アニメな日々、漫画な月日

アニメ、漫画の感想・考察

「ONE PIECE FILM Z」 感想:映画館で見るべき大スケールの映画!!!

この記事は

「ONE PIECE FILM Z」の感想記事です。
取り留めもない文章になってしまいました。

ネタバレ無し感想

最速上映。行ってきました。
いや〜、深夜0時上映なのに、人人人。人の山。
決して狭くない。てか、全国でも広い方だと思われる532席のシアターがほぼ埋まっておりました。
空いていたのは前の方数列のみ。
それ以外は端から端までビッシリと埋まり、皆どんだけ好きなんだと。
深夜に大勢の"大きな少年・少女達"とワンピを楽しんで参りました。
あ。僕は大きなただのオッサンです。はい。

ま、それはそうと。
映画の感想。

一言でいうと、大スクリーンで見るべき映画。
これに尽きます。
事前の情報通り、もうアクションというか全編バトル。
オープニングからクライマックスまで、東映アニメーション頑張り過ぎちゃった渾身の作画で迫力あり過ぎのバトルの連続。
こういうのは、やっぱり家の小さなTVで見るもんじゃありません。
大きなスクリーンで、思いっきり楽しむべきです。

そんな訳で、気分爽快になれる映画…というだけでも無く、やっぱり最後は少ししんみりとした感じもあり。
ドラマは最低限ではありますが、十分濃いものが描かれておりました。
これについてはネタバレあり感想(後述)の方で。

さてさて。
今作は、何と言ってもスケール感が半端無い。
うん。比較する為にも過去のワンピ映画を振り返ってみますと…。

「エピソード・オブ」シリーズ(総集編)や「3D」を除くと、基本的に作品の舞台は一つの島の中で完結しておりました。
そんな極々小さな世界での物語を描いているから、どうしてもスケール感は出しづらかったんではないでしょうか。

特に初期3作は、上映時間も短く、どうしても伝統の「東映アニメ映画」の枠を脱しきれていなかった。
敵が出て来て。ゲストキャラのドラマを描いて。主人公達が敵を倒す。
このテンプレに則った物語故に、原作以上のスケール感が出ていなかったと思うのです。

バトル漫画を原作とした映画作品には、どうしても必要以上にスケール感を望む傾向にありますからね。
残念ながらこれには応えられていなかった。

4作目「デッドエンドの冒険」から長編となり、それだけでも物語で描けることは増しました。
しかも4作目は、海賊たちの非合法レースを舞台としており、個人的には尾田先生が関わっていない映画の中では、最もワンピらしい作品だったと感じております。

ただ、これが続かなかったのが残念で。
第5作「呪われた聖剣」〜第7作「カラクリ城のメカ巨兵」は、またしても「一つの島の中の物語」に終始してしまい…。
結果スケール感は非常に小さな印象のままで終わってしまったのです。
少なくとも僕の中では。

そんな中第10弾「STRONG WORLD」が公開。
実はこの作品も、然程スケールの大きいモノでは無かったと思っております。
確かに敵の存在自体は大きなものになるよう工夫されていました。
が、そこはポッと出のキャラ。
原作で昔から存在が仄めかされていたならまだしも、突如「伝説の大海賊」と言われてもいまいちピンとは来ず。
その分、ワクワクする島の設定や「ONE PIECE」らしい友情ドラマ等を盛り込んで居た為に、『「ONE PIECE」らしい「ONE PIECE」映画』になっていたなという印象だったのです。

長くなりましたが、今作に話を戻します。
第12弾「FILM Z」。
Zの設定的には金獅子のシキと発想は同じでしょうか。
シキが伝説の海賊ならばZは伝説の海軍。
バックボーンの規模的には同等。

持っていた野望もやはり"大きさ"的に似たり寄ったりかな。
しかし、その"達成感"ていうのかな。それが全然違ったかな。

前述の通り、「STRONG WORLD」も実に局所的な物語だったんですよね。
空飛ぶ無数の島々を舞台にしているので錯覚しがちですけれど、あれらはひとまとめに「シキの海賊船」。
その中で完結しちゃっている。

今回は違いました。
新世界の海を駆け回り、その中で「仲間を元に戻す為の戦い」がいつの間にか「新世界全体の運命を左右する決戦」へと変貌していく。
このプロットに、大迫力の作画と演出で描かれたバトルがマッチして、「ワンピ映画史上空前のスケール感」を作り上げているのです。
予告の「全海賊滅亡」というのは誇大広告なんかじゃ無かった。
これに相応しい内容であり、見合ったスケール感が出ていたと感じました。

ゲストキャラの出番を最低限にまで減らしたのも功を奏していたかな。
ルフィVSゼットに徹底的に的を絞っていたお陰で、スッキリとしていて、かつ、大きな物語が描けたのかなと。

てなわけで。
映画館で見るべき映画。
これが僕の感想です。

あ。原作ファンは見るべきです。
今後の為にも。
一応「魚人島編」から「パンクハザード編」の間の物語と公式で設定されている今作。
どっからどうみても、この間に挿入できるような物語では無かったのですが(笑
まあ、そこは強引だろうと何だろうと捻じ込んでくるんじゃないかなと。

クザンや新海軍、そして「エンドポイント」等々。
今後の原作本編で語られてもオカシクない"情報"がてんこ盛りでした。
この映画を見ないと原作に着いていけなくなるという訳では無いでしょうけれど、見ておいた方が理解が早くなる可能性は高いかなと思うのです。

同じ見るなら、レンタルやセル商品よりも映画が良いと思うですよ。

それと、ロリ大好きな人も見ると良いですよ(笑
正直彼女には、あのままで居て貰いたかったと思ってしまったとは言えないw

てな感じで。以下、ネタバレあり感想(考察)

「海賊の宝袋」

と、その前に。
入場者プレゼントの件について触れる事で、ネタバレ防止策とさせてください。

「海賊の宝袋」なんて言うので、本当に紙袋サイズの大きな福袋的なものを想像していたのですけれど、実際は新書サイズの本を入れるのにちょうど良い程度の大きさでした。

内容はというと…
 ①「ONE PIECE」 巻千 "Z"
 ②ポストカード
 ③ゴムゴムのなりきりスタンプ
 ④シール
 ⑤尾田先生描き下ろしすごろくセット
 ⑥「ワンピ―トレジャーワールド」劇場限定原画イラストカード

①は82ページの映画副読本。
尾田先生が映画やTVオリジナルストーリー、TVSPの為に描いてきた資料やら設定画やらが網羅された冊子。
③は全20種類あるそうです。どれが入っているかは、開けてからのお楽しみ〜♪

今度こそネタバレあり感想です。

ゼファーという男

この映画。
ルフィを主役として見るか、ゼファーを主役として見るかで、大きく様変わりするように出来ていたのかなと。
千巻に書かれていた事ですが、正しくはルフィ視点で見るべきなんだと思うのです。
が、僕のような捻くれた大人には、ゼファー視点で見てしまいがちになります。

そうして、ゼファーに感情移入というか…ゼファー寄りで見ると、切ないラストになってしまうのですが…。

「ONE PIECE」ってオーソドックスな「善対悪」という図式を使用する事が殆どですよね。
ルフィの前に立ち塞がる海賊たちは、どこれこれも正しく悪と言えるような奴らばかりでした。

でも、作品全体としては決してそんな事はなく。
なんせ当のルフィ達が「正義」では無いですからね。
魚人島編でヒーローになる事を拒んでいるように、彼らは海賊であって、決して正義の味方では無いのです。
「正義」を標榜とする海軍と敵対しているのも、この点を浮彫にしております。

ただ、そんな海軍もまた必ずしも「正義」とは言えない集団だったりします。
初期のモーガンやネズミらもそうだし、新元帥サカズキの「行き過ぎた正義」もそう。
第一海軍の上に立つ世界政府が殊更怪しさMAXな為、この世界での「正義」というのは霞んでいるのですよね。
これは現実でもそうなんですけれども。

立場によって「正義」も変わる。当たり前の話ですけれど。
ルフィらに助けられた人達からすればルフィらが正義になる。
しかし、海軍からすれば、ルフィは悪であり…。
海軍から同じく悪と見做されたゼファーも、アインら彼を師事し・慕う者からすれば正義な訳で。

そんな不安定な「正義」。
まさしくゼファーの人生は「正義」に振り回された人生として描かれていました。
以下、千巻にも書かれていた事をそのまま書きだすようですけれど。

子供の頃正しいと信じた「正義」。
それが海軍にあるものと信じ入隊したものの、2度の事件を経て、海軍に自分が信じた正義が無いと悟り…。
正義のヒーロー「Z」になるも、自身の「正義」を貫き、無関係の一般人をも巻き込んでいた…。

結局「正しい正義」なんてものは無いという事ですよね。
その中でも、自身の信念を貫く事の大切さ・格好良さを謳っていたのかなと。

ガリ少年が言ってました。
彼にとっては海賊をも正義に見えるのだと。

自分が信じた正義を、最期まで貫き生き抜く。
ガリに送ったルフィの言葉。
ゼファーの生き方。

そして、作品全体を貫く勝負に関する考え方。
相手を殺す事が目的では無い。相手の信念を折る事が勝ちであり、目的である。

一度信念を折られて尚、信念を貫き、散ったゼファー。
尾田先生が作品に込めている想いを体現したゼファーという男。

悪であり、しかし、善でもある。
非常に魅力的な男が敵としていたからこそ、この映画は輝いて見えました。

まとめ

ワンピは子供を非常に意識して作られている作品です。
尾田先生が常々言っています。

子供に「夢を信じ抜く事」を大切にして欲しいと思っているのかもですね。
アインがモドモドの実の使い手だったり、ENDで主要キャラの子供時代を執拗に描いていたのも、その為なのかなって。
アインの能力は兎も角、主要キャラの子供時代のイラストって、皆見た目だけで今の"キャラ"とぶれていない事が分かるんですよね。

外見に現れる「信念」が子供の頃からずっと変わっていない。
ワンピのキャラ達は皆、子供の頃からの信念を貫いて生きている。
だから、君たちも今から信念を持って生きて欲しい。
そんなメッセージ。

そういう観方も出来るんじゃないかなと思った次第です。


余談ですが、信じた信念が「誰から見ても法に反する行為」が正しいという事を作品が謳っている訳では無いよと。
そういうのは必ず失敗する(罰を受ける)という事は、少年漫画の鉄則としてきちんと描かれていますから。