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「るろうに剣心」 二重の極みの素晴らしさをとことん語ってみる

この記事は

「るろうに剣心」の記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

二重の極み

今月の「ジャンプSQ」2013年3月号掲載の「るろうに剣心-キネマ版-」第八幕「暴風」。
読んでいて、滅茶苦茶ワクワクした回でした。
もう迫力満点。剣心と外印の"空中戦"の見せ方に興奮し、外印の素顔がイケメンになっていて大笑いし(笑
中でも、左之助VS番神が良過ぎました。

「-明治剣客浪漫譚-」人誅編以来の"再戦"となった、この一戦。
"正史"の緒戦では、左之の二重の極みが気持ちいい位に極まって、番神自慢の無敵手甲を粉砕していました。
決着戦では、体術にやや苦戦しつつも、やはり二重の極みを以て完勝。

右手と引き換えではありましたけれど、左之が勝利しました。

さて今回は…って、今回も当然左之が勝つことは決まっている訳ですけれども、僕自身は、どちらが勝つのかよりも、「どうやって二重の極みを極めるのか」が知りたい訳です。

で、考えてみれば、この二重の極みって、滅茶苦茶素晴らしい技なんですよね。

実際に出来ちゃいそうな真似したくなる点が素晴らしい

そもそも、この技はどんな技なのかといえば、作中の解説を抜粋させて頂きます。

"一撃必壊"
これを成すには拳の衝撃を全て完璧に伝え切らねばならない

だが全ての物体には抵抗が存在するため
その衝撃は完全には伝わらない

そこに必ず無駄な衝撃が生じてしまう

ではその無駄を失くすにはどうすれば良いか

まず虎の手に構えた拳で第一の衝撃を加え
物体の抵抗を引き出し相殺する

正にその瞬間刹那の拍子(75分の1秒)に

拳を固めて第二の衝撃を抵抗を失った物体に叩き込む

これこそが破壊の極意
その名も
二重の極み

高校以上の物理学の授業を習った事があれば理解が容易い事だと思うのですけれど、力とはベクトルなんですよね。
つまりは、大きさと向きを併せ持っているという事です。

まあ、ようするに、手で物を殴れば物からも手に力が加えられるという事ですね。
物理の教科書に、スケートを履いた少年が壁を押したらどうなるか?というイラストがありましたけれど、あれもそう。
壁を押す場合、自分が壁を押したのと同じ分の力が壁から自分に与えられる。
だから、スケートを履いた少年は、後方へと下がっていくわけで。

全ての物には、このような抵抗力がある事は、物理学なんかでも当たり前のように語られており、これって普通に生活してれば誰だって分かる事です。
そこに、目にもとまらぬ瞬間に第二撃を与えたら…。
物が粉砕してしまうんじゃないかと本気で思えてしまう。

実際に粉砕するかは置いといて、なんだかリアリティがあるように思えちゃう技なんですよね。

しかも、拳一つで可能なのが面白い点です。
不思議なパワーや魔法。気なんか無くとも、誰にでも出来る。
誰にでも、二重の極みの"修行"が出来るのです。

中学生以下の少年ならば、一度は挑戦したくなる技なんですよ!!
実際、当時中学生だった自分。
何度かやってみたことがあったような無かったような思い出したくないような。

拳があれば誰にでも挑戦出来て、理屈的にも可能に思える。
だけれど、刹那の瞬間という出来っこない点だけが実現を邪魔している。
絶妙な設定が、この技には与えられているんです。

これは、本当に真似したくなっちゃいます。

バリエーションが豊富なのが素晴らしい

でも、この技の魅力は、これだけでは無いんですよね。
これは、作中で遺憾なく描かれております。

先ずは、技のバリエーション。
二重の極みを開発した安慈は、真の意味で極めておりました。
「-明治剣客浪漫譚-」京都編での終盤。
左之との決戦に於いて見せた安慈の二重の極みは、まさしく「極めた者の技」でした。

左之が右手の正拳だけでやっとこさ成し得ていた中、安慈といえば、両手両足で二重の極みを披露。
しかも左手は、正拳では無く肘打ち。
足や肘で、二重の極みを打つとは、最早人間業ではありませんね。
でも、こんなバリエーションがある事は魅力に大きくプラスです。

バリエーションと言えば、左之も負けておりません。
壊れた右手を補うために、左手を使って右手のダメージを軽減するという彼なりの二重の極みを習得。
人誅編終盤で披露し、剣心を感嘆させていました。

そうそう。
安慈を倒した"三重の極み"もバリエーションの一つとして見てもいいかもしれません。

他にも、安慈が初登場時に見せた遠当て等、「神速の二連撃」という単純な構造の技ながら、豊富なバリエーションがある事も見ていて楽しくなる要因ではあるかなと。
同じ技でも、どんどん見せ方を変えることが出来るので。

そして、なにより…です。
弱点がある事がとっても良いのですよ。

二重の極みの弱点が素晴らしい

必殺技を設定するにあたって、僕はやってはいけない事があると思っております。
それは、真の意味で「必殺」にしない事ですね。
何かしらのマイナス要因−弱点を付して欲しいと思うのです。

何故かと言えば、完全無敵の必殺技があると、どんな死闘も白けてしまうからですね。
「どうせ必殺技決めれば、勝つんでしょ?」という雰囲気のまま、見てしまうのです。

これが悪い意味で広まってしまっている例で言えば、「DRAGON BALL」の元気玉が挙げられるんじゃないかなと。
よく見かけるんですよ。
「どうせ最後は元気玉なんでしょ」って意味合いの言葉を。

でもこれって、恐らくは劇場版で植え付けられたイメージなんですよね。
劇場版「DRAGON BALL Z」第2作「この世で一番強いヤツ」から第5作「超サイヤ人だ孫悟空」までの決め技として使われていたり、第10作「極限バトル!!三大超サイヤ人」でも、元気玉を取り込んだ悟空が超13号を破壊したりと無双をしていて。

これらの印象が物凄く強いのかなと。
だって、原作での元気玉はというと、邪悪ブウを屠っただけなんですよ。
ベジータの時もフリーザの時も、ダメージこそ与えはしましたけれど、決定打にはならなかったですし。

そんな訳で、話は逸れましたけれど、元気玉は悪い例。
実際は「必殺技」では無いのに、「元気玉決めれば勝つんでしょ」とか思われてしまっている技で。
とかく、世間的にもこういった「〇〇使えば、勝つんでしょ」と思わせてしまう必殺技は良くないという証左にも使えそうな事例では無いでしょうか。

閑話休題。
二重の極みに戻りますと、この技には、しっかりと弱点があります。
先ずは、安慈和尚が自ら見せた「極み外し」。

左之が安慈の左脇腹に打ち込んだ二重の極みに合わせ、真裏(右脇腹)から正拳を加える事で衝撃の伝導の拍子を崩し、ただの二連撃にしちゃうという荒技です。

タイミングがメッチャ難しい上に、多分普通に痛い(笑
安慈みたく体を極限まで鍛え抜いているからこそ出来る技かなと。

これの"剣心版"が「-キネマ版-」第二幕で披露されていました。
刀と鞘の二段抜刀"双龍閃"で、やはり伝導の拍子を崩して攻略。
神速の抜刀術を誇る剣心ならではの攻略法ですね。

このように、意図的にタイミングをずらす事で難を逃れる事が可能という弱点がありました。
で。今回、新しい弱点が露呈した訳ですよ。

冒頭にも書いたように、この技のポイントは、抵抗を失くしたところに、間髪入れず二撃目を打ちこむという点です。
では、そもそも、その"抵抗"自体が無かったらどうなるか?
やはり只の二連撃になるんではないか。

"抵抗が(ほぼ)無い物体"というと、軟体を想像します。
例えば、「-明治剣客浪漫譚-」の外印が使っていた夷腕坊。
特に参號機である「参號機夷腕坊・猛襲型」。ゴム製の表皮で高度な柔軟性を持ったこの絡繰に二重の極みが通用していたかと言えば、どうなんでしょう。
きっと、通じていなかったんではないかな。
「ONE PIECE」のルフィが相手でも「(打撃は)効かーーーーーーん(どーーん!!)」ってなっていると思うし。

また、スライムのような粘性のゲル状の物体にも、同様に効かなそうで。
とはいえ、この漫画の世界観にスライムなどは敵としては出せませんよね。
ファンタジーでは無いのでモンスターは出せない。(人間だけれど、人間では有り得ない巨体である不二とかからは目を反らしつつw)

そこで、武器として出してきた。
とはいえ、本当にゲル状だと武器にならんので、「柔らかい金属を手に纏う」という形で出されてきました。
番神の無敵手甲の進化版という訳ですね。

先程「新しい弱点」としましたけれど、これも根本的な部分は一緒で、やはり二撃目の伝導の拍子を崩すというもの。
だから、厳密には「新しい弱点」とは言えないのですけれど、今度は、これを攻略しないといけないんですよね。

これまでは弱点が出てきても、その弱点の克服はしてきませんでした。
安慈戦では、極み外しや三重の極みを見せた左之がもぎ取った勝利。
最終的には殴り合いでなんとか勝ったという感じで、弱点の克服という事は出来ませんでした。

剣心の時は、二重の極みを外されたまま負けてしまい、それまで。

で、今回は、左之は勝たなければいけません。
左之が勝つには、相手の武器を破壊する必要があります。
なんせ番神の無敵手甲は昔から攻防一体に向いた武具ですので。

相手の武器そのものが、弱点となっているから、必ず弱点の克服法を見出さなければならない。と思う。

二重の極みが生まれてから17年あまり。
遂に二重の極みの弱点が弱点で無くなる時が来たのかもですね。

終わりに

とはいえ、弱点が無くなられたら、それはそれで残念ではあるのですがw
ただ、この勝負、非常に見応えがありそうです。
どうやって左之は二重の極みを極めるのか。
それがとっても気になりますね。