Mangaism

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「けいおん! highschool」から読み取ったメッセージを想う〜キャラの名前が漢字一文字の理由も考える〜

この記事は

「けいおん! highschool」の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

面白かった〜

「けいおん! highschool」購入しました。読了しました。
前回「college」の記事と同じような記事タイトルなのは気のせいです。
手抜きではありません。

さてと。
うん。滅茶苦茶面白かった。
「college」とは比較にならない位というと、ちと言い過ぎかもですけれど、本当に面白くて。

正伝と外伝

何故こうまで面白いと感じたのか。
やっぱり、「けいおん!」全4巻の雰囲気そのままに描かれていた事が最も大きかったと思うのです。
これは本編とは関係のない部分ですが、例えば折り返しの作者コメント。
「college」では無かった作者コメントが、「highschool」では復活。

そして本編では、梓が主役を張っていたのが、何よりも大きい。
「college」は唯がそのまま主人公ではあったと思うのだけれど、なんていうかどうも晶中心の様に思えてしまった。

しかし、今回は梓を中心に既存のキャラである憂と純、3人を描く事を徹頭徹尾意識していたように思えたし、「けいおん!」の象徴であるティータイムもムギの「妹」を登場させて上手い事復活させていた。

確かに唯達はいなかったけれど、でも流れている空気は今までと何ら変わらず同じだった。
さわ子先生がいて、憂や純がいて、そしてティータイムがあって。
そこに新要素である菫と直が混ざって、全てを包むように梓がいる…みたいな。

かき先生のコメントに

続き

という言葉があるように、確かに「highschool」は「けいおん!」の続きだった。

「college」って、こうして振り返ると「続編」というよりも「外伝」、「番外編」の要素が濃かったように思う。
唯達「HTT」の4人がいなくても成り立っていたと感じます。
でも、今回は違うかな。
梓がいなかったら、成り立っていない。
とりもなおさず「highschool」こそ「正しき続編」であったと感じました。

勿論これは梓達既存キャラの力が大きかったと思うけれど、それを認めてしまうと唯達のキャラクターとしてのパワーは弱かったのかとも思われかねない。
僕はそうは思っていなくて。

どのキャラに焦点を当てていたのかが大きいし、ここまではそれについて纏めてみました。
ここからは、別の視点から、「college」と「highchool」の違いについて僕なりの考えを纏めてみます。

主役は「軽音部」

さわ子先生のモノローグで締められたラストを読み、ふと思ったのです。
この作品の主役は、唯でも梓でも無くて、「軽音部」そのものなのかもなと。
いや、そう読み手に思わせるように作られていた…とも言えるのかな。

僕自身「けいおん!」から「highschool」の流れが正しい続編のあり方だと感じた理由は、上述しました。
梓ら既存のキャラを中心に描いていたから…ですね。
ならば、言いかえれば、それは唯や梓である必要性が必ずしも無いという事です。

例えば、「highschool」の続きが描かれたとします。
当然梓達は卒業して居ない。
でも、菫がいて、直がいて、さわ子がいて、この3人を中心にしてさえいれば、僕は多分その「続き」も「正しい続編」と見做すんじゃないかと思うのですよ。

結局は「軽音部」に集う少女たちの物語であれば、それは全て「けいおん!」になるんじゃないかなと。
そう考えると「college」だけ浮いているように感じるのも必然かな。
「college」だけ「軽音部」ではなくて「軽音サークル」だから。
作中では軽音部となってましたけどね(汗

まあ、かなり強引な解釈ですけれど、でも、これって部活動を扱った作品ではごくごく普通の事だとも思うのですね。
一番代表的なのは「キャプテン」かな。
高校野球部を描いた作品で、作品の主人公を歴代のキャプテンが務めるという作りになっているから。
最近では「げんしけん」も割と近い物があるのかもしれない。

もう一つ敢えて付け足すのであるならば、「初心者」が居る事も重要だったかもしれません。
漫画で部活を描く場合、やはり成長というのは不可欠な要素だと思うから。
「けいおん!」では唯がその役目を果たしていた。
今回は、「わかばガールズ」なんてバンド名を冠していたように、ほぼ全員が何かしらの「初心者」であった。
こういった成長要素があったかどうかでも、印象はまた違ったと思うのですね。

何はともあれ。
「中野梓の軽音部」としての「けいおん!」。
とっても楽しかったです。

何故名前が一文字なのか?

余談です。
この漫画のメインキャラの名前。なんで皆漢字一文字なのでしょうね?

唯、澪、律、紬、梓
憂、純
晶、幸、菖
菫、直

一文字では無いのは
さわ子
香奈、千代(←サークルの部長たち先輩)
等、本当に一部だけ。

アニメにまで広げれば、一文字でない方が多くなりますけれど、原作だけ見ると、殆どのメインキャラが漢字一文字なんですよね。

なんか意味がありそうなんですよね。拘りみたいなものが。
だって、「憂」とか正直普通では無いですよね。
ググると、この漢字で「ゆう」と読ませて、男の子の名前であるとかないとかというページがヒットしますけれど…。
まあ、一般的な名前とは言いづらい。

「菖」も同じような感じで…。
通常この一字だけでは「あやめ」とは読まないですしね。
普通は「菖蒲」となるので。(これだと「しょうぶ」とも読めて、やはり人名としては相応しくないかな?ちと分からんです)

どうも強引にでも漢字一文字に纏めたいという気持ちが透けて見えるんですが…。
なんでなんでしょうね。

分からないのですが、1つ思いついたのは、台詞の文字数を減らすため…とか。
4コマってたった4コマで起承転結を描くから(そういう形を取らない4コマ増えましたが)、セリフの字数って結構重要だと思うんですよ。
短い言葉で的確な表現でやり取りしないと、コマの中に収まらないから。
イメージとしては、ツイッターかな。
あれも140文字に収めるために、結構言葉使いとか気を遣うし、慣れないと難しい。

4コマも、(ちょうど僕のこの記事のような)ぐだぐだした言い回しに終始しちゃうと収拾がつかなくなりそうです。
そんな訳で、減らせる部分はなるべく減らしたいという意向から、名前は一字に決めていた…とか。

当初は、さわ子の出番は殆ど考えられていなかったんじゃないかな。
だから、3文字も使ってしまった。
先生なので、名前が何文字だろうと台詞内では「先生」の2文字で済むからという思惑もあったかもしれない。

あくまで推測でしかないですけれど、そうやって名づけたら、さわ子が作中で「暴走」して、滅茶苦茶前線に出て来るようになっちゃった…とかw
メインキャラで唯一といって良いと思うのですが…。
さわ子先生だけ漢字一文字ではないのはそういう理由なのかもしれないという妄想。

まとめ?

長くなりました。
いや、本当に大笑い出来ました。
梓のツッコミ面白いな〜w

や〜ほんと。アニメ3期は見たいな〜(真剣)

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