通に本職声優かと思ってましたよ(汗

あと、公式サイトには載ってませんでしたが、一言だけ向井理さんが。
なんであんな少しの役なのに、出演させたのか…不明過ぎる。


声優に関してはそんな感じで。
で、何故今になって今作が楽しめたのか?
よく分からないですけれど、ひみつ道具がメインだったのが大きかったのかもしれません。
宣伝文句となっていた「ひみつ道具の秘密」は、そんなに驚くべきものでは無かったものの、でも、多くのひみつ道具がこれでもかと出てきて、スクリーンを楽しく彩っていて。

どれもこれも懐かしい道具ばかりなんですよね。
昔見ていた頃からあった道具の「初期バージョン」とか出て来て、なんか見てるだけで楽しい。

それに、この作品の楽しさの一つって「どんなひみつ道具が出てくるのか」にあると思うのですよね。
毎回毎回夢が有ったり、使い勝手が分からなかったり、純粋に欲しいと思えるものだったり。
様々な道具が出て来ては、物語を形作っていく。
そういう作品の大事な大事な部分をメインに持ってきてるから、僕は今回見たいと思えたし、多くのひみつ道具の登場で満足した。

根源的な楽しさを前面に出して、変にシリアス色は出さずコメディとして纏め上げた。
そういう監督の描き方ともピッタリと嵌っていたし、だからこそ満足できたのかもしれません。

さて、以下はネタバレ全開です。

ネタバレあり感想

無駄が無く、前半に置いた布石がラストで活かされるという作りに安心感を覚えますね。
まあ、これって当たり前の事ではあると思います。
でも、当たり前のことを当たり前にこなせるから、今作はずっとずっと愛され続けているのだと思う。
「名探偵コナン」もそうですけれど、長編映画のお手本のような作劇ですね。

クライマックスの復元ライトを大きくするという発想も「夢幻三剣士」等で見られたものと同等ですが、クルトの発明品を絡めてくるあたりが心憎い。
この為に序盤でびっくりライトを出していたのでしょうし。(同様の理由でハイパー掃除機も)

ひみつ道具の大半に使われているフルメタルに、扱いに免許が居るという尤もらしい設定を付加した事で、「クルトの発明には使われていない」という点も自然でいて、かつ、ラストに活きている。

あくまでも一例ですけれど、このような丁寧な作りが、作品全体の面白さの由縁なのかなと。

謎解きに関しても、作品の対象年齢相当の謎であり、クソ真面目に解明に乗り出すものでも無いんですけれど、ひみつ道具の"知識"と作中の伏線だけで解けるようになっていました。
"知識"と言っても公式設定とかでは無くて、単なる想像に過ぎないのですが。
きこりの泉に関してですね。
有名な綺麗なジャイアンを生み出した道具です。

この道具、マット中央の泉から現れる女神ロボットは、泉から外には出ない(出れない)ものなんだと思うのです。
単に泉から出て来て、質問をし、返ってきた答えに見合った物を渡して、ハイお仕舞いという、ただそれだけのロボットですから。
泉の外に出て来て、更には戦うなんて行動はしない…と思うのです。

が、怪盗DXの使ったきこりの泉から出てきた女神ロボットは、泉の外に出て戦ってました(笑
正規のきこりの泉とは全く異なる動作をしていて、何らかの改造が加えられているという推測が成り立つ。
作中それを行う可能性が描かれたのは、クルトだけという事となり、彼が怪盗DXの正体という結論に至れるのかなと。

やはり丁寧な部分ですね。
そうそう。謎解きという訳では無いですが、ドラえもんの鈴がジンジャーの靴に付いていた事には全く気付けなかったw
これものび太とドラえもんの鈴に纏わる思い出に起因した演出だったのかもしれません。

それにしても、あれですね。
手足の長いドラえもんはキモカッタですね。
多分一人で見ていたら声に出して大笑いしてました。
実際声こそ殺してましたけれど、一人で大うけしましたもの。

あの怪盗ドラックスは反則でしたね。
しかもアクションがいちいち格好良くて、気合い入った動かし方をしているもんだから、余計におかしくて。
最もウケたシーンでした。

総括

笑い(コメディ)6:ワクワクドキドキ3:ハラハラ1
って感じでしょうか。
そこにほんのちょっぴりの感動エッセンスを混ぜ込んだ映画ドラえもん最新作。

今まで「ドラえもん」から離れていた人でも、1度は見て欲しいかな。
個人的には大満足の出来。
もう1回は見てもOKとまで思えた映画でした。