Mangaism

アニメ、漫画の感想や考察を書いてます

アニメからファンになった人が漫画雑誌を買ってくれるようになると、それはとっても素敵な事で

この記事は

アニメから原作を好きになった人を雑誌に呼び込む方法が何かないかなと考えた記事。
考えただけで結論は当然出てませんw(出せる訳が無いw)

はじめに

先日ネットで「アニメで入ったファンは、コミックスは買うけれど、雑誌は買わない」という意見を見ました。
この意見が100%正しい訳では無いと思います。
でも、一理あるというか、ある特定のジャンルの作品では、ほぼそうなんだろうなと思ったのです。

今回は、これを機に考えてみた事を纏めてみます。
いつも以上に大した事は書いてません。

アニメファンを雑誌に取りこむ事

漫画がアニメになり、そのアニメを見て作品を気に入り、ファンになる。
というのは、多分どんな作品にも多かれ少なかれ見られる現象だと思います。
これが全く無いという作品は絶対に無いはずw

で、その際ファンになった人が取る行動としては、漫画を読む人であれば原作に手を出す事が多いと思うのです。
つまり既刊本の購入ですね。
この時の状況を作品の分野等から想像してみます。

先ずは原作がラノベの場合。
ライトノベルを含めた活字の本って雑誌での連載と言うのはあまり無いですよね。
殆どが書き下ろしだから、雑誌へのフィードバックと言う考え自体馴染が無いんじゃないかなと。

続いて漫画。
漫画でも細分化して…。
月刊誌(や隔月誌など発売のスパンが比較的長い雑誌)連載作品、1話完結の作品(ギャグやコメディ等)。
また、「コナン」等の数話で1エピソードが完結する作品を含めても良いと思うのですが…。

これらの作品の場合は、比較的連載誌へのフィードバックが期待できるんじゃないかなと考えます。
1話から順番に読んで行かなくても、話に付いていける事が多いからです。

これらとは違って週刊誌連載のストーリー漫画は非常に難しいんじゃないでしょうかね。
なかなかにアニメから入ったファンを雑誌に呼び込めない。呼び込み難い。
そう僕は考えていて、その理由がコミックスの制作と発刊ペースにあるんじゃないかなと推察してます。

コミックスの制作と発刊ペース

アニメ化云々に係わらず、たまに見かけるのが「この続きが発売中の雑誌で読める」という旨が書かれた帯。
基本的にコミックスは、雑誌連載で一定以上のストックを貯めてから発売されているようです。
ストックの量は、作品や雑誌によってまちまちですけれど、大体1〜3巻分くらいですかね。
「おおきく振りかぶって」になると、数年分ものストックがあるみたいですし、本当に作品によって大きく違います。

この「基本」を破って、わざとストックを使い切るのが上のような状態ですね。
これを行う意図は、何と言っても帯で宣伝している様に、コミックス派を雑誌に呼び込みたいからなんだと思います。

で。
これが出来るのって、月刊誌等の発売間隔の長い雑誌に限られるんじゃないかと考えます。
そう考える理由は2つ。

1つは、週刊誌では難しいから。
コミックスの売上とか見てると、どの作品もやはり発売日から3日以内が一番売れている気がします。
みんな発売日をチェックして、買っているのか。
たまたま書店で見かけて買う人が多いのか。
大抵の新刊は平積みされたり、新刊コーナーに置かれたりして、目立つように売られてますしね。
目に付きやすいから買う人も多そうなので、必然的に発売直後が最も多いのかもですね。

でも、必ずしもそうじゃ無い事も往々にしてありますよね。
発売後暫く経ってから、購入する人だっていっぱい居る。

こういうのも考慮すると、週刊連載よりも月刊連載の方が有利。
例えば。
週刊誌連載の作品が、ストックゼロにしてコミックスを出したとします。
帯には「この続きが」の恒例の謳い文句。

でもですね。
これが有効なのって最長で7日間なんですよね。雑誌とコミックスが同時発売したケースですね。
(漫画喫茶とかで読むなどのケースは想定してません)
対して月刊連載だと、最長1ヶ月。

全く効果が見込めないという事は無いでしょうけれど、月刊誌に比べれば週刊誌は圧倒的に不利だと思うのです。


2つ目の理由は、コミックス制作は楽では無いという点。
ジャンプの目次コメとか読んでて、よく見かけるのがコミックス制作に関して。
色々準備しているとか仕事が重なって大変とか。

また、休載の理由としても「コミックス作業の為」というのもありますね。
実際本当にそれを理由として休載しているかどうかはさておき、理由に出来るくらい大変な事だという事は想像に難くない。

コミックスの作業って、「描き貯めたストックを纏めるだけ」では無いようなんですよね。
実作業として
 ・表紙、裏表紙などのカラーイラスト数点
 ・レイアウトチェック
 ・誤字脱字等のチェックと修正(チェックは編集者の仕事かもです)
 ・描き直しや描き下ろしページ、おまけページなどの制作
等。
表紙は既存イラストの流用なども出来ますから、描き下ろしなどが無い事もある。
だから、これら全ての作業が必ずしもある訳では無いけれども、大変な事に変わりない訳で。

そうそう。
そういえば「FAIRY TAIL」は1話丸々描き直しした事もありましたね(汗
週刊連載をやりつつ、こんな事出来ちゃうのは今でも真島先生だけかもしれないですね。
それ程大変な事だと思うのです。
しかもこういうコミックスに関する作業というのは「無賃」らしいですので、自著に対する熱意の高さが窺えますよね。

閑話休題。
兎も角。コミックスの制作は、作者にかなりの負担を強いる。
だから週刊連載作品でコミックスの連続発売って結構大変だという事も容易に想像出来ます。
ストックを使い切るほど連続して発売する事は、週刊作家には難しいのでしょう。

比較的時間に融通が利くらしい月刊連載作家だからこそ可能な芸当なのかもしれません。

週刊連載で「この続きが今発売中の雑誌で読める」という手法はやっぱり難しいと考えます。
実際にそれをやっている作品って滅茶苦茶凄い事をしているんだと思う。

おわりに

最初に僕は「週刊誌連載のストーリー漫画は雑誌へのフィードバックが期待できない」としました。
その理由としては、上記のようにコミックスの問題。
これが可能であれば、週刊のストーリー漫画でも充分貢献が期待できると思うのですが、実際は難しい…と推測してます。

何故か。
「ストーリー漫画」だからですねw
コミックスを最新刊まで読んでも、雑誌とコミックスの間にストックがある限り、雑誌を読んでもお話についていけないから。
これを気にしない人もいるでしょうけれど、そういう人は少数派だと思います。
大抵の人は気にする(と思う)。
だから、大抵の人は雑誌まで読まない。引き続きコミックスだけで追いかける。

なんか方策は無いんですかね。
アニメからファンになった人を雑誌に取り込めると結構大きい気もするのですが。

そこで僕が考えても何の意味も無いけれど、一つ考えてみました。
数年前の特撮「仮面ライダーディケイド」を真似た方策。
この作品。TVシリーズ最終回で「続きは劇場で」をやって、一部の視聴者から大顰蹙を買ってしまいました。
(厳密に言うと「続きは劇場で」という事はしていなかったのですが。そう思わせてしまう映像だったことは否定できない事実だったかなと)

これが批判された理由は、主として「完結を前提としているTVシリーズで完結せずに他媒体に続いてしまったから」があるんじゃないかな。
しかも、その続きが半年後で、有料となる映画。
ずっと見ていた人からすれば、そりゃ無いよと思っちゃうのでしょうね。

で、これをアニメでやっちゃえば面白いんじゃないかというのが僕の考えた愚策w
深夜アニメ。しかも原作アリの作品だと、殆どが「未完」で終わるんですよね。
誰しも原作と同じラストになるなんて考えていない。
大抵は原作自体が、その時点で終わってないから当然ですけれどもw

だから、「ディケイド」と違って「TVで完結する事が前提」という条件が先ず無い。
これが無いから、アニメ最終回で「この続きは原作で!」とかやっても批判は出難いんじゃないかなと。

原作者とアニメスタッフが企画段階から協議を重ねて、アニメ最終回の直後がその時点の連載最新話に繋がるように調整する。
そうすれば不可能とは呼べない、出来なくもない事だと思うんです。
まぁ、原作がアニメ開始前の時点でコミックスが20巻も30巻も出てるようだと絶対不可能ですがw

うん。
本当に愚策ですねw
作者の負担が半端ないから、こんな事やるべきでは無いですね。

でも、なんか方法があるんじゃないかなと思っちゃう。
もしも週刊連載のストーリー漫画で、アニメから入ったファンを連載誌に取り込めるようになれば。
少しは雑誌不況も緩和されそうですし、アニメとの関係もより良くなりそうなのですが…。

僕が頭を捻っても何の意味も無いですが、この方法が確立されると良いなと思いますね。